六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

ある三位一体論…読書ノートから

2020-11-05 18:07:21 | フォトエッセイ

     

「象徴天皇制と戦後民主主義と資本主義の共犯関係」から完全に独立した思想的基盤を、芸術は持ってはいない。構造的に持ち得ないのだ。だから社会と和合する方向しか残っていない。その意味において現在の美術、芸術は潜在的に「体制の表現」であり、体制芸術である。

 以上は『超藝術手帳』での大野左紀子論文の結論部分だが、芸術表現のみならず、「象徴天皇制と戦後民主主義と資本主義の共犯関係」という三位一体を超える言葉を私たちは持ちうるのだろうか。

 そしてこれは、同誌の鼎談で千坂恭二がいうごとく、「思想にしろ、アートにしろ、政治にしろ全部、塹壕戦の時代 もう勝てない 外部がなくなったから それでも降伏せずにいるためには戦線を維持する他はない」ということに通じるように思う。

 「塹壕戦の時代」・・・・私はどのような塹壕を掘るべきか。

 竹林の下、根っこがリゾーム状に広まって滅多なことで崩落しない塹壕。

 しかし、そこからの視界をどのように確保すればいいのだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする