弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【書評'23-02】「ストロベリー戦争」(南原詠)

2023年01月15日 10時47分46秒 | 書評
さて、書くのを忘れていたので今日2本目の投稿。

先の「特許やぶりの女王」が面白かったので続編を手に取ってみた(Kindleだけど)。
今度のテーマは「商標」と「地域振興」と「農業」。
テーマ的に自分の業務範囲にどストライクということもあり、移動中にささっと読み進める。

あらすじはこちら
横取り商標を巡る各人の思惑と大逆転的展開。
ま、小説だからね…という部分もありつつ、商標制度や業界で起きていることには忠実な描写。
「事実は小説よりも奇なり」という言葉があるけど、その解決策は冗談でしか提示しないな(笑)
事実は事実。小説は小説。

それにしても。
主人公のキャラが、ちょっと1作目と比べて柔らかくなっている印象があるなぁ。
もう少し理知的かつ合理性追求型なキャラと受け止めていたから多少違和感が。

あと、「特許やぶりの女王」も本編もカラクリのベースになっているのが
他人による出願(特許だと冒認出願、商標だと使用者以外の者による出願)。
まあ、私人間の人間ドラマを描こうと思ったら格好のトピックスなのは確かなので着眼はわかる。
出願人と審査官のバトルを小説にしたって受けないもんね。

ともあれ。
何も普段から案件まみれで生きているのに小説までお仕事チックは中身を読まなくても…と自分でも思ったけど、
そこはそれ、法律世界をエンタメとして成立させている作品で、専門家目線としてもそう多くの引っ掛かりを感じることなく読み切ることができた良作。


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