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第89回アカデミー賞で事故が起きた件。(授賞式の感想)

2017-02-27 15:30:19 | 映画


先ほど、第89回アカデミー賞の授賞式が終わった。
で、授賞式のフィナーレである作品賞の発表で「作品を間違える」という大事故が起こった。これはさすがにマズいでしょ。。。

まず、受賞結果をまとめてみる。

作品賞:ムーンライト(うぉーーーーー!!!!!!)
監督賞:デミアン・チャゼル(ラ・ラ・ランド)
主演俳優賞:ケイシー・アフレック(マンチェスター・バイ・ザ・シー)
主演女優賞:エマ・ストーン(ラ・ラ・ランド)
助演男優賞:マハーシャラ・アリ(ムーンライト)
助演女優賞:ヴィオラ・デイヴィス(Fences)
脚本賞:マンチェスター・バイ・ザ・シー
脚色賞:ムーンライト
撮影賞:ラ・ラ・ランド
編集賞:ハクソー・リッジ
美術賞:ラ・ラ・ランド
衣装デザイン賞:ファンタスティック・ビースト
メイキャップ賞:スーサイド・スクワッド
視覚効果賞:ジャングル・ブック
録音賞:ハクソー・リッジ
音響効果賞:メッセージ
作曲賞:ラ・ラ・ランド
主題歌賞:「City of Stars」(ラ・ラ・ランド)
アニメーション映画賞:ズートピア
外国語映画賞:セールスマン
ドキュメンタリー映画賞:O.J.: Made in America


作品賞のプレゼンターであったウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイが「作品賞は『ララランド』!!」と発表し、スタッフ陣、キャスト陣が歓喜のなか壇上に上がり、ラ・ラ・ランドの製作者メンバーが受賞スピーチを終えてから、まさかの「間違えました、作品賞は『ムーンライト』でした」の修正が入った。いったい何が起きているのか???何かのドッキリ!??会場が騒然とするなか、ララランド側の製作者の男性がその間違いを証明するため、発表カードを壇上から公開するパフォーマンスでドッキリでないことがわかった。どうやら、直前の結果であった主演女優賞の発表カード「エマストーン(ラ・ラ・ランド)」」をそのまま、作品賞のプレゼンターであるウォーレン・ベイティに裏のスタッフが渡してしまったようだ。まさかの逆転劇で「ムーンライト」の関係者が壇上に上がり喜びを爆発している中、その後ろで呆然と佇むデミアン・チャゼルを目撃する。おそらくガッカリというより、状況が呑み込めていない様子だった。ラ・ラ・ランド側に配慮なく「これは、夢じゃない、現実なんだ!」と逆転劇に興奮するバリー・ジェンキンスがダサく見えてしまったし、ラ・ラ・ランド、ムーンライト、双方にとって気持ちが悪い事故だったと思われる。事態を飲み込んだのち、デミアン・チャゼルはバリー・ジェンキンスとハグを交わし、祝福していたようだったけれど。。。。あまりに気の毒だ。

授賞式中、トランプをイジリまくっていたけれど、逆に「アカデミーの恥さらしが!」と悪口をツィートされても仕方ないだろうな。実に後味が悪く、笑いごとにもならず、あってはならないことだった。観ているこっちも動揺してしまい、授賞式の興奮に水を差した。

この事故のインパクトが大きすぎて、授賞式の印象がフッ飛んでしまったが、一応、そのほかの感想をまとめてみる。

授賞結果は、「ラ・ラ・ランド」の総ナメと予想していたが、脚本賞が「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に渡り、編集賞と録音賞が「ハクソー・リッジ」に渡り、音響効果賞が「メッセージ」に渡り、衣装デザイン賞が「ファンタスティック・ビースト」に渡るという結果となった。「ラ・ラ・ランド」の最多受賞ではあるものの、6部門の獲得に留まった。「ラ・ラ・ランド」は大好きな映画だけど、他の作品をまだ見ていないなか、栄誉を分け合う結果は他の映画にも注目が当たるきっかけになるので、映画ファンとしては嬉しい。作品賞が「ムーンライト」になったことは、元々、批評家の評価は「ムーンライト」の方が高かったし、まったく不自然ではないんだけれど、結果発表で起きた事故の印象が強くて釈然としない。

その他、授賞式で思ったことは以下のとおり。

・ジミー・キンメルの司会が堂々たるもので素晴らしかった。歴代屈指の司会ぶり。
・ティンバーレイクのオープニングアクト、会場がダンスフロアになって空気が一気に温まった。
・ジミー・キンメル、天敵のマッド・デイモンをイジり最高。中国映画で8000万ドルの赤字って(笑)。
・ジミー・キンメル、トランプいじりも楽しく、あくまで笑いの素材として扱うバランス感覚が絶妙。
・マハシャラ・アリ、授賞スピーチは前哨戦のSAGで出し切ってしまった印象。
・オスカー会員の選考、結構冷静だな。部門の評価を作品の評価とちゃんと分けている。
・パラシュートキャンディ、面白い演出だな。子どもたちが配るよりもサムくならなくて済む。
・ヴィオラ・デイヴィスのスピーチが素晴らしい。エミー、トニー、含めて3業界制覇がスゴい偉業。
・外国語映画賞の「セールスマン」、アスガー・ファルハディ、これで2回目の受賞(大変なこと)。
・観光客へのサプライズ。世界一、ツいている人たち。でもこの時間って何なのだろう。。。。
・短編ドキュメンタリー賞の「ホワイトヘルメット」が非常に気になる。NETFLIXに再加入しよう。。。
・自身に対する悪口ツィートを紹介するコーナー面白し。まさに「今」を感じる演出。
・ジョン・レジェンドによる歌曲パフォーマンス、「ラ・ラ・ランド」の感動が蘇る。
・ジミー・キンメル、天敵、マッドデイモンへの嫌がらせに大爆笑。期待通り。
・主演男優賞、ケイシー・アフレックらしい飾らないスピーチが逆に好感がもてる。
・主演女優賞、エマ・ストーンの受賞スピーチを聞くゴズリングの表情が素敵。
・「ラ・ラ・ランド」のプロデューサー、不幸な事故にも大人の対応。カッコよかった。
・WOWOW放送のゲストコメンテーターの大友啓史、コメントが雄弁で適格。

事故がなければ非常に楽しめた授賞式だった。ジミー・キンメルが「もう(司会を)やらない」は半分ジョークで半分本気かも。間違ったカードを渡すほうも悪いが、その内容をそのまま発表するプレゼンターもどうかと。。。視力や判断力の弱い高齢の方をプレゼンターにキャスティングするのはダメ、という教訓が残ったか。
コメント
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