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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

怪しい一団と堀川のこと

2007-05-08 16:48:15 | フォトエッセイ
 この前の日記で、「鯉の恋」で河川の水質の問題に触れました。
 と思ったら、翌日さっそくそれに関連する状況に出くわしました。

 名古屋の町中で、何やら青い幟を持った一隊に出合ったのです。何かの宣伝かなと思って見ていてら、どうやらそうではないようです。
 折から通りかかった堀川の川岸に降りていった一隊は、私などには目もくれず、揃って川面を眺めはじめました。

 
 
 名古屋以外の方のために申し上げますと、この堀川、文字通り名古屋城の外堀と接続していて、下流は堀川運河として名古屋港にいたり、水上交通の盛んな折には、名古屋の都心と伊勢湾を結ぶ要路だった都心を流れている川なのです。
 また、この川はかつては水底まで見渡わたす事が出来、そこで泳ぐことも出来た清流であったということです。いまを去ることン十年前、古老にその体験を聞いたことがあるのですが、その話を聞いた頃は、折から環境などに一顧だにしないような高度成長のまっただ中で、どす黒い水が淀み、メタンガスが吹き上げる状況でしたので、にわかには信じがたいものがありました。

 
 
 さて、一隊の話に戻りましょう。
 一枚目の写真、文字が反転していますが、二枚目(私のことではありません。念のため)でお分かりいただけるように、「堀川を清流に 堀川1,000人調査隊」と幟には書かれています。幟の下段に記された2010は、たぶんその達成目標を2010年に置いているということでしょう。
 
 先ほど覗き込んでいたのは、目視による確認でしょう。二枚目の右の作業服の人が持っている筒状のガラスの器具は、水質検査関連のものだと思われます。
 写真には撮りませんでしたが、その後、この人は、川岸への階段を下りて、水を汲んでいました。

 さて、この川の水質の現状がどうであるかを三枚目の写真で示します。
 どうでしょう、これをあと二年で清流にするにはかなりの努力が要りそうですね。

 
 
 次いでにこの川の全体像を示したのが、四枚目の写真です。ご覧のように大都会の都心を流れる川です。この川が、本当に清流になったら素晴らしいですね。

   
 
 ところで、どういう人たちがこんな奇特な事をしているのでしょう。写真でご覧になれるように、どうもオフィスぐるみの参加のようです。時間も午後1時半頃ですから、普通なら就業時間中です。
 
 そこで、ネットで調べたら、このキャンペーン、名古屋ライオンズクラブが最重要課題として掲げ、実行しているようなのです。どうやらこの一隊も、社長さんがクラブの会員さんで、その指示のもと、こうして出かけてきたようなのです。

 ライオンズクラブとか、ロータリークラブというのは私のような庶民にとってはいささか縁遠いものがあるのですが、儲けすぎたお金を、こうした環境の保全回復に費やすという事は悪い事ではありません
 ましてや、動員されたとはいえ、こうして炎天下、現場で調査作業をする人たちには、ご苦労さんという他はありません。

 
 
 いずれにしても、この人たちの努力が実って、この堀川が、同じ場所で撮った五枚目の写真のような、青空に似つかわしい清流になる事を祈りたいと思います。
(この川がかつては清流であったと私に話してくれた古老たちに、回復した清流を見せてやりたいと思うのですが、そのほとんどがもう、鬼籍に入っていらっしゃるでしょうね。)
コメント
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