弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【商標】流行語大賞で学ぶ商標2017(第3回)

2017年11月15日 08時01分30秒 | 実務関係(商・不)
おはようございます!
昨日は突然の雨に降られました…今日は曇ってはいるものの空は明るい湘南地方です。

さて、「流行語大賞で学ぶ商標2017」、今日は第3回です。
参りましょう!

(3)数字と商標(「9.98」「35億」「GINZA SIX」)
 桐生祥秀選手が福井県営陸上競技場で日本人初の9秒台をマークしたのは、もう2か月以上も前のことなのね…
 「9.98」はその時の公式タイム。

 また、「35億」はブルゾンちえみwithBの有名なネタの1フレーズ、だそうで
 (すみません、たぶんちゃんと見たことありません)。
 地球上の男性の数を指して「35億」(約70億人の半分だから)と言っているようなのですが、
 国連のHPで調べたところ、2017年現在の地球上の男性の人口は約38億人だそうです。
 なので、「あと5000万」ではなく「あと3億」がより正確なのですね。

 …脱線しました。。
 
 ところで、如何に意味のある数字であるとしても、商標審査基準上、
 「数字は、原則として、『極めて簡単で、かつ、ありふれた標章』に該当する。」(商標法第3条第1項第5号審査基準)とされ、
 独占の対象になりません。
 なので、例え仮に桐生選手タイアップでランニングシューズ「9.98」を出したとしても、
 またブルゾンちえみ監修で異性交流に関するセミナーに「35億」を商標として登録したいとしても、
 原則的には登録にはなりません(「待つの」ならなるでしょう)。

 「原則として」なので、例えば通常用いない表現であったり、或いは継続的に使用した結果特定の出所を表すものとして広く認識されるに至った場合には例外的に登録になり得ます。

 その一例?なのか、はたまた構成の特異性なのか、
 「GINZA SIX」は森ビル㈱さんがきっちり登録されています。
 ちなみに、「GINZA 5th」はカルチュア・コンビニエンス・クラブさんが登録しています。
 ただ単に数字だけではないですからね。とはいえ「GINZA」は地名、「SIX」は数字の「6」を容易に想起させる語。
 単に組み合わせても原則的には独占性なし(3条1項6号)が一回は指摘されるかな、と思ったのですが、
 審査経過を見る限りはそれもありません。前後関係が判りませんが査定時(2015年11月)にはこの名称で有名になってたんでしたっけ…?

 ともあれ、今日は数字にまつわる商標の話でした。
 次回に続く。
 
コメント
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