不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ありがたき幸せ

2009-03-29 00:54:33 | 特撮・ヒーロー

『仮面ライダーディケイド』“剣(ブレイド)”篇完結篇(322日)、とりあえず剣立カズマ(鈴木拡樹さん)が滅法いいヤツでよかったよかった。

それも、オリジナル『剣(ブレイド)』の剣崎(椿隆之さん)となんとなーく通底している、純真思い込み系のいいヤツに造形されていたのがうれしかったですね。オリジナル『剣』を視聴中、剣崎ってちょっと『龍騎』の真司に似ているかなとときどき思ったことがあるのですが、真司が仮面ライダーになったのは使命感より多分に“巻き込まれ”によるものだったし、無鉄砲、一本気、ピュアな善人っぷりの中にも“基本はジャーナリストの卵”らしい好奇心の塊りぶりも感じられたものです。

対して剣崎は、みずから選んでBOARDのライダーシステム要員となった動機に、幼い頃火災で目の前で両親を失ったトラウマがあったり、真司より切迫感やイタさ成分が多かった気が。組織や、先輩・同僚に対する忠誠心、義侠心など、伝統的には孤高のヒーローだった仮面ライダーらしくないキャラなんですけど、設定上のサラリーマン被雇用者ライダーに似つかわしく、いち人間として人を愛する思いと、世界を守る大義とのせめぎ合いは心を打ち作品の魅力ともなった。

ディケイドでのブレイド・カズマは、剣崎を下敷きにして“上昇志向”“序列にこだわる”という、組織に雇われる者がとかく嵌まりがちな卑小な要素をプラスし、そこが人間味、普通の若者らしさとなるように造形されました。

度重なるオリジナルの前期OP曲、相川七瀬さんが歌った『Round Zero』から派生させたと思われる“ゼロからの再出発”というモチーフを織り込んでくれたのも、あの曲のファンとしてはジンと来るものがありましたね。カラオケで何度か挑戦したんですけど、キーが高すぎて毎回ノドがライトニングスラッシュ(意味不明)。

「正社員としてのランクの上下に拘泥して“どうせダメだ”と投げ出さずに、自分がいまの場所でできることを精一杯やれば次の道が開ける」…非正規雇用者に甘んじ逆風を食らっている若者たちへの、ちょっと肉薄くして骨表れたメッセージではありましたが、カズマが厨房皿洗いバイトくん姿でもじゅうぶんカッコよかったのでスマートに伝わったのではないかな。オリジナル剣崎も、すべてのアンデッドを封印し終わった設定の劇場版でいきなりゴミ収集員になっていたり、非力を絵に描いたような体型にもかかわらず妙に肉体労働の似合うキャラでした。

カリス=ジョーカーが最強ライダーにして悪のライダー、という転帰はオリジナルの哀切な結末からするとちょっと残念かなとも思いましたが、カリスの最強感・間感あふれる造形から物語がre-birthするとなると、やはりこうなってしまうか。四条ハジメ社長(累央さん)の「君ら下々の者には経営者の苦しみはわかるまい」「アンデッドの脅威がなくなれば、我が社の存在意義は無くなる。国からの予算を得るためにはさらなるアンデッドの脅威が必要だ」「恐怖と安心のバランスは(経営者たる)私が決める」という大見得は、いまそこにある恐怖として説得力がありました。ライダー世界ならずともいつの世も、体制の管理者、統率者の論理とは斯くなるものかもしれない。

パラドキサ鎌田(入江雅也さん)と最強のライダーにして最強のアンデッド・ジョーカーたるカリス四条の、悪の世界統率コラボに、カズマブレイドと士(井上正大さん)ディケイドのタッグ。士が宣言した“進化”を“自分との戦いに挑戦、克服”と読み換えれば、オリジナルの世界とも見事に地続きになって、かつ、2009年の現実への翻訳もされている。

ディケイドが前に訪れた世界で入手した龍騎フォームでの、鏡面から出たり入ったりの攻撃も見応えがあったし、すべてが解決してこの世界をあとにする士にカズマが「また、会えるか?」と言ったときには、ぜひ再訪カモン!と心から思えました。たぶんユウスケ(村井良大さん)が救出したと思われるサクヤ(成松慶彦さん)とムツキ(川原一馬さん)がカズマと和解するところも見たかった。A(エース)としてBOARDで肩で風切っていたカズマの転落街道のきっかけはムツキを守ろうとした件だったのに、ヤッコさん劇中では感謝も反省の色もなかったですからね。できれば揃って社員食堂でAランチを食べてほしかったな。

士の黒字化テコ入れ策で、にわかに社員食堂を手伝うことになった夏海(森カンナさん)がメイド服、ユウスケがホスト風になり、夏海がおっさん社員に記念撮影をせがまれてる後ろで、女子社員に「カッコいい~」と迫られて逃げられなくなっているユウスケなど小ネタ満載。

OPクレジットで一瞬、前枠『侍戦隊シンケンジャー』で薄皮太夫の声出中の朴璐美さんが顔出し出演?と思ったら柊瑠美さんでした。木ヘンと王ヘンと“美”しか合ってませんでしたね。NHK朝ドラ『すずらん』から10年、少女・萌役で劇場版にも主演した柊さん、調べると87年生まれ21歳になっておられますが、根(?)が小柄なせいもあり、バリバリ当時の面影がありました。

役名がアイ、マイ、ミーと、そこらに普通に居そうで揃って居るのは珍しい“厨房1人称トリオ”、チーズ…じゃなくてチーフ去りし社員食堂で活き活き働いているかしら。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« どんじりに控えしは | トップ | 呂律(ろれつ) »

コメントを投稿

特撮・ヒーロー」カテゴリの最新記事