らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

他山の石

2014-12-11 | 雑学

文化庁が言葉の本来の意味を解説しているページに「ことば食堂」があります。
当ブログでは月に1~2回、その中からご紹介していますが、今日は10月2日に公開された第12話の「他山の石」をご紹介します。

読者の皆さんは「他山の石」と言う言葉をどのようにご理解されてますか?
ことば食堂では「先生の教えを他山の石として頑張っていきます。」と、「自分が手本にしたい目上の人の良い行い」という意味で用いられていますが、これは本来の意味と違っており、このような使用は「先生」に失礼な発言となります。

「他山の石」は,中国最古の詩集「詩経(しきょう)」にある故事に由来する言葉で、それによると、「よその山から出た粗悪な石も、自分の宝石を磨くのに利用できる」ことから、「他人のつまらぬ言行も自分の人格を育てる助けとなる」という意味で使われてきました。

広辞苑でも、【他山の石とする】を、「他山の石以(いしもっ)て玉を攻(おさ)むべし」と同じとし、「よその山から出た粗悪な石でも、自分の宝石を磨く役に立つ」の意から、「自分より劣っている人の言行も自分の知徳を磨く助けとすることができる」と説明しています。
このように本来、目上の人の言行についてや、手本となる言行の意では使わない言葉なのです。

平成16年度の「国語に関する世論調査」で「他山の石」の意味を尋ねたところ、結果は次のとおりだったようです。(下線を付したものが本来の意味。)
(ア) 他人の誤った言行も自分の行いの参考となる・・・・・・・・・・・・・・ 26.8%
(イ) 他人の良い言行は自分の行いの手本となる・・・・・・・・・・・・・・・・ 18.1%
(ウ) (ア)と(イ)の両方の意味で使う ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.5%
(エ) (ア)と(イ)のどちらの意味でも使わない ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22.4%
分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27.2%

年代別では、
16~19歳で「他人の良い言行は自分の行いの手本となる」と、本来の意味の意味でない(イ)を選んだ人が、本来の意味である(ア)を選んだ人の割合を上回っています。
20代になるとその割合が本来の意味である「他人の間違った言行も自分の行いの参考となる」を選んだ割合に近くなり,30代以上では本来の意味を選んだ人の方が多いという結果だそうです。

また、この言葉については、「分からない」を選んだ人が多いのも特徴で、その割合は,16~19歳を除く年代で2割台半ばから3割強となっており,特に20代から40代まででは,最も多く選ばれた選択肢になっています。
これは、「人のふり見て我がふり直せ」という成文のように、字面を読めばその内容が十分に理解できるのと違って、「他山の石」の場合は、それだけでは「よその山の石」という意から、知識で補わない限り理解することができないということが考えられるそうです。

『他山の石』の本来の意味は『他人の 誤った言行も自分の行いの参考となる』と言う意味です。
使用には十分注意したいですね。