イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

どっちも軍略家

2007-01-08 15:08:46 | テレビ番組

NHK大河ドラマ『風林火山』の1話を観ました。この時間(20:00~)なら余裕でリアルタイム視聴できるだろうと思って録画のセットをしておかなかったのであせりましたが、多チャンネルNHKの強みで、いまは大河にも保険が掛けてあるんですねぇ。22:00~のBS-2放送に滑り込み間に合い、見直しに備えて録画も同時進行でキャッチアップ。

次回が待ち遠しいというほどのスリリングな面白さはありませんが、NHK大河らしく手堅い、なかなかの出来ですよ。何より、歴史ものにつきものの“この人物にこのキャスティング、このキャラ作りはないだろう”というガッカリがなく、全員“それらしく”見えていた。この、当たり前過ぎるくらい当たり前のことがクリアできないドラマが最近多いんです。

何より序盤で“軍略の要は情報管理にあり”という勘助の思想をバン!とセリフで打ち出しているのがいい。家臣は一定の頻度で必ず寝返るもの、内通者は出るもの、兵は逃げ散るものということもこの時点ですでに看破済み。勘助という男の非凡さを印象付けた点、上々のスタートです。

ただ、『風林火山』と言えば69年の、橋本忍脚色・稲垣浩監督による劇場映画版、山本勘助-三船敏郎、由布姫-佐久間良子のイメージが月河はいまだに強烈なんですよ。三船さんは時代劇で“強いヒーロー”の二の線イメージもありますが、ここでは隻眼で片足も不自由な無骨な醜男の勘助が高貴で薄幸な由布姫に寄せる、主従を超えそうで超えない秘めた想いが物語の芯になっていました。対するに内野聖陽さん、フランケン傷の隻眼泥メイクでもいかにも美男で、虚構的なフリーク性・異形性はあまり感じられません。武田軍と最初のコンタクトを持つきっかけとなる村娘ミツを演じた貫地谷しほりさんも直球で美しく可憐、勘助を素直に慕う女心全開で、なんだか拍子抜け。やっぱり勘助には、由布姫と出会うまで“女に心を動かされたことのない男”“女と縁のない男”でいてほしかった。ミツと今後再会する場面はあるのか、あるならどれくらい物語的に後のほうか、その方が気になってしまいました。貫地谷さんが普通に演技も達者なので、由布姫役の柴本幸さんは今作がドラマデビューの新人だけにハードルが高くなったんじゃないでしょうか。

個人的には『富豪刑事』の布さん以来惚れ直している寺島進さんが1話で終了な役だったのがちょっと残念。戦さの醜さ、不条理さを体現する、象徴的に重要な役だったと言えばその通りなんですけどね。もっと深い話数まで存在感を発揮する役で出てほしかった。

最近FMで竹内まりやさん『スローラブ』をよく耳にします。♪どこかにいるはずの スローダンスの相手 (スローダンス~)とおなじみの山下達郎さんのコーラス。彼女の曲、「またコレかい」と思うんですがこのいかにも達郎チックな組成が安心感になってますね。歌い手として美声なほうではないと思うんですが、この安心感、おなじみ感は得がたいもの。山下さんと言えば早くから“タイアップキング”の異名を取る通り、音楽家としての仕事が確実に大勢の耳に留まりおカネを呼び込むシステムを確固と築き上げている人。この曲も、いかにも所謂“F1”層向けなお仕事ドラマ辺りにしっくりはまりそう。“流行りすたり”とか“芸術性”“作家性”といったバクゼンとしたものに寄っかからない現実主義、物質主義とでもいいますか、ある意味の潔さがこの安心感を生むのかもしれません。

それにしても、自分の奥さんに曲を書いて、♪ボクはここにいるよ いつまでもね って歌わせて後ろでコーラスつけてるのってどんな気分でしょう。そう言えば小室哲哉さんも華原朋美ちゃんに“クスリはキライだ”とか“なんにしても飲み過ぎは良くない”とか歌わせてたことがあったなぁ。

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