大阪城史跡めぐり（その5）天守閣

今日は地上５０mの大阪城天守閣からの眺めと城内に展示されている装飾の一部をご紹介します。

「青屋門」
天守閣から撮影した青屋門です。
青屋口は大阪城の北東、二の丸の北に位置する非常口とも言うべき門で、創建は徳川幕府による大坂城再築工事が開始された元和6年(1620年)ごろと考えられています。
この門は明治維新の大火によって被災し、その後、陸軍によって改築されたものの、昭和20年(1945)の空襲で再び大破しました。
「青屋」の名称については、戦国時代この地にあった石山（大坂)本願寺の寺内町「青屋町」に由来すると考えられています。



「極楽橋」
極楽橋は大阪城の北側、本丸北端の山里丸と二の丸を結ぶ全長54ｍの橋です。
現在の極楽橋は、徳川幕府が大坂城再建の折に架橋された橋が明治維新の戊辰戦争で焼失し、その後、昭和40年（1965）に大阪城整備工事の一環として再建されたものだそうです。
極楽橋とは、阿弥陀如来のおわします御堂にいたる橋という意味だそうです。



「西の丸庭園」
豊臣秀吉の正室・北政所の屋敷があった場所とされている西の丸庭園は、昭和40年（1965年）、総面積約64,000平方メートルの芝生庭園として開園しました。
周囲を樹木に囲まれ、天守閣や掘の石垣が美しく眺められ、春はソメイヨシノを中心に約300本のサクラが咲き競い、花見の名所としても有名です。
西の丸庭園の東北隅には昭和44年（1969年）、松下幸之助氏から寄贈された茶室「豊松庵」があります。



「大棟の鯱瓦」
豊臣秀吉築城の大阪城の大天守には金色に輝く１対の鯱瓦が最上部に飾ってあったそうで、昭和６年（１９３１年）に推定復元されました。
平成８年に修復された現在のものは、青銅製の鋳物に金箔を貼り付けたもので、これはその原寸大の複製です。
阿・吽一対の内こちらは大棟南側の阿形（雄）で、高さ2.19m、前後幅1.10m、左右幅75㎝、重量4００㎏、金箔３３６０枚（三度押し）だそうです。

・これは城内に展示されている鯱瓦で、阿形（雄）の原寸大の複製です。


・大棟南側に飾ってある鯱・阿形（雄）で、展示されている鯱（複製）のオリジナルです。


「伏虎（ふせとら）」
原寸大の複製で、高さ1.5m、幅3.3mあります。
豊臣秀吉が造った大坂城は大変装飾性の高い建物で、最上階（第5層）の外縁腰板には伏虎（獲物を狙う姿勢の虎）の勇姿が描かれていました。
昭和6年（1931年）の復興では、この天守閣がモデルとされたために虎も316年振りによみがえり、天守閣最上層の外縁四面に４種8頭がいて周囲ににらみを利かせています。

・これはその東西面の内の一頭だそうです。


・天守閣外縁南面の伏虎２頭です。


「太閤菊の紋」
大坂城天守閣には、大棟や大破風など黄金色に輝く装飾品が多数用いられています。
この太閤菊の紋もその一つで、当時の破風飾りを再現したものだそうです。
展示されている太閤菊の紋は、原寸大で厚さは５センチ以上もあるそうです。



破風飾りには太閤菊の紋が黄金色に輝いています。

・右は大阪城大天守によくみられる菊紋の破風飾りです。