2016年12月23日 金曜日
この日最後に採集した川での話。
雨季に満水になるだろう川底に転石が敷き詰められ、幾筋もの平瀬が広がっている。
太平洋の水平線も丸く見える。海はすぐそこだ。
浅すぎて釣りにはならんがガサはやりやすそうだ。
左岸から降りる。
生活排水が流れ込み、この川で唯一緩やかな泥底になっている。
テンジクカワアナゴの幼魚がワンサカ採れる。
飽きた。
しつこくガサを続ける友を残して右岸へと移動する。
ほんの10mくらいだけどボサ(陸地の草が水に浸かってる所)があるように見えるのだ。
「ボサあったわー。」ガサ開始。
「うわあ! ヨシノボリじゃあ! ちいと大きいオスじゃあ!」
友に向かって叫ぶ。強い風にはばまれ声が届かない。
ところがである。
遅ればせにやってきた友に報告後、バケツの水かえしとったらピョンと逃げたんである。
ぐやじい! カッコわるー。同時に台湾東南部初ヨシノボリ採集の記録を残せないのは申し訳ない。
必死にガサを再開する。
このあたりだけ底石が埋まってないからかフワフワしとる。ええポイント見つけたわあ。
ちっちゃいボウズハゼが閃光のように次々と走る。
格闘すること約10分、なんとかメス2尾と小さいオス1尾を採集した。
大吻鰕虎魚( Rhinogobius gigas ・通称ギガス)である。
まず、小さくやせこけたオス。
底が白い観察ケースへ入れるとあっという間に体色が黒くなるのもオオヨシノボリに似ている。
続いてとてもきれいなメス。
最後に婚姻色の出たメス。
台湾固有種である。想像以上に美しい。
ヨシノボリ類でもっとも大きくなるという。
なもんで「 R.gigas ・ギガス」と名付けられたようだ。
が、体長12cmと日本のオオヨシノボリとさほど変わらんと思うのである。
じゃけんな、なんで「R. megas ・メガス」くらいにせんかったんか?
ちょっとばかりブーブーである。
ヨシノボリ類は、中国大陸などでまだまだ記録されてないものがたくさんおるはずである。
しろうとの私でもそれくらい分かる。
もっと大きくなるヨシノボリ類が記録されたときどうするんやろ?
「R. teras ・テラス」かいな? 広めの縁側になるやんけ。カッコわる!(冗談)
正直に書くと、撮影を始めるまでまったく気づいてなかったのである。
まさかこんな最下流域でギカスにあう想定はしていなかったのである。
図鑑にも中上流域と書いとるし。
日本だったらチチブとかゴクラクハゼとかの世界なのに。
気づいた瞬間腰ぬけたんである。
「ほんまやな?」
「すいません。うそです。腰ぬけてません」
というくらい逢いたくてたまらんかって逢えるとは思えんかったヨシノボリなのである。
うれしゅうてうれしゅうて天に昇ったんである。
「ほんまやな?」
「・・・・・・・・・・・・」
手にとった感じでいうと、日本のオオヨシノボリやルリヨシノボリに似ている。
少しヌタッとしたクネクネ感があり、吸盤の吸いつき感が強い。
今だに
「あの逃がしたオスは大きゅうてキレイやったなあ。見たかったわあ。」
「でも逃がしたけえ、後の3尾採れたんよなあ。」 2つの思いで揺れとんである。
つくづく私、欲深い日本人です。
この日最後に採集した川での話。
雨季に満水になるだろう川底に転石が敷き詰められ、幾筋もの平瀬が広がっている。
太平洋の水平線も丸く見える。海はすぐそこだ。
浅すぎて釣りにはならんがガサはやりやすそうだ。
左岸から降りる。
生活排水が流れ込み、この川で唯一緩やかな泥底になっている。
テンジクカワアナゴの幼魚がワンサカ採れる。
飽きた。
しつこくガサを続ける友を残して右岸へと移動する。
ほんの10mくらいだけどボサ(陸地の草が水に浸かってる所)があるように見えるのだ。
「ボサあったわー。」ガサ開始。
「うわあ! ヨシノボリじゃあ! ちいと大きいオスじゃあ!」
友に向かって叫ぶ。強い風にはばまれ声が届かない。
ところがである。
遅ればせにやってきた友に報告後、バケツの水かえしとったらピョンと逃げたんである。
ぐやじい! カッコわるー。同時に台湾東南部初ヨシノボリ採集の記録を残せないのは申し訳ない。
必死にガサを再開する。
このあたりだけ底石が埋まってないからかフワフワしとる。ええポイント見つけたわあ。
ちっちゃいボウズハゼが閃光のように次々と走る。
格闘すること約10分、なんとかメス2尾と小さいオス1尾を採集した。
大吻鰕虎魚( Rhinogobius gigas ・通称ギガス)である。
まず、小さくやせこけたオス。
底が白い観察ケースへ入れるとあっという間に体色が黒くなるのもオオヨシノボリに似ている。
続いてとてもきれいなメス。
最後に婚姻色の出たメス。
台湾固有種である。想像以上に美しい。
ヨシノボリ類でもっとも大きくなるという。
なもんで「 R.gigas ・ギガス」と名付けられたようだ。
が、体長12cmと日本のオオヨシノボリとさほど変わらんと思うのである。
じゃけんな、なんで「R. megas ・メガス」くらいにせんかったんか?
ちょっとばかりブーブーである。
ヨシノボリ類は、中国大陸などでまだまだ記録されてないものがたくさんおるはずである。
しろうとの私でもそれくらい分かる。
もっと大きくなるヨシノボリ類が記録されたときどうするんやろ?
「R. teras ・テラス」かいな? 広めの縁側になるやんけ。カッコわる!(冗談)
正直に書くと、撮影を始めるまでまったく気づいてなかったのである。
まさかこんな最下流域でギカスにあう想定はしていなかったのである。
図鑑にも中上流域と書いとるし。
日本だったらチチブとかゴクラクハゼとかの世界なのに。
気づいた瞬間腰ぬけたんである。
「ほんまやな?」
「すいません。うそです。腰ぬけてません」
というくらい逢いたくてたまらんかって逢えるとは思えんかったヨシノボリなのである。
うれしゅうてうれしゅうて天に昇ったんである。
「ほんまやな?」
「・・・・・・・・・・・・」
手にとった感じでいうと、日本のオオヨシノボリやルリヨシノボリに似ている。
少しヌタッとしたクネクネ感があり、吸盤の吸いつき感が強い。
今だに
「あの逃がしたオスは大きゅうてキレイやったなあ。見たかったわあ。」
「でも逃がしたけえ、後の3尾採れたんよなあ。」 2つの思いで揺れとんである。
つくづく私、欲深い日本人です。