らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

待ちに待った「羊雲・うろこ雲」

2022-10-15 | 季節

残暑が厳しかった当地も今月5日の雨の後、ようやく平年並みの気温になり、秋らしくなってきました。
畑にはコスモスの花が秋風に揺れ、空を見上げると「羊雲や」「うろこ雲」が秋の到来を告げています。
モクモクとした「入道雲」はいつしか姿を消し、高い空に秋の雲が見られるようになったのです。



秋の特徴的な雲には「ひつじ雲」や「うろこ雲」「いわし雲」などがあります。
その区別についてはよく知りませんが、先日、ふと空を見上げると「うろこ雲」でしょうか、空一面に広がっていました。
そこで、取り敢えずその雲を「うろこ雲」としてご紹介したいと思います。

「うろこ雲」
秋の空に見られる、ひつじ雲、うろこ雲、いわし雲は、それぞれ、ヒツジに似ていたり、魚の鱗のように見えたり、イワシの群れに見えることから付けられた俗称で、正式名は、ひつじ雲は「高積雲」、うろこ雲といわし雲は「巻積雲」と言います。

・巻積雲(うろこ雲、イワシ雲など)
うろこ雲といわし雲は、同じ巻積雲なので違いはなく、見え方によって「うろこ雲」とか「いわし雲」と呼び分けられているにすぎません。
「さば雲」と呼ばれる雲も、うろこ雲やいわし雲と同じ巻積雲のことで、サバの背にある模様に似た波状の雲をいいます。

・高積雲(羊雲)
ひつじ雲の正式名は「高積雲」と言い、「巻積雲」との決定的な違いは、雲が発生する高さにあります。
高積雲は高度2000m~7000mの中層に発生するのに対し、
巻積雲は高度5000m~13000mの上層に発生します。
高度に違いがあるため、地上に近いひつじ雲は、一つ一つの塊が大きく見え、地上から遠くにあるうろこ雲やいわし雲は、一つ一つの塊が小さく見えます。

その他、高積雲(ひつじ雲)は雲が厚く、光の通過が少ないのに対し、巻積雲(うろこ雲・いわし雲)は雲が薄く、光の通過が多いという特徴があるようです。

・うろこ雲ではないかと思います。


「うろこ雲の発生メカニズム」
「うろこ」のような無数の塊は、層状雲(上層雲、中層雲、下層雲の総称)の上辺が放射冷却により一様に冷却されることによるベルナール対流によって発生します。
即ち、上空では、『上昇した空気があるところで冷やされて下降する』という対流、所謂ベナール対流がいくつも発生しています。
これによって、うろこ雲のような形になるわけです。

このようなベナール対流は上空の空気が入れ替わっているとき、高気圧が抜けて、前線や低気圧が接近しているようなときに発生しやすくなります。
つまり、秋のように、移動性の高気圧によって天気が移り変わる季節には、このようなベナール対流が発生しやすいということです。

・雲の塊が大きいので「羊雲」ではないかと思います。


「言い伝え」
秋も深まると、南にある「夏の空気」と北の「秋の空気」を隔てる前線が次々と日本付近を通過していきます。
このため、夏には見られなかった「うろこ雲」や「ひつじ雲」が見られるようになるのです。

「うろこ雲が出たら三日のうちに雨」
「ひつじ雲が出ると翌日雨」
という言い伝えもあります。
昔の人は、雲の形の変化と雨との関係に注目して生活していたようですね。