らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

油断大敵

2019-10-14 | 雑学

「油断大敵」という熟語があります。
「油断」は「気を抜くこと」や「注意を怠ること」を、「大敵」は「強く手強い敵」をそれぞれ意味していることから、「油断こそが手強い敵」であり、「思わぬ失敗につながる」との意味になり、「気をぬいてはいけない」、「注意を怠ってはいけない」と言う戒めの言葉として使われます。

今日はこの語源について調べました。

「語源」
油断大敵の語源は、一説に仏教に由来すると言われています。
今からおよそ1200年前、天台宗を開いた伝教大師・最澄が、比叡山の山中に根本中堂を建立し、大師自ら薬師如来のご本尊を彫り、「明らけく、後の仏の御世までも、光伝えよ法の灯しび」と、御心を込めて点灯された尊火があります。
この灯が最澄が灯して以来、1200年間一度も消えることなく燃え続けている「不滅の法灯」です。
この灯りは全国数か所に分燈されており、その中に山形県の通称・山寺「立石寺」があります。

「不滅の法灯」も長い歴史の中で一度消えたことがあります。
それは、1571年に織田信長による比叡山延暦寺の焼き討ちの時です。
しかし、以前、山形県の立石寺に分灯していたことから、これを活かして再び光を取り戻しました。

この「不滅の法灯」は毎日、僧侶の手によって菜種油が補充されることで火は燃え続けているのですが、もし、気を抜いて注ぐことを忘れたりすると1200年の灯火が消えてしまいます。
ここから油断大敵という言葉ができたという説があります。

他には、原始仏教の経典「北本涅槃経(ほくほんねはんぎょう)」にある逸話が語源とも言われています。
逸話では、インドの王様が家臣に対し「油を入れた鉢を持って街の中を歩くよう」命じ、油が一滴でも鉢からこぼれたときには処刑すると告げたというものです。
鉢いっぱいに入れた油が一滴でもこぼれないように歩くのは極めて難しいことであり、このことが「注意を怠ると命取りになる」の意味の「油断大敵」の語源とされる説です。

更に、古語「ゆたに」が語源とされる説もあるようです。
「ゆたに」とはのんびりとした様子を表す語で、万葉集にも使われている古い言葉です。
その「ゆたに」が変化して「油断」となり、「油断大敵」の言葉が生まれたという説です。

いずれにしても、「気の緩み」や「注意を怠けること」により、思わぬ失敗や危険をまねくことがあることから、「油断大敵」の言葉は戒めの言葉として肝に銘じておきたいものです。