スキヤキ2012をふりかえる -9- だぶ


 このあたりで、伝統アイヌ音楽のCDの数は少ないが「アイヌ・ダブ」ならかなりでてきた、というお話が一瞬出ました。

 今回のシンポのお三方に「レゲエ」reggae、「ラガ」ragga、「ダブ」dubというあたりの接点があることは意識しておりました。現在の世界である程度意識的に音楽を実践しようとする場合、レゲエに対するスタンスというのは誰しも確認が必要であるように思います。レゲエとそれにまつわる諸ジャンル、思想、歴史等というのは21世紀人の基礎教養と言うべきでしょう。学校でちゃんと教えるべきだ。うん、そうだそうだ・・・
 でも教育って権威、権力ということと表裏一体ですから、結局それも難しいですね。学ぶなら、反抗して、学ばなければならない。レゲエはレベル・ミュージックrebel musicの中核なのです(ラシード・タハも指摘する通りレゲエには原理主義的なものも繋がっているから一筋縄ではいかないけれど)。

 Gnawa DiffusionとOKIがレベル・ミュージックなのはわりと自明ですが、さてキウィ、パパイヤ・マンゴーズはどうか・・・ いわゆる「音楽」という言葉で日本の人が反射的に連想する種類の音楽――日本のポップス、でなければ西洋クラシック――に対するアンチテーゼ?

 とにかくレゲエのあたりをうまく掘り下げればアマジーグ・カテブ、オキ、廣瀬拓音の音楽的ルーツ――のひとつ――を聴衆に示すことができて、シンポを別の展開にできただろうと思います。この重要な音楽ジャンルをあまりご存知でない方には非常に啓蒙的内容になったでしょう。
 でもわたし、そうはしなかったな・・・

 レゲエ等についてはこのエントリー、そしてその中からリンクの貼られているエントリーをたどっていただければ、わたくしのレゲエ観はお分かりになると思うので、それに対してできるだけ批判的なご意見がいただけましたら幸いです。

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コメント
 
 
 
ワールドミュージックの潮流 (ボン 大塚)
2012-09-26 21:10:59
80年代のワールドミュージックのブームの大波を
思い出しました。フランス発でシェブ・ハレド、
マラヴォア、カッサブ、マヌ・チャオ、カオマ、
サリフ・ケイタ、モリ・カンテ、トゥレ・クンダ、
そしてイギリス発で、レゲーのボブ・マーリー、
サード・ワールド、カリプソのマイティ・スパロー、
ソカのアローなど京都の輸入レコード店に通い
カセットテープを気合買いしたのが懐かしいです。
その前の76年には、関西で沖縄ミュージックの
喜納昌吉&チャンプルーズのハイサイおじさんが
ラジオ番組発で大ブレイクしていたり、やはり
70年代、80年代は音楽も混紡状態で入ってきて
面白い時代だったなと改めて感じております。
 
 
 
ブームのころは (raidaisuki)
2012-09-28 13:11:11
ボン大塚さま

 ワールドのブームというのは米英ロックを夢中で聞いていた人々(わたくしもその一員ですが)が、「なんか最近面白くないなー、ロック終わったかなー・・・他所はどうしてるのかなー」みたいなことを思って、それぞれが思い思いに動き出した時期と一致していると思います。
 オシビサが出たり、クラプトンがI shot the sheriffをヒットさせたり、そういう動きがあちこちでもこっ、もこっ、という感じで胎動していましたね。
 
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