「善光寺御開帳」
長野市の善光寺で4月5日から5月31日までの57日間にわたって御開帳の行事が行われています。
御開帳の行事とは、数え年で7年に一度、秘仏である御本尊のお身代わりとして、まったく同じ姿の「前立本尊」を本堂にお遷しして全国の人々にお参りいていただく行事だそうで、前回の平成21年(2009年)の時には673万人の方が参詣されたそうです。
なお、本堂前に立てられている「回向柱(えこうばしら)」は前立本尊の右の御手と善の綱で結ばれ、柱に触れる人々にみ仏のお慈悲を伝えてくれると言われており、その回向柱は本堂建立の際、松代藩が普請奉行にあたったという縁から毎回松代町から寄進されているそうです。
「ドローンの飛行規制」
その、御開帳の行事が行われているさなかに、今月9日に小型の無人機「ドローン」が境内に落下すると言う事件がありました。
ドローンを飛ばしたのは横浜市の15歳の少年とのことで、落下の約1時間半後、少年が自ら同寺にある臨時派出所に名乗り出てきたそうです。
警察署では、署員が「危ない」と注意をして帰したということですが、その数日前には首相官邸の屋上にドローンが落下していた事件が起きたばかりです。
ドローンの飛行規制を早急に講じる必要がありそうです。
「牛にひかれて善光寺参り」
ところで、善光寺と言えば「牛に引かれて善光寺参り」と言う諺があります。
今日はこの意味や故事を調べてみました。
「牛に引かれて善光寺参り」とは、たまたま他人に連れられて、ある場所へ出かけて行くこと。また、自分の意志からではなく他人の誘いで、思いがけない良い結果を得たり、よい方面へ導かれたりすることを例えて使われる諺です。
その故事を善光寺の法話からご紹介します。
昔、信濃の国、小県の里に心が貧しい老婆がいました。
ある日、軒下に布を干していると、どこからか牛が一頭やってきて、その角に布を引っかけて走り去ってしまいました。女はたいそう腹を立てて、「憎たらしい。その布を盗んでどうするんだ。」などと怒りながらその牛を追いかけていきました。
ところが牛の逃げ足は早く、なかなか追いつきません。
そうする内に、とうとう善光寺の金堂前まで来てしまいました。日は沈み牛はかき消すように見えなくなりました。
ところが善光寺の仏さまの光明がさながら昼のように老婆を照らしました。ふと、足下に垂れていた牛の涎(よだれ)を見ると、まるで文字のように見えます。
その文字をよく見てみると、『うしとの みおもひはなちそ この道に なれをみちびく おのが心を』と書いてありました。
女はたちまち菩提の心(仏様を信じて覚りを求める心)を起こして、その夜一晩善光寺如来様の前で念仏を称えながら夜を明かしました。
昨日追いかけてきた布を探そうとする心はもうなく、家に帰ってこの世の無常を嘆き悲しみながら暮らしていました。
たまたま近くの観音堂にお参りしたところ、あの布がお観音さんの足下にあるではないですか。
こうなれば、牛に見えたものは、この観音菩薩様の化身であったのだと気づき、ますます善光寺の仏さまを信じて、めでたくも極楽往生を遂げました。
そしてこのお観音さまは今、布引観音といわれています。これを世に「牛に引かれて善光寺参り」と語り継いでいるのであります。
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浅草寺大開帳でも、おなじように前立本尊との手綱を介して観音さまと結縁することができました。^^
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/8d93c367ba8aed7d5bbf54614c17665d
尊い本尊を秘仏にしたり、御開帳でさえ前立本尊を介する等は信心ごころをくすぐります。
>舟は田の作物の運搬用具だったので、父が稲を運んでいる舟に乗せてもらったものです。
倉敷に見るような田園風景ですね。水車を足でまわしてで川の水を田んぼに取り入れてました。