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今日はなにいろ?

カティンの森

2010-06-08 11:34:09 | 映画
戦争映画を観るたびに「これほど悲惨な戦争映画はいまだ観たことがなかった」と書いてきたのだが、この言葉は「カティンの森」を観るまでとっておけば良かった。

「カティンの森」では戦闘のシーンは皆無。
一方的に人々が収容所送りになる。
そして、虫けらのように殺される。

一万人以上のポーランド将校が虐殺された「カティンの森事件」
歴史に疎い自分が知らなかったのは勉強不足の一言なのだが、が、この事件、当のポーランド共産党が崩壊する1989年まで真相を究明しなかった、と言うのだから、知らなかった人も多いのでは?

いまだにロシアから正式な謝罪はないとか。
が、映画はソ連やドイツを糾弾してはいない。
ただ、あったことを淡々と描いている。
しかし、その裏にある、強い怒りと悲しみの大きさに、明るくなった館内で席を立つのも辛かった。

この映画は2007年に完成されたにも関わらず、日本で公開されたのは2年後。
こちらではすでにDVD発売された後の最近、映画館で上映された。
DVDで観るのももちろんいいだろう。
が、こういう映画こそ、映画館で観るべきだ。
こういう映画こそ、多くの映画館で上映すべきだ。
映画の感想はcinemaにて。