イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ドーシタもコーシタも

2009-03-08 20:22:21 | お笑い

『爆笑オンエアバトル』11回チャンピオン大会セミファイナルAブロック(35日放送)、今年は愛知県尾張旭市での収録。特にどの場面の何がというわけではありませんが、地方収録にありがちな偏りとか、ネタ見せ中の、流れから浮いた客席の奇声などが耳につかず、点数もバランスの取れた回だったと思います。

見終わった瞬間こりゃファイナル進出無理だわと思ったのは上々軍団ブロードキャストパップコーンU字工事。それぞれ良いところもあったけれど、後半から締めに向かって右肩下がりになった。セミは足切りテストなのでこうなると不利。

上々622kb8位)は、ツカみの泉谷しげると正岡子規でとてもいい温ったまり具合になり、サザエさんの歌ぐらいまでは流れが良かったのに、いつものことながらなぜ岡見が幼児キャラのおどけ歌を歌って台無しにするのか。歌自体そんなにうまくないし、締めに鈴木も歌ってノリツッコミという形もここ2回ほどこだわっているようだけどさっぱりおもしろくない。ラジオDJに入るまでは結構おもしろいと思って見ていたことが踏み躙られたような気さえする。

ブロキャス658kb7位)もいつものことながら、前半の「硬派だった」まではそれなりにいいんだけど、後半の三本の矢→信長とサルになるとどんどん雑になっていく。後で触れますが、テンポが助走ペースのときより、たたみかけていくときのほうがおもしろくならないと、長時間(5分)勝負のオンバトでは絶対首位争いできません。

U618kb9位)はここ最近、茨城いじりと「ごめんねごめんねー」にこだわり出してからめっきりつまらなくなった。声が出ていることは昔は強みだったのに、いまは不快なリキみに聞こえる。尾張旭というロケーションのわりには茨城ネタへの客席反応は良かったように思いますが、“おもしろい”という意味の反応ではなかったことがこの玉数でわかる。

パップコーン(534kb10位)は2人×3人にした時点でアウト。3人が“記号としての寒い漫才”を演じている間、犯人と刑事の2人が死に筋になってしまう構成がダメすぎるし、バスロマンズのロン毛が犯人のメガネを「漫談の人」と呼ぶようになる理由もよくわからないなど、作りも緻密さを欠く。“ネタ合わせ中の若手芸人と、リアルガチ犯人&刑事”のギャップが可笑しさにつながっていない。犯人がトレンチコートの刑事に「この海の見える崖の上…」と言ったときには、2時間サスペンスのお約束を使ったコントかと思って期待したんですが。原点に戻るけれど“5人いる”ことを活かしたネタを考えた上で、グダらない演技力を個々につけるべき。

当落線上微妙かなと思ったのがななめ45°東京03ギャロップアームストロング

アーム770kb4位通過)はその中でも確信犯「オレらこんなんしかできませんが何か?」という開き直りすら感じてそれなりに笑えました。変態交番が警察官だったので、今度は思いっきり反転して犯人ネタ。「噛んで電話切る」「言えてハイタッチしてやっぱり切る」のお約束みたいになって、わかってるんだけどやっぱり笑ってしまうんだなあ。この事件勃発であの変態交番に“キモい”部長から電話かかって、取ったり切ったりしてるんじゃないかと思ったら二度笑える。184(イヤよ)」をしつこく通底させたわりには、オチのストン感がいまひとつでした。

ななめ730kb5位通過)はいつもの車掌ネタなんだけど、尾張旭のご当地モチーフを採り入れてうまいことくすぐった。「のぞみがある」で客席がドッと沸いたときには手応えを感じたのではないでしょうか。ここで受けなかったら「当たり前→旭前→尾張旭」も使えなかった。鉄ネタを看板にしている組が、地元の私鉄駅名をネタに入れ込んでくれたら、やっぱり客としては嬉しいですもんね。ちょっとズルいけど、チャンピオン大会ラウンドを地方で録る以上、それもアリとしなければならないでしょう。

東京03710kb6位)は角田が途中から微妙になる、得意のパターンでしたが爆発力がもうひとつ。豊本のフレンドパークで、福引当選の角田が影薄くなっていく過程で、あっさり負けを認めずもうひとつ巻き返しのくだりを入れたかった。ラスト角田が退場せず、ステージに3人揃って大オチにもっていく形を考えるべきだったし、豊本“明長(アキナが)”というファーストネームも、意外にいまのオンバトの地方客には浸透していなかったか。

ギャロップ822kb3位通過)は唯一のオーソドックス上方漫才で、手堅い中にもおとぼけな持ち味を活かしていましたが、それこそ中学生のお弁当のように“小っさくまとまり過ぎ”で突き抜けない。ネタ後のMC小松アナとのトークでツッコミ毛利がNON STYLE井上を仲のいい“後輩”と言及、なにげなーく「後輩が先にオンバトチャンピオンになったので負けてられへん」気持ちをアピールしていましたが、狙うならもうちょっとパンチ力が必要か。個人的には枕の、“こんなアタマ”林「そんなことよりそんなことよりね、これだけたくさんのお客さんに集まっていただいてね、これ見んと本当お客さんもっとほら…ねえ…へぇー…」毛利「へへ…」林「…みんな生え過ぎちゃう?」毛利「オマエが抜け過ぎなんや」というまったりしたテンポ、大好きなんですが、こういうノリ一本でチャンピオンになった組はまだいません。どこかで全速走って見せないと。

 さて、五十音順のステージ入場でも目立って客席の声援が多かった2組、ネタもこの両者の首位争いだろうなと思ったら、その通りタイムマシーン31,012kb2位通過、パンクブーブー1,018kb1位通過ときれいに双璧を成しました。2組に共通するのは、とにかく後半からオチまでのトップギアたたみかけが堂に入っていて、安心して見ていられる。“引っ越し先物件探し”“クレーム”と一本押しのネタでも、起伏がありボケ密度も高いので飽きさせない。ネタ後トークでカムアウトしていたタイムのツッコミ山本が「(関に)“バカ”とツッコむべきところで緊張のあまり“デブ”と言ってしまった」ミスも、ネタの浅めな時点だったことと、直後の「営み業(ごう)」の強烈さでうまいこと流せた。とにかくオンバトは制限時間が長いので、一つや二つのミス、噛みは仕方がないにしても、どこでそれを“やってしまう”か、リカバリーのうまさも首位争いの条件になる。とにかく“オンバト慣れ”で2組が一馬身突き放した感です。今回はノーミスな分、玉3個ほどパンクが上回りましたが、ファイナル本番ではどうなるか。

次週12日放送のBブロックに回った中では流れ星と、ガチコントのトップリードラバーガール、それからただ一組ピンの井上マーがどれだけ掻き回してくれるかも注目しています。

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