日本人はフランス語を誤解している!・・・と思うけどなあ・・・
フランス語系人のBO-YA-KI
フランス人のアメリカ幻想
フランス人にとってのアメリカということに関して言えば、ラルゴ・ウィンチ Largo Winch シリーズも面白いですよ。
これ、ジャン=イヴが好きなんですね。これのキャラが文字盤に入った時計を僕にくれました。(^_^) ありがとう・・・
モンテネグロ系アメリカ人で全世界に展開する大財閥の総帥ネリオ・ウィンチが、自らの出自の地で同族の唯一人の末裔と思われる子供を見つけひそかに養子とするんですが、手元には引き取りません。それでネリオ・ウィンチが死んだとき、遺言でこの養子、青年となっていたラルゴ・ウィンチが突然呼び出され、財閥の総帥の座を相続することになる、という設定です。
簡単に言えば、007の大金持ち版、です。大金持ちになったくせにラルゴは実にやばい冒険を繰り返します。彼は敵が大変多いので、命を守るために必死で戦わざるをえないんです。彼の周りに悪人、善人、美女、悪女、たくさんでてきて、三つ巴、四つ巴の抗争のなかでどんどん殺されていきます。ちょっと目を離すともう死んでます。 (^_^;) ジャパニーズスマイルの日本人ビジネスマンが商談をもってくるシーンもありましたが、なんも悪いことしてないのにゴルゴ十三流に眉間を撃ち抜かれてあっというまに死んじゃいました。 (^_^;;)
でも、たしかに面白いです。
やばいですけど、話のスケールがでかくて、華麗な世界です。
こういうの、フランス人のアメリカ・イメージのひとつの典型のように思います。
それからこのマンガの売りは「美しい絵」なんだと思います。細かくすっきりした描線に、繊細であざやかな色づけがなされています。これ見てるだけで楽しい。実写の映画ではこんなにきれいには絶対ならないし、アニメでこんな複雑な線や色は難しいんじゃないでしょうか。
シナリオはPhilippe Francq、絵はJean Van Hamme。両人ともベルギー出身。第一巻の色つけは Marie-Paule Alluard とクレジットされてます。フランス語圏マンガでは色づけの役割はかなり重要だと思います。
コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )
« フランス語圏... | 「国立移民史... » |
どんな服を着せましょうかね? (^_^)
ちなみにスペインにはSUPERLOPEZスペールロペスというのがいるそうです。どんな格好のやつだろう・・・?
日本で「ウォーリーを探せ」というタイトルで出ているシリーズ絵本、フランスでは「Ou est Charlie?」でした。シャルリーと読むのかチャーリーと読むのか知らないですが。
SUPERLOPEZはたぶんフランスのデュポンに刺激されて出てきたんでしょうが、同じ格好では意味がない。スペイン的価値の擁護者のはずですね・・・ でもステレオタイプのスペイン的価値ってなんだろう? (^_^;) パエージャ食べてシエスタしてギターでも奏でるんだろうか? いでたちはソンブレロにポンチョ・・・ではメキシコになりますね。フラメンコの格好ではジプシー=ロマになっちゃいますね。
いろいろな漫画の紹介、いいですねー!
SUPERLOPEZは下のリンクを読む限りでは、単純にスーパーマンのパロディとして生まれたようです。出来たのはSUPERDUPONTとほぼ同時期ですね。
http://en.wikipedia.org/wiki/Superlopez
SUPERDUPONTなんかは特にそうですけど、日本の漫画より社会風刺が強いですよね。おそらく、ヨーロッパの漫画の流れは風刺漫画から始まっているんじゃないかと思うのですが、エンターテイメントとしては日本の漫画の方が圧倒的に面白いと思います。その代わり、日本の漫画は社会風刺が弱いです。このことは他の国への広まりにも大きく影響しているはずで、エンターテイメントは世界中に垣根がない一方、社会風刺の要素が強いマンガは、その社会以外ではなかなか通用するはずがないです。共通の社会観がないと成立しない笑いだからです。その点でいえば、社会風刺系のフランスマンガが日本でほとんど知られていないのは当然かな、と思います。でも、フランス社会やフランス人の意識の研究材料にはなりますね。
フランス語サイトに限って検索しても、「death note」の方が、「SUPERDUPONT」「Spirou et Fantasio」「Jack Palmer」「Yoko Tsuno」「Largo Winch」よりもヒット件数が(ものによっては遥かに)多いことからすると、エンターテイメントの日本のマンガが相当受け入れられているのだな、と思います。でも、さすがに日本では長年人気を保っている「サザエさん」はほとんどヒットしませんね。たぶん、日本社会がわかっていないと面白くないマンガだからではないでしょうか。
ところで、音楽は聴かないと良さがわからず、マンガは見てみないと良さがわかりません。日本のマンガは著作権意識のないフランス人に勝手にスキャンされて膨大な量がネットにアップされてます。ので、先生も面白いと思ったフランスマンガを多少はスキャンしてアップしてはどうでしょうか(笑)。紹介という大義名分もあるので。
わが愛しのライが元気ないので(そろそろフォーデルの逆襲ぶりが注目ですが)、midiさんのリクエストもありましてフランス語圏マンガの知っているところをうだうだ書いてます。
death noteはそんなに人気ですか。
あのマンガでは、あの世からこの世へのメッセージが英語ということになってますけど、death note読むフランス人はそこでガックリくるような人たちじゃないんでしょうね。(^_^;)v
社会風刺というのともうひとつ、シリーズもので一つ出たら次の巻が出るまでのインターバルが長いというのもネックではないでしょうか。一冊一冊、手をかけてつくっているのでしょうが、日本のマンガ界のすさまじいスピードに慣れているとたしかにまどろっこしい。そのへんの感覚は『現代フランスを知るための36章』(梅本、大里、木下著、明石書店、2000年)に的確に書かれてました(この本は現代フランス紹介のいい本です)。
ネットにおけるプレゼンスについては、Yoko TsunoもSuperdupontも70年代初頭に始まった古いシリーズだというのも関係あるかもしれません。Largo Winchだって90年代初頭で、このころさえインターネットはまだなかった(今から考えたらうそみたいですね・・・)。
death noteはインターネット世代の読者の真ん中に登場して、最初からネットに乗っている感じなのではないでしょうか。
スキャンの方は、ちょっと怖いです。大学当局というのは公衆道徳をしっかり守ってください、と厳しくおっしゃるところなので、ここで冒険して叱られるのもちょっと・・・
f(^_^;)
trotteurさんが張ってくださったリンクで見ると、スーパーデュポンのなんだかよくわからない威圧感(笑)に比べてなんと可愛らしいこと。
とっぱなに「ですねー」と書きましたが、大人がやたら語尾に「●●ですねー」というふうにつけて喋るのを、「●●deathねー」と変換(?)して、「●●死ねー」って言ってるよぷぷぷ、と笑うのが流行っているそうですよ、小学生のあいだでは。漫画やアニメの力ってすごいなあ、と妙なところで感心したりします。
弱そうというのかなんというのか、Superlopezさんて、ええしのぼんぼんがそのまま大きなったような、育ちのよさを感じさせますね。 (^_^;)