から揚げが好きだ。

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川の底からこんにちは 【感想】

2011-03-06 03:10:08 | 映画
「川の底からこんにちは」を新作DVDレンタルで観る。

以前に満島ひかりを取り上げた情熱大陸(だっけ?)で、
本作で主役を演ずるにあたり、彼女が相当追い込まれた風な内容が放送されており、
「愛のむき出し」で圧巻の演技を魅せた彼女目当てで観る。

本作、満島ひかり演じるサワコという女性が主人公。
彼女は事あるごとに「すみません」「しょうがない」を連呼しその時間をやりすごす。
自分の存在を「中の下」といい、若くして自分の人生を半ばあきらめている。
そんな彼女が、上京して5年間、音信不通にしていた父親の病気をきっかけに
実家のシジミ袋詰め工場に戻り、父親の跡を継ぐという話。

本作では「あきらめの美学」というか「開き直りの美学」というか、
一生懸命生きるモチベーションとして、新たな価値観でアプローチしている点が
興味深く感じられ、本作の魅力なんだと思った。

ボットン便所(今時あるか~笑)の糞尿を捨てる場所に
いつしか綺麗な花が咲いたり、大きな実がなったりする場面。
本作のテーマにさりげなくリンクしていて随所に監督の巧さを感じた。

脇役(サワコの叔父役)の岩松了がよい。下品極まりなく自然な演技で完全にハマッた。
シジミ工場のメガネのオバチャンもナイスパフォーマンス。
夜、メシ食うダンナに「今日は観たいテレビもなく、時間を持て余すから抱いてくれ!」
と言い放つシーン、最高に笑えた。それに対してダンナは本気でひたすら拒否る。。。

で、カンジンの満島ひかりは、というと本作では完全に死んでしまった。。。残念。
彼女のウマサを完全に監督が殺してしまった。一見、熱演とも思える場面もほぼ空回っているよう。
セリフ、その言い回し、間(ま)。主人公の感情の流れ・・・等々、
監督の狙いすぎ、ほしがりすぎのせいか、意味がわからず、素直に落ちてこない。
満島ひかり本人も、本当に納得してその演技をしているようには見えず、迷ってる感があった。

故に大いにシラけてしまい、せっかくのユニークなストーリーで面白くなるはずなのに、
台無しになってしまった。勿体ない。

この手の映画は山下敦弘あたりが監督すると間違いない。
山下監督は天然コケッコー以来4年ぶりとなる新作が今年5月に公開する。(待ってました!!)
妻夫木と松ケン共演のマイ・バック・ページという映画だが、
今までの山下監督のテイストとはちょっと違う映画のようだが楽しみだ。

【50点】







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