弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事コメント】地域知財活性化の主体は?

2020年09月14日 08時28分40秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
空気がだいぶ秋らしくなってきました…といっても今日はお天気やや悪めな@湘南地方です。

さて、今日はこんな記事。

(福島民報より引用)
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知財で福島県内企業支援 9月事業開始 特許庁

特許庁は今月、本格的に知的財産(知財)を活用し県内企業の事業創出を後押しする二〇二〇(令和二)年度の「福島知財活用プロジェクト」を始める。知財に精通した専門家(ビジネス・プロデューサー)が企業のアイデアの具現化や販路開拓などを後押しする。来年一月ごろ、支援を受けた企業が参加する成果報告会を開く。

…(中略)…
中小企業に特許や商標などの知的財産(知財)の活用を促す日本弁理士会の「JPAA知財塾」は十一月二十六日から来年三月三日まで計六回、それぞれ二日間、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を利用して開催する。

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(引用終わり)

ユーザにとってみれば、どんな姿で訪れようと自分たちにとってメリットを与えてくれる支援者であれば“良い支援者”なわけで。
特許庁としても弁理士会としても、知財「啓蒙」にとどまる限りは積極的に事業展開をしていただいてよい、とも思う。

だけど、その枠を超えて行うとなると、ともすると“民業圧迫”になりかねない側面もある。
地元福島に籍を置いている10の特許事務所は、どのように思うのだろう?

支援の在り方も色々あるとは思っているし、特許事務所もまあそりゃさまざまだし場合によってはニーズに応えられない場合やニーズの方が無理がある場合なんかもあるだろうから、こういう半分公的な仕組みが機能する場面もあるとは思っている。
問題は、“それが継続的なニーズ創出につながっているか”だ。
「赤字受注」をバンバンやる競合がいたら健全な市場は形成されないし、要求されている業務水準をクリアしていない事業者しかいなくても市場は衰退する。
公的支援が入ることでサポート人材の相場が切り下げられてしまうと、結果的に割を食うのは、実はユーザ側だ。
補助金が無ければ成立しない商売になってしまうリスクと背中合わせなことをしているような気もする。
むしろ地元の事務所に対する後方支援(ソフト支援)を行うことの方が、長期的にみてユーザにとっての利益を生み出すのではないかと思う。

真摯に努力して、適正対価を頂戴する。企業努力は企業努力として行う。当たり前のことを、当たり前にやる。
全部両立することだと思う。

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