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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

10月に書く9月の長い一日 深津絵里さんなど

2010-10-01 04:16:32 | アート
 月末締め切りのものをやっと送稿しました。
 で、しばらくご無沙汰していた日記もどきを書こうとしたのですが、気がつくともう月が変わっています。この月には私の誕生日があり、それを迎えると、還暦プラス一回りということになります。
 なんということでしょう。あの戦中戦後をくぐり抜けてきた愛らしい少年が、まだ生きていて、なにやらごそごそしているなんて・・・。

     
            トリエンナーレの作品

 それはともかく、日記らしい日記を書きます。
 月末の一日、私にとっては忙しい一日でした。
 まずは午前から昼食をはさんで、同人誌の編集会議です。
 どうも歯切れの悪いものを書いてしまったので、いくぶん臆するところがあるのですが、書いたものは書いたもの、腹をくくって判決を待つまでです。

     
            その続き この中に入れるという

 その後、友人に会い、渡すものを渡したり、ちょっとした情報交換をしたりしました。会ったのがちょうど愛知芸術文化センターでしたので、折からの「あいちトリエンナーレ2010」の無料の箇所をいっしょに観ました。
 料金をけちったわけではありません。
 まだまだ行かなければならないところがあったので、料金を払ってゆっくり観る時間がなかったのです。

        
                これもその続き
  
 続いて行ったのが「109シネマズ名古屋」です。
 もちろん映画を観るためで、お目当ては『悪人』ですが、ミーハーな私の本当の目当てが、第34回モントリオール世界映画祭で最優秀女優賞をとった深津絵里さんであることはいうまでありません。
 
 『フラガール』のダンス教師同様、李相日監督は少しずれてしまったヒロインを描くのがうまいと思いました。そこへ深津絵里さんがすっぽりはまった感じです。
 彼女の演技に関しては、決してオーバーなアクションはないのですが、目線の使い方がうまいと思いました。少しの目の動きで、いろいろなものを語ることが出来るようです。

     
          これも作品 天然痘にかかった車だろうか
 
 しびれたのは、セックスのあとの潤んだような瞳でした。男はセックスのあと、そんな女性の表情を余り観ないのでしょうが、映画でもいいですからあれは一見の価値があります。
 脇の良さも見もので、樹木希林、江本明を主人公として観る視点もあり得るぐらいです。

     
              天然痘の後遺症?

 この深津絵里さん、どこかで観たような気がして仕方がなかったので、帰ってから検索したら、なんと1996年に観て、一般的な評価はともかく、私は面白いと思って高得点を付けた『(ハル)』(森田芳光:監督)のヒロインだったのです。
 あの『(ハル)』では当時のパソコン通信の当事者でしたが、今度は出会い系の女性として登場するのも偶然とはいえ面白いと思いました。

 この日の私のスケジュールはこれで終わりません。
 松坂屋の名駅店が既に閉店したことはご承知の通りですが、実はその七階の飲食街のみ、九月末まで営業していたのです。
 そのうちの一軒に私のなじみの店がありました。私の好きな冷酒が複数あり、料理もうまくてリーゾナブルな価格で、いつの間にか店長(板長)やママとも親しくなり、名古屋での会合の帰りなどちょくちょく寄っていた店でした。

     
         映画を観たところから名古屋駅方面を臨む

 その店の最後です。
 どこか名駅近くで移転営業をしたらと思ったのですが、それはしないようです。
 明るくて闊達なママは、引退をして子供を産みたいといっています。
 「なんなら手伝おうか」という私に、もっといいDNAを持った連れ合いがいるといいます。DNAには自信のない私はここで引っ込まざるを得ません。

 レジで勘定を払いました。彼女は私の手を握ってなかなか離しませんでした。女性とこんなに長く握手をしたことはありません。
 「私の子ではなくてもいいから、とにかくいい子を産め」と憎まれ口をいって別れました。

        
            名駅ツインタワーズの夜景

 私も30年近くやっていた店をたたんだ経験があります。その頃のことがいろいろとよみがえりました。
 岐阜駅から自転車を転がし、私の家の近くの郊外にさしかかるにつれ、虫の音が大きくなり、改めて秋を感じるのでした。
 長い一日でした。
 

 
 

コメント
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