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大カルノー Lazare Carnot


(前のエントリーから続きます)

 でも、フランス革命からナポレオンの時代にかけて雲の如く輩出した豪傑たちのなかでいちばん偉かったのはだれかというと、わたしはやっぱりカルノーだと思ってます。

 彼がいなかったらフランスは外国の侵略を防げなかっただろうし、そうなったら革命もへっちゃくれもなかったんですから。今からみたら戦争のエキスパートという感じですが、それは今とは時代が違いますから、そのことをもって否定的評価を与えるべきではないでしょう。
 
 フランスですから、そしてあの時代ですから、カルノーも十分、文学的なところがあります。でも経歴からして彼は本質的に「理系の人」でしょう。
 単独トップに登ることはなかったけれど、ギロチンにかかることもありませんでした。最後は亡命先で亡くなるはめにはなったけれど、彼は子孫にたくさん傑物を輩出させました。孫はフランス大統領になってますからね。
 そして、少々詳しい伝記をみても、彼の感情面の大きな出来事が触れられないままになっていたりします。
 そういうのもろもろは、なぜか「理系」にふさわしいという気がするのです・・・

 ただ「醜のマスラオ」というだけでなく、彼くらいの広い見識と品格をもった理系人となることを、日本の人も狙ったらどうかと思うのですが・・・
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Marechaux まれしょお


 モントリオールにたつ前にもうひとつ。

 最近ちらっと「カルノー」のことを思い出したので、ちょっとWikipedia見てみたら、ちょっと気になるところがあってウェブ検索してました。

 そしたら、その件はよくわからなかったのですが(いつかきっと突き止めます)、代わりに長谷川哲也の『ナポレオン』というのを「見つけました」。

 十年も連載しているそうですが、こんなのあるなんて知らなかった!

 さっそく最新刊と第二巻を買ってきました。

 帯がすごい!  作者は『北斗の拳』の作者のアシスタントもやっていた方だそうで、まことにそのような画風です。今はパリ市を帯のように取り囲んでいる栄光の元帥たちが、ああ、こんな顔に・・・

 ・・・でも、彼らって案外、本物も似たようなものだったんじゃないかという感じがしますね・・・
 中身読んでみても、意外とむちゃくちゃという感じがしないです。
 フランス革命って、本質はこんなもんじゃなかったかという気がするのです。

 調べてみたら、やっぱりフランス語版出てますね。どんな感じだろう。早速注文しました(物好きな)。
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国連


 さる3月11日月曜日ですが、金沢の「しいのき迎賓館」で国連広報センター所長代行の妹尾靖子氏のお話がありました。石川県からは毎年国連に若者を送る「国連スタディビジット」というのをやっていて、そこのOBが運営してくれていました。

 導入はもちろんシリア問題で、この超やっかいな仕事を任されているトップ、ラクダル・ブラヒミ氏が大きく紹介されていました。もちろん彼は、アルジェリアの人ですね。

 妹尾氏はアラビア語を勉強された方だそうです。
 なんとか日本でももっとアラビア語ができる人が増えるようにできるといいですね。

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こういう話もあるそうで


 こういう話があります。
 日経がどうのというより、にっぽんのこのあたりに、なんか見えない大きな岩みたいなものがあって、日本の一般大衆を世界のありのままの理解から隔離しておきたいのかなあ、みたいな感覚をときどきもちます。

 世界のありのままを見せてしまうと日本があまりに外国のいいなりになっていることが丸分かりになってげんなりさせちゃうから?
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ステファン・エッセル追悼


 先週も忙しかったです。今日も忙しいので簡単に書きます。

 先月27日(Wikipedia英語版は26日としてますね。まあいい)に、Stephane Hesselが亡くなりました。95歳でした。謹んで追悼の意を表します。
 
 彼の生涯は小説のように波乱に満ちたものでした。

 1917年ベルリン生まれ。両親はHenri-Pierre Rocheの小説、そしてそれを映像化したFrancois Truffautの Jules et Jim ――邦題は『突然炎のごとく』でした――のモデルとなったカップル。父方の祖父母はユダヤ系。1924年パリ移住。1939年にフランス国籍取得。従軍。捕虜となるも脱走。レジスタンスで活躍。戦後は外交官となり、1948年の世界人権宣言起草に参与。ミッテラン大統領のもとで国連大使。
 彼は、第二次大戦が終結した時に世界が見た理想を終生信じ続け、戦い続けたと言えます。

 アルジェリア独立戦争のときはアルジェリア支持、パレスチナ問題では自分がユダヤ系であるにもかかわらずパレスチナ支持と、一貫して人権擁護の立場から弱者側につきました。
 サン=パピエ(フランスにいる不法滞在者)問題でももちろんサン=パピエ支持です。

 そして2010年、世界的ベストセラーになった Indignez-vous !――日本版は村井章子さんの訳で『怒れ! 憤れ!』(日経BP)として2011年出版――は、グローバル化した現代のリッチ層に対して貧困に追いやられる若者、移民たちは怒り、反抗すべきだと主張し続けました。これに触発された運動は世界各地で起こり、スペインやアメリカでは大規模な抗議運動にまで発展しています。

 頑固一徹の爺ちゃんで論理的説得力があるわけではない、と言われてはいましたが、無視はけっしてできない人物でした。

 この人のウィキペディアの項目に日本語版がないというのでは、日本人の知的意欲、世界をフォローしようとする意欲は減退しているとしか言いようがありません。こんな反骨の塊のような人物はなーんとなく見ないでおきたいという無意識の安定志向が今の日本にはあるんだと思いますが、それにしても・・・

 
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最初の人間


 Le Premier Homme 見てきました。

 フランスは幸せです。イタリアという先輩、客観的な目を持っているから。
 アルジェリアとフランスの関係については『アルジェの戦い』が、ポンテコルヴォというイタリアの監督の作でした。
 カミュに関してはヴィスコンティの『異邦人』があるんですが、これはまあ、パス。

 「最初の人間」というのは、DNA的には人類発祥から綿々と続いているものながら、精神と呼びうる精神をもった存在は、この作品におけるジャックが最初の人なので Le Premier Hommeなのだ、というのが第一の意味だと思います。
 彼の母が文盲だというのがそれを裏付けています。
 本当はこの母の役は、休みない辛い労働の人生で「人格」という贅沢品を持ち得なかったような顔の人にやってもらうとそれがはっきりしたはずですが・・・ これが「映画」というものの限界です。

 爆弾テロのシーンが出てきます。
 このテロを実行していたのがFLNで、現在もアルジェリアの政権にある「グループ」です。
 先日の人質事件でテロリストを倒した側の人たちです。正当な政府であり、その軍は公認された軍です。

 ということを言って、お前は何が言いたいのだと問われるかもしれません。
 わたしも、なんと言っていいか、分からないです。

 ただこの映画の雰囲気は、見る前に想像するような暗く、重いものではないように思います。
 あまりにも問題が明白に見え、そこには「正解」などあるわけがない、ということがあっけらかんと見えすぎるから?
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非常に感じ悪いけど、たしかに正論

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 同じ2月3日号の「海外メディアから」欄では、英誌『エコノミスト』1月26日号社説を紹介して同誌が:

「(サハラ(砂漠の地帯)は豊かになって初めて安定する」「アフリカで増えるイスラム教信者の大半は聖戦(テロ活動)に反対」と指摘し、先進国の積極的な関与を呼びかける

ということだけ書いているのですが。

 この「豊か」「増える」というところはよくよくその意味を考えるべき重要なポイントだと思います。

 日本が「先進国」でありたいなら「積極的な関与」は、しないといけないと思います。



 こういうことを帝国主義の親玉イギリスのメディアから言われると非常に感じが悪いのですが(それを日経がアシストして日本国民に伝えているわけですが)・・・

 でも、これ正論だから仕方がない。

 イギリス、フランスはさすがに帝国主義本家だけあって、「事情はよくわかっている」んだと思います。


 読者諸兄はどう思われますか?



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へえっ!


 Jeune Afrique (↑)読んでたら、最後のPost-scriptum欄(Fouad Laroul筆)を見て「へえっ」って思いました。

 まあ、そうだろうとは思いましたけど、やっぱりそうですか。

 枝さん、ね・・・

 ちょっと日本語に訳してみますね。細かい注釈は後でつけます。

   *****

 「カルロスはルブーrebeu !」

 先週、衛星局Al-Arabiyaで見たこと。ルノー=日産社長、カルロス・ゴーンのインタヴューが予告されていた。ダヴォスから中継だった。美しい雪、山小屋、青空。インタビューが始まった。なんと! インタビューは英語でも、フランス語でもなかった。アラブ語だった。ゴーンはこの言葉を完璧にしゃべっていた。美しいレバノン訛りの、ジハーズJihazの言葉の中でも必要なテクニカルタームをなんの問題もなく発音していた。"cash-flow"みたいな英語語法を混ぜるのは稀だった。

 わたしも、他の皆と同じようにルノー=日産の社長がレバノン系だというのは知っていた。しかしふつうはこんなことを言うくらいで満足するものだ:彼はブラジル生まれに間違いなく、模範的学歴を持っている、つまりパリでmaths sup/maths spe、ポリテクニク、ミーヌなどなどだ。歌の文句みたいに「これで立派なフランス人ができあがる」といいたいところだが、彼の母語、彼がbrioをもって操るのは、シテや郊外の何千もの若者、ときには最初から人生を諦めたような、彼らの民族的出自が失敗を運命づけていると信じているような若者たちの言葉と同じ言葉なのだ。
もちろんだれもがX-Minesはできないし、ゴーンはJamhourのノートルダムのイエズス会のところを通ったからにはサラフィストのqamisに身を隠すのは避けられた。それでもやはり、努力する気のあるものにとって事実は事実だ。カルロスはルブーだ。彼らと同じに。

 カルロスはルブーだ! フランスで最もサラリーの高い男(年収1000万ユーロに届くという・・・)は我らと同族なのだ!
 ボンディとかモントルイユとかでもっとこんな風に言えばいいのに:ルブーだってサッカーと銀行強盗以外に大金持ちになる方法があるって。天からのいくらかの恵みに加えて、一生懸命働くことというのがそれ。言い古されたセリフで申し訳ない。何万ものアラブ系フランス人が仕事と才能で身をたてているのはわたしも知っている。私自身何十人も知っている。しかし彼らは目に見えない。しあわせだが、息をひそめている。偶然でくわすだけだ。カルロスは、見えるすべてだ。ならば彼をもっと見せよう。フランスやイギリスの財政アナリストを幻惑させる「ロードショー」ではなく、アラブ語方言で話している彼を見せよう。ときどき"zaamaや"ouallah"が入ればなおよろしい。郊外のガキの何人かはすこし数学の授業に興味を持つことになるかもしれない。

 まずは彼の名前を正しく発音しよう。GhosnはRossnと発音する。「小枝」「枝」、あるいは「開花」を意味するのだ。"gone"とは関係ない。それがわれらのBegagのChaabaのgoneであっても。Rossnは生命の、活力の、希望の象徴だ。これを言ってみよう!

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おっ!


 今日の新聞をよく見たら、森元首相がプーチン大統領と、かなり突っ込んだこと話してるじゃないですか。

 これは、ひょっとするとひょっとするかも・・・

 タイミングも絶好だし。
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アアア


 さて、非常に勝手なはなしで恐縮恐縮恐縮・・・なのですが「アラビア」は「阿」でいくことにします。少なくともわたくしは。
 「おい、勝手なことするな!」と怒られる方には「ごめんなさい。m(_ _)m じゃ代案だしてください」とお詫び申し上げておきます。

 さてさて、それじゃ「アフリカ」はどうしますか(中国語は「非洲」みたいなんですが、これしかないかな? ちょっといい字とは言えないですね・・・)? 
 問題の「アルジェリア」は?

 それぞれ、紛らわしくない固有のあて漢字があったら楽しいと思うんですけど。
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