イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

走ったことが無い

2011-05-18 00:38:46 | 海外ドラマ

15日(日)に第5話まで進んだNHK総合『イ・サン』

世孫(せそん)さま一気に成熟し過ぎ。前週4話の終盤、友ソンヨンとテスの呼ぶ声を夢で聞いているうちにドラマ時制は一気に9年経過。物語の始まった西暦1762年時点のあのお目々くりくりした子役さんが、いきなり、二児のパパぐらいでもおかしくないド大人になってしまいました。

 史実的には李朝第22代国王イ・サン=李祘=正祖(チョンジョ)は1752年生まれ。現代日本に直すと、小34のボウズが大学1年生、もしくは予備校生になったぐらいをイメージすればいいのでしょうかね。もっと文学的にざっくりと、“父恋しい盛りのいたいけなおさな子が、青臭いけれどもたくましい若者に成長”ということで片付けて前に進みましょうかハイ。何しろ全77話あるのです。

 史実の李祘=正祖の出生、即位から治世末年までを軽く調べるとちょっとドラマの先を観る気が失せてくる暗澹さなので、我が国・日本の大河ドラマ視聴の際おちいりがちな“答え合わせ”モードに走らず、あくまで“史実に材をとったエンタメTVドラマ”としてお手並み拝見といきましょう。

…しかし、フィクションにしても暗澹としないエンドに持っていけるのかな、この王さまのこの生涯で。

 あのくりくりおメメが妙に切れ長になったなとか、アゴもやけに横に発達したなとかもさくっとスルーで。ここ何週か韓国史劇ドラマを観ていると、主役・準主役級の俳優さんは男女ともに、日本人にとても近い、日本人俳優の中に入っても見分けがつかないくらいの顔立ちの人が多く、パッと見で速攻あの国の民族の人とわかる顔立ちの俳優さんは、たいてい端役というかモブ、さもなければ老け役だったりするのがおもしろい。ひょっとすると、日本人が、白人系のハーフっぽい彫りの深い顔立ちにあこがれるのと同じようなノリで、あの国の皆さんも“日本人顔カッコいい、あんな顔になりたい”と思っているのかもしれません。五十歩百歩だと思いますけどね。ご近所だし。

 さてまたさらに軽く調べると、『イ・サン』の現・王さま=9年後時制でもややおヒゲの白いものが増えた程度で矍鑠たる英祖(ヨンジョ)さまは、『同伊(トンイ)』のヒロイン・トンイがこれから側室となって産むお世継ぎにあたるらしい。第21代英祖1694年生まれ。『イ・サン』時制では、えーと、1771年になっているわけだから、77歳におなりですか。ふむふむ。つまり、『同伊』は『イ・サン』の、80年ぐらい前の事象を採り上げているわけですな。

 『同伊』の現・王さま=粛宗(スクチョン)さまは、15日放送の第6話では思いっきり笑かしてくれました。おしのび直々捜査に立ち寄った小屋の中で、ドラマらしく簡単に護衛兵士たちと離れて単身になり、これまたドラマらしくタイムリーに刺客に奇襲されピンチ。さらにドラマらしく物陰に隠れていた、未来の後宮トンイに窮地を救われ、怪しい奴らのひそむ家に忍び込んで、と言うか忍び込まされて、ますますピンチ。こういう、“臆面もなくドラマドラマしている”のも、韓国時代劇の微笑ましく心地よいところ。

このスクチョン役、数年前NHKで放送されて人気だった『宮廷女官 チャングムの誓い』で、ヒロイン・長今(チャングム)の運命の男性役も演っていた俳優さんだそうで、それを月河に教えてくれた高齢家族は「チャングムのダンナがこんなドジになった」と泣き笑いしてました。月河は『チャングム』は高齢組の随伴の、そのまたチラ見程度でしたが、この俳優さんはスクチョンみたいな、“おっとり澄ましておマヌケ”なキャラのほうが合うと思うなあ。ちょっとお若い頃、孝夫を名乗っていた頃の片岡仁左衛門さんにも似ている。スクチョンさま、目下、南人派が勢力拡大のため宮中に送り込んだオクチョン=チャン尚宮がお気に入り。ほのかーに“オンナ好き”の相もあるところがいいのです。

それにしても、ウチの高齢組からは、ちょうど並木史朗さんが30年近く「おしんのダンナ」と呼ばれ続けているのと同じように、終生「チャングムのダンナ」と呼ばれるのだろうな。

『同伊』のスクチョンの背後でうごめく南人派(ナミンは。チャン尚宮を推す派)vs.西人派(ソインは。スクチョン母・ミョンソン大妃や正室・イニョン王妃が属す派)の、殺人・偽装上等な政争、『イ・サン』で世孫の父・サド世子が陥れられ幽閉死させられるに至った老論派(ノロンは)vs.少論派の暗闘など、調べ出すと奥が深すぎて抜けられなくなりそう。何しろ、何年頃、誰が誰に何をしたか、どっちがどっちに勝ったか負けたか、なーんにも下地、予備知識がないもので。

こういうの何か活字資料ないのかいなと思ったら、検索一発で出てくる出てくる、韓流史劇ドラマって、冬ソナ系の現代ものメロドラマ、若者男女のトレンディドラマの類いとは別建てで、専門誌、ムック、山のように発刊されているんですね。

カラー写真満載のTVグラフ誌のつねで単価が白頭山並みに高いたかーい。こんなん得心いくまで買ってたら財力が幾らあっても足りない。特撮誌とサントラCDだけで年じゅう、財政破綻寸前なのに。

イニシエの世界史教科書参考書、少しは保存してなかったかな。あったとしても朝鮮半島史は、中国史の百分の一ぐらいしか扱われてなかったしなぁ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする