DNAの分子認識を利用することで、色素分子を環状に配置した分子集合体の構築を目指した。DNAはゲノムとして遺伝情報を保持しているが、高分子化学の観点から見れば、核酸塩基、糖、リン酸からなるイオン性高分子であるり、さらに核酸塩基のアデニン-チミン、シトシン-グアニン間の相補的水素結合により二重らせん構造を形作っている点から、分子認識で組みあがった超分子である。DNAの二重らせん構造を形作っている核酸塩基間の特異的な水素結合に着目することで、色素分子の環状固定化が達成できると考え、以下の3項目を目標とした。(1)核酸塩基に色素分子が結合したヌクレオチドを新たに合成し、それを組み込んだ環状二本鎖DNAを酵素反応により作製する。(2)気液界面において環状一本鎖DNAを鋳型とすることで、両親媒性色素分子の環状構造体を作製する。(3)作製した色素環状配列集積構造の励起子伝達を単一分子レベルで計測することで光捕集アンテナ分子としての働きを明らかにして、さらに光電変換薄膜と組み合わせて人工光合成系を構築する。 J-Store >> 研究報告コード R040000071
DNAの分子認識を利用することで、色素分子を環状に配置した分子集合体の構築を目指した。DNAはゲノムとして遺伝情報を保持しているが、高分子化学の観点から見れば、核酸塩基、糖、リン酸からなるイオン性高分子であるり、さらに核酸塩基のアデニン-チミン、シトシン-グアニン間の相補的水素結合により二重らせん構造を形作っている点から、分子認識で組みあがった超分子である。DNAの二重らせん構造を形作っている核酸塩基間の特異的な水素結合に着目することで、色素分子の環状固定化が達成できると考え、以下の3項目を目標とした。(1)核酸塩基に色素分子が結合したヌクレオチドを新たに合成し、それを組み込んだ環状二本鎖DNAを酵素反応により作製する。(2)気液界面において環状一本鎖DNAを鋳型とすることで、両親媒性色素分子の環状構造体を作製する。(3)作製した色素環状配列集積構造の励起子伝達を単一分子レベルで計測することで光捕集アンテナ分子としての働きを明らかにして、さらに光電変換薄膜と組み合わせて人工光合成系を構築する。 J-Store >> 研究報告コード R040000071