別に切らしているモノはないのに、立ち寄る時間があると1~2点はつい買ってしまうのが百円ショップと無印良品です。
特に無印の入浴剤バスソルトは、詰め替え用が定番で置いてあるのも魅力で、特にカモミールとヒノキの香りを贔屓にしてリピートしていました。
しばらく行ってなかった間に、パッケージがリニューアルして円筒形に。しかも、いままで見たことのない、蜜柑の香り、苺の香りなんかもラインナップに加わっている。
入浴剤に限らず、オーデトワレであれボディローションであれ、はたまた消しゴムであれ“食いモン以外に食いモンの匂いを付けるな!”がモットー(?)の月河ですが、好奇心と、半透明容器から透けて見えるミルキーベージュの色の優しさに負けてハチミツの香りを買って来てしまいました。
なに、ハチミツを食いモンと思うから抵抗があるのであって、蜂という動物が生存のために収集する、植物の受粉繁殖のための分泌物だと思えばいいのだ(余計抵抗あるか)。
数年前に販売されていたレモングラスの香りと、ビワ葉の香りも好きでした。レモングラスは果実やジュースのレモンとは違う野性味ある柑橘香、ビワ葉はふわっとした癒し系の青臭さがあって何度か詰め替えリピートしたのですが、意外に早く定番から消えましたね。カムバック販売はないものかな。
再放送『真夏の薔薇』は第24話、曲折のすえ覚悟を決めて靖顕(入江達也さん)との挙式まで来た碧(安永亜衣さん)、媒酌人の外科部長(79年の映画『病院坂の首縊りの家』でのサブリミナル怪演が記憶に残る久富惟晴さん)の大きなお世話で披露宴の受付係を押し付けられた稲彦(池田政典さん)が『卒業』ダスティン・ホフマンばりの掠奪行に出るかと思いましたがさすがにそこまでのベタはなし。
碧が稲彦に走った頃靖顕に肉弾誘惑仕掛けて玉砕した江里子(野村ちこさん)の、披露宴での再軍備自爆テロもありませんでした。
式の翌朝、福岡の実家へ帰る靖顕母(草村礼子さん)と碧の別れの挨拶の場面では、地味にじーんとなってしまいましたよ。
このお母さん、まだ見た目元気で身ぎれいで、周囲は伏せていますが癌で余命わずかなことを自覚しています。
「靖顕のことよろしゅうね、2人仲良うね、私はもういつ死んでもよかとやけん、本当によか結婚式だったよ、ありがとね、さよならね」と手を握る義母に「お義母さん、またお会いしましょうね、きっとね」とにこやかに答える碧。息子が東京で働いている地方在住高齢お母さんなら、99パーセント“東京の女なんか嫁にしたら終わり”と思っていますから、碧のような見るから清楚で家庭的で廉直そうな娘さんと縁があったら宝くじに当たったような幸福の絶頂でしょう。
“自分の幸せのためでなく、誰かを幸せにしてあげるために結婚するのも生き方としてアリ”という碧なりの潔さを表現した、いいシーンだったと思います。
一方、つらい役回りを終えて二次会の賑わいを背にウツウツとひとり飲んでいる稲彦には、靖顕の妹ですでに碧の友人となっている典子(福家美峰さん)が好感を持った様子。「誠実そうな人に見えたけど、なぜ碧はうまくいかなかったのかしらねぇ?」なんて、碧は「異母兄妹と知らされたから断腸の思いで自分から別れた」ということを、靖顕側の人たちにはもちろん明かしていませんからね。ドロドロの火種がまたひとつ。
ところで、本放送96年のこのドラマの音楽担当で、主題歌『悲しみのためじゃない』も作編曲している岩代太郎さんは、ちょうど1年前の95年夏『沙粧妙子 最後の事件』の音楽も手がけておられますね。『沙粧』サウンドトラックCDのジャケットブックレットで、同ドラマのプロデューサー和田行さんが“乾いた優しきヒューマニズム”と岩代さんのコンポーザーとしての持ち味をリスペクトしています。
『沙粧』では「“殺人”という行為が持つ怪しげな魅力に身を委ねながら制作した」(同ブックレットより)と語る岩代さんが、1年後に『悲しみのためじゃない』の甘く透明感あふれる旋律を作っているというのも、プロなら仕事として当たり前でしょうが、なんだか不思議な感じがします。
しかも、サントラCDの盤面やブックレットデザインにもフィーチャーされている通り、『沙粧』も薔薇がひとつのイメージキーワードになる作品でした。
そんなことに思いをいたしつつ『真夏』のOPを見ると……幕開けのカットが“薔薇の冷凍死体”にも見えなくもないな。
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