ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

ショスタコーヴィッチ チェロ協奏曲第1番変ホ長調 作品107

2006-09-14 | CDの試聴記
今日は日帰りで名古屋出張でした。

18日(祝)にショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番(趙静のチェロです)を聴きに行くので、予習をかねてipodに入れて新幹線の中で聴こうと思い、昨夜作業しはじめました。
ipodに入れようと思っていた演奏は、ロストロポーヴィチ&小澤征爾盤です。
しかし、いざ作業をすべくCDを取り出してみて、目が点になりました。
CDの録音面に、何と白いカビが生えてしまっているではありませんか。
話にはきいたことがありましたが、私の所有しているCDの中でこんなことになったのは初めてです。
もう、しばらく声も出ませんでした。
でも、「なってしまったものはしかたがない」と自分を慰めるしかありませんよね。(やっぱり、O型か・・・)
そして、何とか気を取り直してipodに入れたのは、同じロストロポーヴィチの第一回目の録音です。(我ながら、意地っ張りだなあ・・・)
以前、バーゲンのときにボックスセットで購入していたものだったので、実はこの演奏、まだ聴いたことがありませんでした。

        

さて、新幹線が東京駅のホームを離れると、早速愛用のB&Oのイヤースピーカーを耳にセットし、このいわくつきの演奏を聴きはじめました。
最初は、今日のプレゼン資料に目を通しながら聴いていたのですが、途中でプレゼン資料はパタンと閉じて鞄にしまうことに・・・。
とても、仕事をしながら聴ける演奏ではなかったのです。

凄い演奏。ひたすら凄い演奏。
私は、前述の小澤さんとの演奏も大好きでよく聴いていたのですが、このロストロポーヴィチにとって第一回目の録音は、音楽の起伏の激しさ、桁違い集中力といった点でさらにその上を行きそうです。

とくに凄いのは、モノローグ風の第2楽章を受けて奏される第3楽章。
この楽章は、独立した有名なカデンツァですが、その規模・内容の充実ということでは、ヴァイオリン協奏曲第1番の第3楽章パッサカリアに含まれるカデンツァと双璧ではないでしょうか。
書いたショスタコーヴィチも凄いけど、全身全力で打ち返したロストロポーヴィチもこれまた凄い。まさに、投げも投げたり打ちも打ったり!
フィナーレはアレグロ・マ・ノン・トロッポではありますが、もはや、マ・ノン・トロッポという感じはまったくありません。
緊張感をどんどん増しながらエンディングに向かいます。
この集中力の凄さと、周りを焼く尽くすような独特の熱気は、初演者でもあるロストロポーヴィチならではだと思います。

こんな演奏を実演で聴いたら、もう居ても立ってもいられないでしょうね。
でもこの曲、一応チェロ協奏曲ということになってはいますが、チェロとホルンとティンパニのためのトリプルコンチェルトという印象が強いです。
決まったら、ほんとかっこいいなぁ!

さて、18日はどんな演奏を聴かせてくれるでしょうか。
趙静さん、デブリーストさん、大いに期待していますよ。

<曲目>
ショスタコーヴィチ作曲
■チェロ協奏曲第1番変ホ長調 作品107 ①
■チェロ協奏曲第2番ト短調  作品126 ②
<演奏>
■ロストロポーヴィチ(チェロ)①②
■ロジェストヴェンスキー指揮 モスクワフィル  ①
■スヴェトラーノフ指揮 ソヴィエト国立交響楽団 ②
<録音>
■1961年2月10日ライブ ①
■1967年9月25日ライブ ②
コメント (16)
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