教える


 例のライ・ゼミですが、今回のレポートではレゲエとラスタファリアニズムについて書いてきた子がいました。

 何年もやっているライ・ゼミですが、最近はライ歌手の世界展開とともに世界各地で遭遇した文化にも言及していく形になっています。レポートはそういう文化について書いてもいいのです。
 ラスタファリアニズムもここ二、三年とりあげてましたが、これに限定して書いてきたレポートはこれがはじめてだと思います。

 前にも書きましたが、レゲエ、ラスタファリアニズムとはどういうものかというのは、ライ以上に現代の基礎教養として知っておかなければならないものだと思います。ラシード・タハも言うとおり、思想的には注意しなければならないところを含んでいるとは思いますが、現実に世界中の膨大な数の人々の真摯な思いであるからには、敬意をもって扱われなければいけないのではないでしょうか。
 それにこれは、大きな意味でのアフリカ回帰思想の一部なのですから、日本の旧世代の人がロマンチックにしかとらえられなかったものを(このエントリーを参照してください)、若者はもっとしっかりその実態と意義をとらえられるのでなくてはいけないと思うのです。

 わたし自身は現代の教養として知っておかねばならないことをあまり知らないように思うのですがそれは、わたしが怠け者であるということに加えて、「21世紀の世界人として知っておかねばならないこと」が、20世紀の日本人が「これが教養だ、知っておいて意義のあるものだ」と思っていたこととは食い違ってきているということにも原因があるという気がします。

 旧世代の人間としては、若者を自分の得意分野に引き込んで「教育」「指導」することより、たぶんこのあたりに未来がある、という入り口を指し示して、そこに導くことに心を砕くべきじゃないかな、と思うのです。
 
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