イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

王さまかわいそう

2008-02-09 00:38:19 | テレビ番組

ディスクを入れ替えたら、『アイガー・サンクション』HDDからの予約ダビング(ムーヴ)無事成功。自動ファイナライズも込みでセットして、PCでも気持ちいいくらい好画質で再生できます。この頃のクリント・イーストウッドは、確かに監督としての大器の片鱗は窺えるけど、顔が『ローハイド』の、女には滅法ヨワいロディの甘さを残したまま、額だけ独走でM字形に後退始めて、結構“アメリカ産大和芋(←んなものはない)の皮こそげ途中”みたいでかわいいなあ。

それはさておき、やはりディスク個体の問題だったのだろうか。“潮目”のできた例の失敗ディスクで、今夜は115日再放送のNHKスペシャル『パンデミック・フルー 感染爆発』90分を予約ムーヴ試運転してみるとしましょう。かつてのTV版『白い巨塔』(昭和42年)財前五郎役・佐藤慶さんを、久々TVで拝見できて嬉しかったものだが、さてうまくムヴったらおなぐさみ。

これで再度、親データがHDDからビクともせず、“潮目”もそのままだったりしたら、やはりディスク問題だったという結論になる。たぶんうちのレコーダーでは、どんな番組タイトルもこのディスクに限ってはムーヴ不能でしょう。

改めてレコーダーの取扱説明書をひもといてみると、“推奨ディスク”としてT社、M社のほか、今回使ったV社製品もちゃんとリスト内に入っていますが、「ディスクごとの相性に対して動作を保証するものではありません」との予防線つき。

デジタル家電にも“相性”なんちゅう超アナログな要素でパフォーマンスを左右されるワキの甘さが、取扱説明書レベルでも織り込み済み。あらためてわかると、なにやらワリに合わないような、どこかでかすかにホッとしたような。

『安宅家の人々』は早いもので第25話。実はこのドラマ、ここまでさりげなく隠蔽され語られずにきたモチーフがあり、それは久仁子と宗一の“夫婦生活”、ぶっちゃけセックス・ライフです。

“結婚4さい”のいまに至るまで、久仁子にとって結婚生活とは、就学前のお子さんをただ働きでお世話するに等しいものでした。愛と信頼で結ばれているとどんなに言い聞かせてみたところで、宗一は大人の男が大人の女性にすることを何ひとつできません。

会社が倒産し高原ホテルに転がり込む格好になった譲二との離婚を実父に勧められても「絶対別れません」と言い張る雅子を見て、久仁子の心には「雅子さん偉いわ、応援するわ」の根底に「オンナとして愛された日々があるから離れがたいのね、私にはないのにチックショー」が微量、必ずあるはず。

23話で「ここの方が気兼ねがないと思って」譲二夫婦の当面の住まいとして離れを提供した(結果「使用人部屋かよ!」と譲二激怒)のも、大人の男に愛されて満たされる義姉の夜の生活への嫌悪感がひそかにさせたことです。

出口のない久仁子は、自分を救い、宗一の在りようを万が一にも自分が邪魔に思う(←それこそ久仁子の自尊心が最も怖れる事態)ことがないように“宗一さんは純粋、汚れがない天使のような存在”“だから世間的な夫婦の営みがなくても魂で結ばれた清い絆がある”という袋小路の自己洗脳回路に陥っている。

96年『ピュア』でやはり知的障害の優香(和久井映見さん)の、高橋克典さん扮する従兄も同じことを、成り行き半分ヤケクソ半分に関係持ってしまったガールフレンド(高岡早紀さん)に言っていたな。セクシュアルに満たされないと、人間、どうしても“純粋”に緊急避難するようで。

それは久仁子自身をも含めて誰も幸福にしない、悲しい偽善にほかならないのですが、そこらへんを突き崩して行くのは、雅子なのか、それとも…という展開を匂わせて、節目の第5週は終了。

先にも言い前の記事でも何度も書いたように、このドラマの中でも特に久仁子という人物はタテマエ部分しか台詞で表現せず、根本のところは極小の暗示(「今夜はパジャマは着ないで寝ましょ」「ハダカんぼ?」程度)のまま話が進んで行くので、なかなか読み取りづらいところもありますが、かなり核心に迫ったお話になってきたと思います。

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