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映画とサウナ。

2018年ベスト映画トップ5 【日本映画編】

2018-12-29 10:00:00 | 勝手に映画ランキング
洋画のトップ10の前に、日本映画のベストを決めてみる。今年は、鑑賞時間を海外ドラマに大幅に持っていかれたため、例年よりも日本映画を見られなかった。なので、ベスト10ではなくベスト5に短縮。見たかったのに見逃した日本映画は「日日是好日」「斬、」あたり。



1位 カメラを止めるな!


映画人たちへのエール。低予算をハンデではなく、アドバンテージと捉え、1本の映像製作に賭ける人たちの情熱を活写。思わぬ仕掛けに驚かされ、笑って泣かせて着地。珠玉のコメディ映画。「面白い映画はヒットする」、日本映画界に希望を与えた。

2位 愛しのアイリーン


むき出しになる人間の恥部、エゴと愛情がせめぎ合う人間模様に絶句する。肉欲、ときどき純愛。ユーモアとシリアスを1つの画面に共存させるカオスに笑うよりも見入る。奈落の底へ落ちていく迫力と、エモーショナルなドラマ。

3位 生きてるだけで、愛。


極度の生き辛さを抱える主人公。どんなに取り繕っても己の弱さが見えてしまう残酷さ。安易な再生ドラマに流れない勇気に引き込まれ、その先に見えた答えに揺さぶられる。全身全霊で「ヤスコ」を体現した趣里の名演に魅せられる。

4位 犬猿


一番近い存在で、似ているようで似ていない兄弟の関係を、オリジナルの脚本でスリリングな愛憎劇に仕立てる。幼少期より築かれた絆と、大人になって知る確執。持たざる者の悲しみを交え、もがく4人の生き様に感情移入する。

5位 リズと青い鳥


近づく別れ。恋愛と友情の狭間にある、無自覚な「リズ」と「青い鳥」の依存関係。2人の関係性を寓話と音楽にシンクロさせた脚本が見事で、実写化されても傑作になり得る物語。視覚の断片は感情の揺らぎをつぶさに拾い、青春の煌めきを浮かび上がらせる。

次点:「若おかみは小学生!」「万引き家族」

2018年ベスト映画トップ10 【洋画編】

2018年ベスト映画トップ(11位~20位) 【洋画編】

2018年ベスト映画トップ(11位~20位) 【洋画編】

2018-12-29 08:00:00 | 勝手に映画ランキング

今年も1年間の総括として、ベスト映画のトップ10を決めようと思った。見た映画をあれこれ振り返ったが、今年は洋画の豊作年であったため、10本に絞ることが難しかった。そこで、20位から決めてみることにした。11位から20位までを一旦まとめてみる。11位~15位までは、トップ10に入れても良かった映画。

11位 レディ・プレイヤー1

80年代とサブカルが握手。3DによるVR体験に激しく感動。不変のゲームの本質。

12位 シェイプ・オブ・ウォーター

異形のラブストーリーは、残酷でグロテスクで妖艶で美しい。デル・トロ映画の到達点。

13位 search/サーチ

オンライン社会のリスクと可能性。PC画面で”今”を切り取った珠玉のサスペンス。

14位 スリー・ビルボード

裏側に隠れた正義。怒りから赦しへ、重厚な人間ドラマに昇華。「オレンジジュース」。

15位 インクレディブル・ファミリー

あふれ出るアイデアを、アニメとフィクションの世界で遊ぶ。破天荒超絶アクション。

16位 クワイエット・プレイス

アイデア勝負に倒れない頑丈な脚本。血が通う家族の絆。静寂の劇場を取り込む世界。

17位 君の名前で僕を呼んで

北イタリアの楽園に訪れた運命の出会い。愛することの悦びと痛み。新星俳優の輝き。

18位 フロリダ・プロジェクト

もう1つの夢の国は残酷な現実と隣り合う。カラフルな魔法の世界で子どもたちが躍動。

19位 しあわせの絵の具

風変わりだが愛に満ちた2人の夫婦生活を綴る。モードの絵は2人の愛の結晶体。

20位 ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男

「北欧の冷血とNYの悪童」対照的に見えた2人の根底にある繋がり。テニスの精神的魅力。

ベスト10(【洋画編】)に続く。

2018年上半期 ベスト映画ランキング

2018-07-03 23:00:00 | 勝手に映画ランキング


7月に入り、2018年の上半期が終わった。「キングスマン ゴールデンサークル」で始まり、「ハン・ソロ」で終わった。映画館で観た新作映画は33本で、例年通りのペース。
で、私的に面白かった順に上半期のトップ10を勝手に決めてみる。

1位 パディントン2
2位 レディ・プレイヤー1
3位 アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
4位 アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル
5位 シェイプ・オブ・ウォーター
6位 スリー・ビルボード
7位 デッドプール2
8位 ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
9位 君の名前で僕を呼んで
10位 フロリダ・プロジェクト

今年のベストワン級と考えていた「シェイプ・オブ・ウォーター」はどんどん順位が下がってきた。しょせんは映画を好みでしか判断できない映画ファンゆえ、「評価」ではなく「もう1回見たいか」という観点で順位付け。かなり今の気分に左右されているので、下半期を含めたランキングでは、また大きく変動しそうだ。

今年は「レディ・プレイヤー1」「デッドプール2」など、あまり期待していない映画が思いっきりツボに入った一方で、日本映画を中心に「孤狼の血」や「万引き家族」など、期待していた映画がそれほどハマらなかったりした。今年も昨年に続き、一昨年のような日本映画の豊作とはならないかも。新作DVDレンタルでの追っかけも、Netflixの視聴時間が長くなったことで、TSUTAYAに行く回数がすっかり少なくなってしまった。

これから公開を控えるサマーシーズン映画だが、例年よりも魅力的な映画が見当たらず、いまいちテンションが上がらない。ハリウッド映画の日本公開が相変わらず遅いということもあり、北米をはじめとする各国での評判が、公開前にインプットされてしまう。J・A・バヨナが手がけたということで楽しみにしていた「ジュラシック・ワールド」の新作も、評判が芳しくないし。そんななかでも一番楽しみなのは、「インクレディブル・ファミリー」。8月1日の公開日が待ちきれない。

第90回アカデミー賞候補作をようやく見終わった件。

2018-06-08 00:01:14 | 勝手に映画ランキング
先週末でようやく今年のアカデミー賞候補作を一通り見終わった。
作品賞~助演賞まで、主要5部門にノミネートされた映画のうち、日本での公開が決まっていない「Roman J. Israel, Esq.」を除いた13作品。
お気に入り順に勝手にランキングしてみる。

1位 シェイプ・オブ・ウォーター
2位 アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル
3位 スリー・ビルボード
4位 ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
5位 君の名前で僕を呼んで
6位 ゲット・アウト
7位 フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法
8位 ファントム・スレッド
9位 ゲティ家の身代金
10位 ダンケルク
11位 レディ・バード
12位 マッドバウンド 哀しき友情
13位 ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

続いて、個人賞について実際の候補から私的に選んでみる。

監督賞 ギレルモ・デル・トロ 『シェイプ・オブ・ウォーター』
主演男優賞 ティモシー・シャラメ 『君の名前で僕を呼んで』
主演女優賞 サリー・ホーキンス 『シェイプ・オブ・ウォーター』
助演男優賞 サム・ロックウェル 『スリー・ビルボード』
助演女優賞 アリソン・ジャニー 『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』

振り返ってみて心残りは、アカデミー賞の主要部門から無視されたため、日本での公開が未だに決まっていない「The Disaster Artist」。いつになったら日本でリリースされるのだろう。

2017年映画 勝手に個人賞

2018-01-12 08:00:00 | 勝手に映画ランキング
2017年に観た映画のうち、個人賞を勝手に決めてみる。

監督賞:デイミアン・チャゼル 「ラ・ラ・ランド」

「メッセージ」「ブレードランナー2047」のドゥニ・ヴィヌーヴと迷いに迷ったが、「ラ・ラ・ランド」については監督のビジョンが一番強く感じられ、その情熱と労力が唯一無二の完成度に結実していた。チャゼルによる完全オリジナル作品という点も大きい。

主演男優賞:ヴィゴ・モーテンセン 「はじまりへの旅」

「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のケイシー・アフレックや、「グッド・タイム」のロバート・パティンソンなど、一番選出が難しい部門。そのなかで一番ハートを震わせたのは、7人家族の父親を演じたヴィゴ・モーテンセンの父性だった。

主演女優賞:ガル・ガドット 「ワンダー・ウーマン」

「ワンダー・ウーマン」は映画史における事件であり、そのヒロインを演じたガル・ガドットの功績が大半を占める。演技云々ではなく、ビジュアルを含めた彼女の個性の賜物であり、まさに運命的なキャスティングだった。

助演男優賞:ダニエル・ラドクリフ 「スイス・アーミー・マン」

「ハリポタ」以降、その呪縛(?)解放から、様々な変質キャラを演じてきたラドクリフにとって、いよいよ行き切った「死体」役。そのユニークなチャレンジで映画を大いに盛り上げてくれた。肉体的にも相当ハードだったはずで、その役者魂にもあっぱれ。

助演女優賞:ミシェル・ウィリアムズ 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」

主演のケイシー・アフレックは文句なしに素晴らしいが、その元妻を演じたミシェル・ウィリアムズの名演も忘れ難い。心に深い傷を追い、時間によって救われた部分とそれでも癒えぬ複雑な感情を表現。2人が偶然に出くわす涙のシーンが心に刻まれる。

新人男優賞:フィン・ウルフハード 「IT/イット」

海外ドラマ「ストレンジャー・シングス」との合わせ技。ドラマでは友情と正義感に熱い主人公を演じたが、本作の映画ではビン底メガネのおしゃべり「リッキー」をコミカルかつチャーミングに演じてみせた。

新人女優賞:パウラ・ベーア 「婚約者の友人」

オゾンが再び新たな才能を発掘。嘘と愛に翻弄され、自身で運命を切り開く女性を繊細かつ力強く演じた。モノクロの映像が、彼女の透明感を映し出す。ドイツ人女優ながら、ハリウッドに進出してほしい逸材。

ベスト子役賞:マッケナ・グレイス 「ギフテッド」

2017年は子役の活躍が目立った年でもあった。なかでもド級の存在感をみせたのは彼女であり、多くの観客が彼女の虜になったはず。他にも「ナイス・ガイズ」のアンガーリー・ライスや、「ローガン」のダフネ・キーンも素晴らしかった。

マン・オブ・ザ・イヤー:ライアン・ゴズリング

2017年は第二次ゴズリングイヤーだった。自身の2017年ベスト映画トップ10のなかに彼の出演作が3本も入り、彼なしでは語れない映画年だった。夢を追う等身大青年から、ヘタレなお父さん探偵、魂を追い求める孤独な人造人間まで、演じたキャラクターの振れ幅も大きく、もれなく魅力的なキャラクターとして記憶に残る。自分は本当にゴズリングが好きだなーと再認識する。

日本映画については、ベストなチョイスがなかったので簡単にまとめる。

監督賞:大友啓史「3月のライオン」
主演男優賞:菅田将暉「帝一の國」「あゝ、荒野」
主演女優賞:蒼井優「彼女がその名を知らない鳥たち」
助演男優賞:オダギリジョー「南瓜とマヨネーズ」
助演女優賞:該当者なし
新人男優賞:竹内涼真「帝一の國」
新人女優賞:石橋静河「夜空はいつでも最高密度の青色だ」

2017年ベスト映画トップ10

2017年ワースト映画トップ10

2018-01-11 23:00:00 | 勝手に映画ランキング
ベストに続き、2017年のワースト映画をまとめてみる(完全に個人的な好みの問題)。一部を除いて劇場未公開映画は除外。洋画と邦画の混合。6位以降は「悪い」というより「期待ハズレ」だった映画。

1位 メアリと魔法の花
ジブリの偽物映画。格好だけつけて、感情移入できないキャラ描写は相変わらず。無駄に粗いアニメーションに絶句。

2位 グレートウォール
中国資本によって飲み込まれるハリウッドの悲劇を目撃する。名優マット・デイモンの黒歴史が誕生してしまった。

3位 パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊
新鋭監督の才能がハリウッドによって封じられる不幸な事例。カッコよかったジョニー・デップはもう戻ってこない。

4位 トランスフォーマー/最後の騎士王
お馬鹿すぎる脚本と盛りすぎるスペクタルCG。もはや狙っているとしか思えないが、満腹すぎて気持ち悪くなる。

5位 ワイルド・スピード ICE BREAK
シリーズの美学をないがしろにする車への愛なき映画。これまで積み上げてきた人物関係をリセットしてしまうのはダメ。

6位 ザ・マミー 呪われた砂漠の王女
予告編以上の情報が見当たらない映画。退屈。ダークーヒーローにトム・クルーズが全くハマっていなくて辛い。。

7位 ブライト(NETFLIX)
種族の違いを人種の違いに置き換えてしまう安直さ。リアル×ファンタジーを描くことの難しさを再認識させる。

8位 アシュラ
権力と暴力をイコールの関係にしてひたすら暴力描写に走る。過剰にキレまくって結局、暴力がモノを言う。ゲンナリ。

9位 あゝ 荒野
人間ドラマと社会問題を散漫に並べた前編。説明不足により主人公2人の対決に熱が入らない後編。あれだけの時間が必要だったのか。。。

10位 アトミック・ブロンド
反撃必至なリアルな格闘アクションは迫力よりも疲弊を強いる。語り口が下手なため、ラストのカタルシスが逃げた。

2017年ベスト映画トップ10 【邦画編】

2018-01-05 08:30:00 | 勝手に映画ランキング
洋画に続き、2017年の邦画のベストランキングを決めてみる。豊作だった前年から一転、面白いと思える映画が少なかったため、6位以降は多少無理やり引っ張ってきた感あり。
ブログに感想を載せてない映画だけ、一言感想を追記。

1位 彼女がその名を知らない鳥たち


2位 3月のライオン【前後編】


3位 牝猫たち

1位に続いて白石監督作。ポルノ映画はリアリティではなく男が描いたファンタジーであることをわきまえつつ、現代性、ドラマ、エロス、ユーモアをしっかりとストーリーの中に内包する。ロマンポルノの芸術性の一端を知った気になる。とろサーモンの村田、ドラマ版の「火花」に続き、演技が本当に巧い。

4位 勝手にふるえてろ


5位 夜空はいつでも最高密度の青色だ

東京は「生きる」の1000万人の集合体。よくみる新宿と渋谷の風景をバックに、孤独な男女による高純度ロマンスが展開。いつくるかわからない死をみつめ「朝起きたらおはようと言おう」。人が無性に恋しくなる映画。

6位 帝一の國

今の旬を生きる若手俳優たちが一同に集合。潔いほどの馬鹿馬鹿しさが実に痛快。コミカルでエネルギッシュな学園内権力闘争から、リアルな政治像が透ける。ふんどし一丁、綺麗なお尻が乱舞する太鼓シーンなど、随所に男色の匂いがするのも良い。「あゝ、荒野」よりも本作での菅田将暉の演技を支持。

7位 南瓜とマヨネーズ


8位 ジョジョの奇妙な冒険 


9位 GODZILLA 怪獣惑星


10位 夜は短し歩けよ乙女

濃密で不思議な一夜。サイケで癖が強い世界観は、観る者の想像力を軽く超える独創性。その映像の渦で脳みそを撹拌する。描かれるのはあくまで男女のラブロマンスであり、気持ちのよいラストに着地してくれる。


年末に間に合わせる形で「あゝ、荒野」や「ビジランテ」などの日本映画を立て続けに見たがどれも期待ハズレだった。他にも「これは良かった!」と手放しで楽しめた日本映画は本当に少なかった。1位の「彼女がその名の知らない鳥たち」と2位の「3月のライオン」はトップ10のなかでも頭1つ抜け出ているほど良かった。奇しくも将棋界のトピックスで賑わった2017年だったが、原作の魅力を十分に活かし、将棋という宇宙を見事に映像化した「3月のライオン」はもっと評価されてしかるべきだ。原作にはない解釈で締めくくった脚本も素晴らしかった。同じく漫画原作の実写映画である「ジョジョの奇妙な冒険」は逆に原作を知らないから新鮮で楽しめた。人伝えに聞く説明だけではわかりづらい原作の設定を、実写の力を借りて理解できたのが嬉しい。ようやく「ジョジョ」を知った。予告編では安っぽく見えたCGも、ファンタジーに振り切った映画のなかではさほど違和感はなかった。続編ができたらまた観てしまうと思う。アニメ映画の「GODZILLA 怪獣惑星」は、その結末に否定派が多いみたいだが、自分は自然と受け入れられた。その結末以上にプロセス段階である緻密なSF設定とダイナミックなアクション描写に見入ってしまった。
2017年に見逃した日本映画は「彼女の人生は間違いじゃない」と「幼な子われらに生まれ」。

2017年ベスト映画トップ10 【洋画編】

2017-12-31 11:22:06 | 勝手に映画ランキング
2017年に劇場で観た映画はちょうど70本だった。うち、2回見たのは3本(ランキング上位3本が該当)。DVDレンタルで追っかけた今年公開の映画を含めると130本くらい。
今年の総括のために、私的ベスト映画のトップ10を決めてみる。まずは【洋画編】だが、今年は日本映画がすこぶる不作だったため、トータルでもトップ10はすべて下記の洋画になる。


1位 ラ・ラ・ランド

映画の魔法にかかる。映画芸術の粋を集めた奇跡のミュージカルは、夢追い人への讃歌を謳う。「ハリウッド」はこれからも夢の製造工場であり続ける。

2位 ブレードランナー2047

圧巻のオリジナル超え。SF映画の金字塔が続編によって誕生。孤独なレプリカントを通して描かれるアイデンティティ探求の叙事詩。驚愕の映像世界に吸い込まれ、主人公の魂に震える。

3位 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

好きなものは好きだから仕方ない。愉快でゴージャスなスペースオペラはパート2でも健在。ドラマは前作以上。サブカルネタを散りばめ、愛すべきキャラたちが縦横無尽に暴れ倒す。

4位 IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

子どもたちの恐怖の記憶は、友情で築かれた輝けるひと夏の記憶でもあった。まさかのノスタルジーに感涙。恐怖の化身である「ペニー・ワイズ」は、大人になるための通過儀礼を与える。

5位 ナイスガイズ!

最高のコンビによる最強のバディムービー。70年代×LA×探偵×ポルノ、堪らない。抱腹絶倒のユーモアと奇抜なアクションの波状攻撃。己を取り戻そうとする2人にドラマあり。続編希望。

6位 エル ELLE

変態監督による変態映画。スリリングでアブノーマルな怪作。常識や倫理を突き抜けるスリラー。主人公の強烈な個性と、ロクデナシどもの狂騒劇にハマる。

7位 ベイビー・ドライバー

音楽と踊る新感覚アクションは、痛快のツボを刺激する。カーアクションと共に、若い肉体が鮮やかに躍動。アンセル・エルゴートのスター性と、脇を固めるベテラン勢との豊かな化学反応。

8位 マンチェスター・バイ・ザ・シー

言葉にできないほどの絶望を安易な再生で語らない。時間の万能性に待ったをかけ、生身の人間の心情に寄り添う。その誠実さに心を揺さぶられる。主演、ケイシー・アフレックの渾身の名演。

9位 はじまりへの旅

今年最も影響を受けた映画。普通じゃない家族の絆に笑って泣く。家族を導く父親は、個人が持つ思考力、判断力、想像力の可能性を信じる。自身の「生き方」バイブルに追加。

10位 マイティ・ソー バトルロイヤル

MCUとしては「ウィンターソルジャー」以来の傑作。コメディの大幅増に留まらず、少年男子を熱くさせるアクションの大盤振る舞い。初登場となるヴィランと女戦士のキャラクターも秀逸。

次点:「ザ・コンサルタント」「レゴバットマン ザ・ムービー」「T2 トレインスポッティング 」「ワンダー・ウーマン」「新感染 ファイナル・エクスプレス」「スイス・アーミー・マン」「ゲット・アウト」「婚約者の友人」

【未公開映画ベスト】
ウォー・ドッグス

「戦争はカネになる」を物語る嘘みたいなホントの話。世界一の軍事マニアであるアメリカのスケールに圧倒される。笑いとスリルのバランスが良く、最後まで引き付けられる。

【誰にでもオススメできる映画賞】
ドリーム


【これは掘り出しモノ映画賞】
グッド・タイム


2017年は大変は洋画の豊作年だった。今回、次点に入れた映画は通年であればどれもトップ10に入れるレベルで、何を入れるか、何を外すかで悩みに悩みまくった。ヒーロー像に迫った「レゴバットマン~」を入れたかったとか、スマートな傑作スリラー「ゲット・アウト」を入れたかったとか、今年のベスト恋愛映画である「婚約者の友人」を入れたかったとか。。。最終的にはどれをもう1回見たいかで決めた。「ガーディアンズ~」と「イット~」に関しては個人的な思い入れが強い。今年はヒーロー映画を中心に大作映画がことごとく面白かったのも特徴的だった。次点に入れていないが「スパイダーマン ホームカミング」も自分の中では傑作レベル。見逃してしまった映画は「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」と「パターソン」。

2017年上半期 ベスト映画ランキング

2017-07-04 09:00:00 | 勝手に映画ランキング
7月に入り、2017年も折り返し地点に入った。今年の上半期に映画館で観た映画30本の中から、勝手にベスト5を決めてみる。

1位 ラ・ラ・ランド
2位 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス
3位 ナイスガイズ!
4位 マンチェスター・バイ・ザ・シー
5位 レゴバットマン ザ・ムービー

今年は洋画の豊作年のようで、ほかにも「ムーンライト」「ライオン~」「メッセージ」「ハクソーリッジ」など、オスカー賞レースに絡んだ作品がもれなく素晴らしかった。「ザ・コンサルタント」など、思わぬ掘り出しモノもあったし。邦画は「3月のライオン(前・後編)」を見たくらいで、これからの夏に公開される邦画も期待できるタイトルはほとんどなし。北米では「ワンダー・ウーマン」に続いて、ジョン・ワッツが監督した「スパイダーマン・ホームカミング」の絶賛評も入ってきた。8月公開映画がアツいな。

2016年映画 勝手に個人賞 【邦画編】

2017-01-07 10:00:00 | 勝手に映画ランキング
監督賞  : 片渕須直 「この世界の片隅に」


主演男優賞: 綾野剛 「日本で一番悪い奴ら」


主演女優賞: のん 「この世界の片隅に」


助演男優賞: 池松壮亮 「永い言い訳」「海よりもまだ深く」


助演女優賞: 宮崎あおい 「怒り」


新人男優賞: 狩野見恭平 「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル 」


新人女優賞: (該当者なし)

2016年映画 勝手に個人賞 【洋画編】

2017-01-07 09:00:00 | 勝手に映画ランキング
監督賞  : アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 「レヴェナント: 蘇えりし者」


主演男優賞: レオナルド・ディカプリオ 「レヴェナント: 蘇えりし者」


主演女優賞: シアーシャ・ローナン 「ブルックリン」


助演男優賞: ジョエル・エドガートン 「ザ・ギフト」


助演女優賞: アリシア・ヴィキャンデル 「エクス・マキナ」


新人男優賞: マーク・マッケンナ 「シング・ストリート」


新人女優賞: ピリ・グロワーヌ 「神様メール」

2016年ワースト映画トップ5 【洋画/邦画】

2017-01-07 08:00:00 | 勝手に映画ランキング
<洋画編>

1位 アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅
 ひたすら薄いストーリー。アリスの1人騒動に付き合わされ、見ていて疲れた。

2位 ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
 2016年のトップオブ・期待ハズレ。キャラクターをきちんと描いて欲しかった。

3位 インデペンデンス・デイ:リサージェンス
 前作のパワーはどこへやら。魅力が皆無という奇跡的なSFアクション。 

4位 スーサイド・スクワッド
 DCユニバースの逆襲!のはずが、大コケ。。。。この痛手は大きいぞ。
 
5位 ターザン:REBORN
 CGの悪い使い方。主演の肉体を活かさないアクションにフラストレーション。
 
<邦画編>

1位 湯を沸かすほどの熱い愛
 涙と感動の押し売り。久々に劇場から逃げ出したい衝動に駆られた。自分はホント無理。

2位 HK 変態仮面 アブノーマル・クライシス
 前作の正攻法無視して、とんだ勘違い。スベリ倒しの笑いで暴走。寒い。

3位 ウシジマくん Part3
 嘘っぽく安っぽいテレビドラマ。いや、テレビドラマ版よりも面白くないかも。。。。   
 
4位 TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ
 クドカンの趣味に付いていけず。小手先ギャグの連打が2時間続く地獄。

5位 クリーピー 偽りの隣人
 スリラーの域に自ら入っていく登場キャラに苦笑。ツッコミ所が多くて集中できず。 



2016年ベスト映画トップ10 【邦画編】

2017-01-06 09:00:00 | 勝手に映画ランキング
1位 この世界の片隅に

歴史的傑作が2016年に誕生。日本映画としては過去10年の中で私的ベスト。2Dのアニメなのに3次元の実在感は、アニメを超えたアニメといえる。戦時下の過酷な状況のなかでも、笑いに溢れた輝ける日常が存在した事実は、平和な現代の生活と地続きであることを実感させる。この映画の普遍性はこれからも語り継がれていくに違いない。すずさん、ありがとう。あなたの物語を忘れることはないでしょう。

2位 聲の形

人と繋がることの難しさ。想いやることの尊さ。見えない声のすれ違いが、時に痛ましく時に愛おしい。いじめの残酷性を始発点として「贖罪」を自らに課し、世界と縁を切った主人公の青年。その青年の成長ドラマとして描いた製作陣の英断に拍手。これ以上ない原作漫画の映画化。音楽、編集、フレーミングも素晴らしくアニメの進化系を目撃し感動。クライマックスで涙腺決壊。

3位 アイアムアヒーロー

日本映画史に残る事件だ。万歳。ゾンビ映画として、いや、アクション映画として世界に堂々と打って出ていけるほどの見事な完成度。観客に媚びることのないゴア表現をベースに、非力男子の成長&覚醒ドラマがしっかり描かれる。最近の原作漫画よりも断然面白い。まさかこんな日本映画が作られる日が来るとは。日本映画よ、あとに続け。

4位 永い言い訳

人間の弱さ、愚かさ、哀しさ。綺麗ゴトでは収まらない人間の生態をありのままに描く、西川美和の作家性は健在。当たり前に近くにいた家族の、突然の喪失から忘却までの道のりをユーモアを交えて誠実に切り取っていく。1年という撮影期間はそのまま時間の流れとして映画に肉付けられた。西川監督と、考える俳優である本木雅弘との化学反応も抜群だった。

5位 日本で一番悪い奴ら

どこまでも堕ちていく男の痛快転落劇。ゲスでエロくて暴力的な描写は、昭和の体臭を味方につけ、その破壊力を増していく。常識や倫理がマヒした世界に充満するユーモアが堪らない。その体現者となった綾野剛のパフォーマンスがもう絶品。最高過ぎて惚れ惚れしてしまった。欲望を暴走させるような、こーいう日本映画がもっとあっていいはず。ホント好きだわ。

6位 シン・ゴジラ

「これ、ゴジラ映画?」という違和感はソッコー消え、未曽有の「ゴジラ災害」の対応に追われる政府組織の一挙手一投足を追い続ける、まさかのポリティカルムービーに釘付け。「虚構」×「現実」という離れ業を見事にやってのけた庵野秀明の完全勝利。多くの自然災害に見舞われきた日本の未来への希望と昇華させた脚本に感動。アニメキャラに寄せた石原さとみへの演出が惜しい。

7位 海よりもまだ深く

甲斐性なしのダメ男の生き様に寄り沿う家族の情景を描いた珠玉のホームドラマ。子どもの頃の思い出が染みついた団地を舞台に、訪れる嵐の一夜を通して描かれる人生の機微。なりたかった自分となれなかった自分、理想と現実、過去と現在が交錯する。その感情は共感を超えて「自分ゴト」として浸透。是枝監督が描く家族の物語にハズレなし。温みを感じる人生の応援歌。

8位 殿、利息でござる

良い意味でパッケージ詐欺(笑)。笑いもしっかり取るが、中身の本質は骨太な人情ドラマ。歴史に埋もれた名もなき庶民たちの願いは想像絶する苦難を乗り越える。その歴史秘話に胸が熱くなった。「慎みの掟」に日本人が持つ良心の原形を見たよう。現代の風景に移したラストカットが深い余韻を残す。

9位 君の名は

いろいろと欠点の多い映画だ。日本中が感動の雰囲気に惑わされて過大評価しているとすら思う。が、それでも本作の挑戦は評価されて然るべきだろう。時空を超えた運命の赤い糸を、スレ違い物語という古典的なプロットを起点とし、ディザスターの要素を盛り込み壮大なスケールで描く。とんでもない傑作になり得た映画だった。

10位 ヒメアノ~ル

常軌を逸した悪の化身は、実は平穏な日常の中に潜んでいる。青春ラブコメからサイコスリラーへ。中盤でのド肝を抜くスイッチングに鳥肌が立つ。日常の快楽と凶行の快楽を交互に見せるシーンが秀逸。危うい表裏性が恐怖と共に浮かび上がる。原作を知る身としては「森田」の描きこみに不足を感じたが、演じる森田剛の天才的な怪演には恐れ入った。

次点:「怒り」

2016年ベスト映画トップ10 【洋画編】

2017-01-05 09:00:00 | 勝手に映画ランキング
1位 レヴェナント: 蘇えりし者

復讐に囚われた魂が荒野に放たれ、その肉体は野生と同化し生命の火を燃やし続ける。雄大に広がる自然の光景はどこまでも厳しく美しい。それは幻想的で自然界と信仰の密着性を強く感じるさせる。劇場から凍てつく世界に放り出される錯覚、圧倒的な埋没感は映画体験に相応しい。イニャリトゥが昨年の「バードマン」に続き、2年連続の場外ホームランを飛ばす。偉業。

2位 オデッセイ

元気120%のハイパーポジティブサバイバルは、地球から遠く離れた火星で繰り広げられる。たった1人取り残された男に、絶望する暇などナシ。人知の結晶である科学を武器に、絶望を希望に変え、運命に切り拓いていく男の痛快さたるや! 宇宙空間で起きる奇跡の所業も、必然性すら感じてしまうほどの力強さ。主人公が最高に魅力的で、演じるマッ ド・デイモンのチャームが炸裂する。

3位 神様メール

ジャコ・ヴァン・ドルマルはやっぱ天才だ(笑)。奇想天外。大胆不敵。予測不能。抱腹絶倒。神様をいじりにいじったファンタジーコメディは唯一無二のオリジナリティ。キュートな主人公とメルヘンな外形からは想像もできない、ブラックで皮肉なメッセージが飛び交う。盛られた毒っ気と混沌の楽観性が病みつきになる。あぁ楽しくてハッピー。

4位 ジャングル・ブック

CGによって自然の息吹さえも感じさせる時代がやってくるとは。リアルでない造りモノの世界で野生の鼓動が高らかに響き渡る。本作も映像革命の1つ。人間の少年モーグリと個性豊かな動物たちとの絆がエモーショナルに描き出される。その先に見えるのは人間と自然の境界と共存することの意味。大作映画に戻ってきたジョン・ファブローの鮮やかな一打。

5位 ブルックリン

小さなサナギが蝶として羽ばたいていく瞬間を目撃するかのよう。1人の少女が大人の女性へとしなやかに成長を遂げる過程だ。その美しさにただただ魅了される。遠く離れた故郷への想い、恋愛に揺れ動く心の機微を繊細に描き出す。2016年のベスト・オブ・ラブストーリー。主演のシアーシャ・ローナンに最初から最後まで心中を射抜かれた。

6位 ザ・ギフト

こっちは2016年のベスト・オブ・スリラー。怖がらせることだけがスリラーにあらず。種明かしも本作の答えではない。想像する生き物である人間は疑念を持ち恐怖へ転じさせるのが容易。人が持つ偏見を盲点としてとらえ、観る者を試す脚本が挑戦的で秀逸。監督・脚本を務めたジョエル・エドガートンの人間を見る目の鋭利さに驚かされ、俳優ならではの役者の表現力に賭けた演出に唸る。

7位 ズートピア

ディズニーアニメならではの老若男女を無条件に楽しませる愉快な世界に、「多様性」「偏見」といったシリアスなテーマが散りばめられる。そのメッセージを説教として聞かせるのではなく、笑いとスリルの原動力にしているのが素晴らしい。死角なき脚本はさすがの一言。主演の2人、ジュディとニックのバディムービーとしても最高。

8位 ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

本家のハリポタよりも俄然タイプな新シリーズ誕生に拍手。出し惜しみない魔法合戦に興奮とワクワクが止まらない。主人公と魔法動物たちの絆が効いているのがもろにツボ。人間界と魔法使いの軋轢という新たなプロットが興味深く、しかし、それを超えた友情物語にホロリ。ラストショットも素敵だ。

9位 最後の追跡

今年の未公開映画のベスト。テキサスの田舎町で起こる小さな強盗劇を軸に、頑丈で味わい深い人間ドラマが交錯。強盗 犯の兄弟とそれを追いかける老齢の保安官。彼らの姿を通して浮上するのは、アメリカの失われた栄光と現代資本主義の暗部。主演のクリス・パインがキャリアベストのパフォーマンス。日本でリリースしてくれたNetflixに感謝。

10位 キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー

キャップとアイアンマンが戦うほどの対立構図に、今でも必然性を感じず、お祭り騒ぎのための設定と感じてしまうが、それでも極上のアクションに仕上げてしまうのが、ディズニー配下となったマーベル映画の強さだ。アントマン、スパイダーマンまで加わったヒーロー同士の大喧嘩は、楽しくて笑えて今年最高のアクションシーン。

次点:「サウルの息子」「ヘイトフル・エイト」「スポットライト 世紀のスクープ」「シング・ストリート」「ロスト・バケーション」「ドント・ブリーズ」「ヒトラーの忘れもの」


2016年ベスト映画トップ10

2016-12-30 09:00:00 | 勝手に映画ランキング
2016年がもう終わる。今年も映画を見た。今年の公開作で劇場で見た本数を数えたら64本だった。DVDレンタルで追っかけで見た映画も含めると150本くらい。今年の締めくくりとして、今年のベスト10を決めてみた。今年は邦画のレベルが高かったので、洋画、邦画を合わせてランキングしてみる。

1位. この世界の片隅に


2位. レヴェナント: 蘇えりし者


3位. オデッセイ


4位. 神様メール


5位. 聲の形


6位. アイアムアヒーロー


7位. 永い言い訳


8位. 日本で一番悪い奴ら


9位. ジャングル・ブック


10位. シン・ゴジラ


1位の「この世界の片隅に」はぶっちぎり。いろんな意味で衝撃的だった。
洋画と邦画をミックスしても、これほど邦画が上位に入ってきたのは初めてのこと。邦画のレベルが上がったこともそうだが、洋画に面白い映画が少なかったとことも大きい。
2017年は、邦画はこのままの勢いを保ちつつ、洋画は例年のレベルに回復してほしいと思う。