フランス人のアメリカ幻想(2)


このエントリーから続く>

 これはLargo Winchシリーズの表紙の裏のページですね。輪のようになっているのはウィンチ財閥を構成している企業群の社長というかCEOというかの顔ですね。

 ところでこいつらはそれぞれが大企業のトップのくせにやばいことをやっていて、互いに殺し合いしてますから、どんどん死んでいきます。だから巻が変わるとどんどんトップの顔がすげ変わっていきます。 (^_^;)

 国籍はいろいろです。第一巻の時点ではアメリカ人5人、イギリス、ドイツ、イタリア、オランダ、南アフリカ、メキシコが1人づつ。フランスがあつかましく(?)2人入ってますがそのうち一人(本社ChicagoのAERONAUTICS社のアンドレ・ベルクールってやつ)は最新巻まで生き残っていたような気がします。いま手元にないんで記憶が不確かですが・・・  
 なお作者たちはベルギー人ですが、ベルギーは入れてません。
 世界とは、そういうもんです。

 四隅の囲みには、ウィンチグループの総売り上げ高とか従業員数(全世界で39万7680人いるそうです。ちなみにこの第一巻は1990年に出てますね)とかが英語で書いてあります。たとえば:

CONSOLIDATED CAPITAL STRUCTURE in USS mill.
TOTAL DEBIT 7.990.2
LT DEBT. 3.004.1    LT INTERSET 285.4
Lease uncapitalized - Annual Rentals 80.1
Pension Liability not available
PREFERRED STOCK none
COMMON STOCK 510.545.455 [per value 8.25]

という具合に。わたし経済学って全然知らないので、なんのことやらさっぱりわからないんですが(どなたか教えてください!)、とにかくなんか凄いんだという雰囲気を出すためというのは分ります(まあ結局子供だましですけど。 (^_^;) )。

 とにかく、こういうのはフランスでも当然ながらに英語の世界なんです。それでなければならない。
 フランス人にはアメリカンドリームが可能ですが(日本人には可能なのかな? アラブ人には?・・・)、それをつかむためには当然英語を経由するわけで、それは幻想の一部をなしている肯定的要素のはずなのです。

 ・・・しかしそれでもラルゴウィンチ・サイトはフランス語とオランダ語の二本立てで、英語がないんですね。読者層から考えたら、これでいいんでしょう。いろいろ考えさせられて面白いですね。

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