昨日に続き、森本 敏教授の講演会についてご紹介します。
今日はサブテーマ(2)の「中国は何をしようとしているのか?」です。
その前に、昨年起きた北朝鮮と韓国の軍事衝突について話されました。
昨年5月、黄海上の北方限界線の南側、韓国が効力を保持している海域で韓国の哨戒艦「天安」が北朝鮮の魚雷により撃沈された。
この北方限界線は1953年8月に国連が設定したもので、北朝鮮はそれを黙認していましたが、1999年9月北方限界線の南方に軍事境界線の設定を宣言した。
しかし、これは実行力を伴っておらず、韓国側が北方限界線の効力を保持しているため、侵入してきた北朝鮮の艦船との銃撃戦が絶えなかった。
11月には延坪島(ヨンビョンド)砲撃事件が発生した。
この事件は、金正日の後継者とされる三男・金正恩の実績を作る為の北朝鮮による実力行使である。この後、金正恩は朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長に抜擢されている。
この事件の後、日・米・韓は米韓合同軍事演習、日米合同軍事演習を実施し、北朝鮮を牽制したことによりその後事件は発生はしていない。
さて、中国は海洋戦略として第1列島線、第2列島線を敷いている。(下の画像の①と②の線)
・第1列島線①は、沖縄から台湾の南、そしてベトナムに至るラインで、東シナ海、南シナ海を取りこむように線引きし、その内側を内海化して他国の侵入を阻止しようとしている。
・第2列島線②は小笠原諸島から南に線引きし、自国の影響力を強化しようとしている。
中国の狙いは、第1列島線までを自国の内海化とし、他国の侵入を阻止することにあり、そして、第2列島線を太平洋上に引いて影響力を強化し、それより東をアメリカと二分する狙いだそうです。
中国は軍事力に物を言わせて領海侵犯の繰り返してはジワリジワリと進出するのが常套手段であり、既に南シナ海の南沙諸島では他国の島を実効支配しており、他国民をだ捕しているところである。
第1列島線は日本にとっての生命線であり、日本はこれを阻止しなければならない。
新聞にはあまり報道されていないが、既に尖閣諸島の排他的経済水域に堂々と入り込んできている。
沖縄の米軍基地の存在が非常に重要である。
今年初めて北極海の氷が全部溶けて船舶の航行が可能になった。ヨーロッパやアメリカ東海岸にはベーリング海から北極海を通ると相当の時間短縮ができる。
このコースを通ればロシアやアメリカ東海岸は中国の脅威にさらされることになる。
特に、ロシアは中国の軍事力増大を危惧しており、将来、中国が日本海から津軽海峡を通り、ベーリング海峡から北極海に入ることを嫌っている。
中国はその戦略のために空母の増強を急いでおり、ロシアは北方領土に軍事基地を増強しているのだ。
野村証券岸和田支店 開店20周年記念特別セミナーにおける森本先生の講演は非常に有意義でした。
一昨年に民主党が政権を任されてからの2年間、日本の外交、安全保障、日米関係、内政、経済はガタガタになりました。
先生の講演を聴いてからは、ますますこの党の政権担当能力に不安を感じるようになりました。
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