らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

さまざまな「様」

2021-12-20 | 雑学

皆さまは年賀状はもう書かれましたか?
郵便局では、元日に配達するためには25日までの投函を呼び掛けていることから、私もそろそろ始めようかと思っているところです。

ところで、年賀状に限らず、ビジネスにおいてもプライベートにおいても、文書や封書に相手の名前を書くとき、敬称に「様」を書きますが、この「様」には様々な「様」があるのをご存じでしょうか?
今日は様々な「様」について調べました。

「様々な様」
「様」という漢字は名前の下につけて敬称として用いられますが、江戸時代には「様」の形を書き分けることで、自分と相手の身分の違いを表していたようです。
その書き方は数通りあって、上輩ほど楷書に近く書き、下輩ほど草書にし、最も卑(ひく)いところへは假名で書いたのだそうです。
以下、その一部をご紹介します。
      
1.「永様(えいざま)」
貴人への書状に用いる最も尊敬した書き方の「樣」です。
旁の部分(右側)の下を「永」と楷書で書く形で、「永様(えいざま)」と呼びました。


2.「美様(びざま)」
「永様」に次ぐ敬意が高い「様」は、旁を「美」の字の草体(点画を略し曲線に富む書体)のように書く「美様」です。


3.「次様(つぎざま)」
自分より少し目上または同等の人物に用いられる「様」は、旁(つくり)の下部を「次」と書いた「檨」で、「次様」です。


4.「平様(ひらざま)」
主に目下の人に使われていた「様」は、旁の右下が平の様で、「平様(ひらざま)」です。
つくばった(蹲った=うずくまった)ような形から「蹲さま(つくばいざま)」とも呼ばれました。


現在、一般的に使われている「様」は右下が水の「水様(みずさま)」で、目上、目下に関係なく使用されます。 
しかし、目上に対する時は楷書のように丁寧に書くことを心得ておく必要があるということです。

「参考」
「神様、上様の由来」
昔、天皇、貴人に対してのみに使われていた「様」は、右下が「神」、後に「上」に変わった様の「うえさま・かみさま」でした。
それが、室町時代に大名などに対して使われるようになって「上様(うえさま)」に変わり、江戸時代では征夷代将軍に対して使われるようになりました。
そこから更に広く使われるようになり、商い人にとっては貴人に等しい上得意の客に対して上客という意味合いから 「上様(じょうさま、うえさま)」となったということです。
今でも領収書などに「上様」と書いて宛名の代わりに使われています。

「かみさま」
この「上様」は古くは高貴な方の妻に対して使われましたが、「上様、(うえさま、じょうさま)」とは言わず、『かみさま』といいました。
これが、近世以降は家庭に於いて家を守る奥さんに適用されるようになり、隠居した良家の老母に対して『かみさま』と言い、これが転訛して、子育ても一段落した奥さんなどに対しても『かみさん』と使われるようになり、奥さん全般に使われるようになりました。
料亭や旅館などの奥さんを、そこを守る、奥まったところで(裏方)よく守ると言うことから、『御上(おかみ)』 と言うようにもなりました。

更に「上様」の「上」が敬称接尾語として使われ、子供が両親を敬って、父上様、母上様、兄上様、姉上様、伯父上様、伯母上様などとも使われるようになったということです。