日本人はフランス語を誤解している!・・・と思うけどなあ・・・
フランス語系人のBO-YA-KI
『文学部唯野教授』
04 今回のアルジェリア行きはアルジェリアの大学との文化交流というれっきとした名目があって(でないとお金がもらえない)、その一環としてミリアニさんに頼まれてモスタガネム大学で学生さんたちに日本の教育についてフランス語で講演することになってました。滞在のしょっぱなです。
到着の次の朝8時、まだ大荷物が手元にないうちにモスタガネム大学から先生が迎えに来てくれました。フランス語科のRoubai-Chorfi先生です。
挨拶を交わしてさっそく車に乗り込んだ後、彼から出た最初の話題がなんと筒井康隆の『文学部唯野教授』は面白い、という話でした。
誰だ、こんなもの(?)フランス語に訳したのは?
この本はミリアニさんたちが見つけて「こりゃまるでうち(つまり、モスタガネム大です)と同じじゃないか!」と親近感を覚えちゃったんですって。「こいつは、あの男だ。こいつは・・・」という風にいちいちキャラクターが思い当たるっていうんです。
あの小説は、わたしは日本にしてはずいぶん異様な人たちが出てる、と思ったものですけど・・・
本自体はみんなで回し読みしてるうちにどっかいっちゃった、ということなんですが。
柄谷行人がカラオケ谷ベンジンになってたりとかのパロディ名はどんな訳し方になっていたでしょうね。
それとかフツブン助手の蟇目狂乱の場面、「講師になりたいよう、講師になりたいよう」とかっていう筒井康隆独特の率直にしてマヌケな叫びはどんな風に訳してあったんでしょうね。
アルジェリアであんな風に大の大人が超子供みたいなダダこねるシチュエーションがもしありえてしまったら、訳は大変難しいことになるでしょう。どうやってもマジになってしまうので。
Webcatを探すと・・・ありましたね。これですね。あるのは仏訳だけみたいですね。英訳すら出た形跡がありません。へえ。すごいですね。
というわけで、アルジェリアの大学人たちとのファーストコンタクトは、筒井康隆の仲介によってなされたわけでした。
それはともかく、オランからモスタガネムに向かう海岸の景色は、素晴らしいものでした(↑)。
[追記] すみません、字が違ってました。「唯野」教授でした。訂正しました。
[もうひとつ追記] もうひとつ違ってました。もちろん「筒井康隆」でした。訂正しました。
・・・なんか筒井康隆読まなくなって長いなーという実感がします。一時は貪るように読んでたんですけどね・・・
コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )