ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

2013入間航空祭~救難訓練展示と推しメン総選挙

2013-11-04 | 自衛隊

前回の「予告編」で、

「航空祭、横須賀、岩国米軍基地見学記の三テーマを並行してこれから書いて行く」

と書いたのですが実は「観閲式」報告もまだ終わっていませんでした。
書くつもりだったテーマすら忘れているとは、先が思いやられます。

さて、予告編でも触れましたが、わたくし実は前日の夜までうっかりしていて
11月3日文化の日が入間の航空祭であることを忘れていました。
11月2日、この日は以前M24さんに教えていただいて応募した

「日米親善ベース歴史ツァー」

に当選し(いきなりアップしてM24さんへのサプライズにしようと黙ってました)
雨のそぼ降る基地を一日歩き回り、疲労困憊して

ああ、明日はゆっくり休んでエントリ製作しようっと」

などと考えつつ料理の支度などしているとき、あまり日頃電話のかかってこない
携帯のリングトーンが鳴りました。

「携帯鳴ってるよ」
「俺のじゃないよ、ママの音だよ」
「え・・・・」

慌ててバッグの底から取り出したけど間に合わず。
留守録が入っていました。

「明日入間の航空祭ですが行かれますか」

うわー、この期に及んでまたもやイベント追加。
疲労もさることながら、去年の航空祭の過酷さを思い返し、体力に不安を感じつつも
参入を決意しました。

もうここまで来たら毒喰らわば皿までってやつです。
ちょっと違う?


少し前と違い、息子も14歳になって、クラスの女の子とデートするお年頃。
一人で家にいるくらい、本人にもたまには開放感があっていいだろうと
自分の都合のいいように解釈して、一人家を出ることにしました。
キッチンにはコーンフレークと、昨日購入した「海自カレー・ひゅうが」の缶。
息子よ、この海自カレーでなんとか夜まで生き延びるがよい。


さて、当日は10時開場に合わせ、7時に家を出ました。
情報を頂いた方には「所沢の駅前の駐車場に車を留めてそこから電車に乗るべし」
という作戦指令を頂いております。 
基地の近くには車が押し寄せて大変な混雑だそうですが、5駅離れた所沢は
車で来る人は関係ないのでガラガラだから、ということでした。

当地まで車で来る予定の方、来年からのご参考に。

ただねえ。
大変だったですよ。そこからが。
電車に乗っているのは全て稲荷山の航空際に向かう人々。
去年は池袋からの始発にのり、しかも指定席だったので楽でしたが、
今年はもろに混雑度100%の満員電車。

毎日のようにこういう電車で通勤しておられる企業戦士の皆様には申し訳ないことながら、
わたくし生まれてこの方このような満員電車に揺られたことが数えるほどしかございません。
見知らぬ赤の他人とこれほど密着する空間というのに慣れていないため、
久しぶりのおしくらまんじゅう状態に驚きつつ、いつの間にか到着しました。



駅を降りたらまた電車の信号待ち。
こういうときも周りの人と身体触れ合いまくりです。



これでまだ開門と言われる10時には30分も間がありました。
しかし・・・・今年の人出は昨年より多くないか?

去年はたしか電車に乗り遅れたため、到着が10時半。
Tー4の飛行展示を電車の中から見たという状態でした。
それでも取りあえず普通に歩いて現地まで行けましたし、
飛行機の周りに近づくことも出来たと記憶します。



なんと。
この時点で展示飛行機には幾十もの人垣が出来ていて近づくことも出来ません。



前列のロープ前に場所を占めた人というのは、一体何時から並んでいたんでしょうか。
入間基地はあまりの人出に開門を早めたようです。

今ニュースを見ると、この日の人出は過去最多の32万人。
去年が確か27万人だったと記憶します。
やはりドラマの影響でしょうね。

森のくまさんが「入間の人出が怖いのでここ数年行っていない」
というコメントを前エントリにくださっていましたが、森くまさん!
怖いなんてもんじゃありあせんでしたぜ。
格納庫前の見学スペースから裏手の売店や屋台の購買コーナーに行く細い道は
電車の満員状態のまま皆がじわじわとすり足で進む修羅場。
あちらこちらに人々がてんでに座り込むので、通路がまっすぐに確保できない状態。
ところどころ、整理係の隊員が配備されていましたが、一人や二人では
この「数の論理」を制圧するのはまさに焼け石に水。

去年の人出も凄かったですが、昨日のそれに比べれば雨の平日のディズニーシーみたいなものでした。

来年からこのイベントは一体どうなってしまうんだろう。
ついそんな不安を覚えずにいられない異常な盛り上がりでした。



何でも、11月3日というのは統計的にも降水が少ない日なのだそうです。
この日も、前日と、そして次の日(今日)の雨天に挟まれているのに雨だけは降りませんでした。
しかしその代わり、何とも言えない曇天。

おかげで、いくら去年よりバージョンアップしたカメラを持っていても、
うすらぼけた写真しか撮ることができませんでした。
もっともわたしの場合は、天気のせいだけではないのは確実ですが、
ニュース映像を見ても結構同じような写真だったので、今安心したところです。

やっぱり航空祭は雲一つない青空の元で行われて欲しいですね。

そして待つことしばし、T−4の展示が始まりました。



T−4はブルーインパルスの機体に使われているように制動制御が楽で、
練習機として非常に優れているそうです。
なんというか、先鋭ではないけど安定した美しさがありますよね。



格納庫では、T−4のコクピットに乗ることが出来るイベントをやっていました。
二機展示されていましたが、ここもものすごい人が並んでいました。
もしかしたらブルーの演技のときなら乗れたかもしれません。



ちゃんとパイロットの名前が漢字で書かれています。
基地や機体によっても違うのでしょうが、最近は漢字が流行かな?

Crew Chief  S/SGT  渡部栄

と書かれています。渡部さんは二佐ですかね。



このT-4の演技のとき、驚いてしまったのですが、

「この部隊は全員50歳以上のパイロットなのでおじん部隊と言われている」
「ブルーと同じ機体なので、張り合って頑張っている」

ということを聞いたんですよ。
本当ですか?
前列には近づくこことも出来なかったので、このパイロットたちが
本当に皆50歳以上なのか確かめることが出来なかったのが残念ですが、
だったらすごいなあ。
50歳の現役パイロット。かっこよすぎるじゃないですか。

アメリカの航空人のことを調べていて、男女を問わず皆やたら飛行寿命が長いので
やはりアメリカ人は体力あるんだなあと感心したりしていたのですが、
日本人も50歳でも現役で編隊飛行などやってしまったりするんですね。






いつ見ても厳ついC−1兄貴と、いつ見てもスマートなU−4。
福田首相が北京オリンピック開会式の出席にこれを使用し、
政府専用機ではなく軍用機が使われたとして報じられたことがあります。

もともとジェットビジネス機ですし、自衛隊でも多様支援機ですから
全く無問題だと思うんですけど、「軍用」というだけでニュースにする、それが日本。



地上は相変わらずの人の波。
チェッカーの尾翼はここにある「チェッカー部隊」の飛行点検機。
U125が使われ、航空保安無線施設の機能を点検します。

点検=「チェック」=「フライトチェッカー」=「チェッカー柄」

という合点の行くネーミングならびにマークの決まり具合に納得。



UH−60J救難ヘリ登場。
今から救難の模擬展示です。



そこですかさず現れるU-125A。

救難捜索機で、捜索レーダーは勿論のこと、赤外線暗視装置も搭載。
UH-60Jと組んで捜索に当たります。



F−15が燃えている!のではなく、その向こうに要救難者がいるという設定。

U-125Aが発見した要救助者の近くにマーカーを投下。



上空にホバリングしたヘリから隊員が2名ロープ降下します。

 

隊員一名が要救助者を・・・・と思ったのですが、抱えているのは荷物。
いくら模擬救難でも、実際の人間を抱いて上がるのは・・・ということでしょうか。






ヘリが救難活動中、ずっと上空をぐるぐる回って哨戒しているU-125A。



隊員が収納されてロープが落とされた瞬間。



「はあ、無事に揚収完了!」



「行くぜい!」

必要以上に動きを付けて頑張るロクマルくん。
このあと勢い付けてブイーンと行きますよ。
こんな斜めになって、負傷者は大丈夫なのか。
今日は人間じゃなかったけど。



そこで登場、空自チヌークさんCH-47J。
入間には入間ヘリコプター空輸隊があります。

ところでこのチヌークですが、ローターが長く、
前方の地上から高さ130センチまではブレードが到達するため、
ローター作動時に危険範囲に近づくと確実に首から上が無くなります。

災害の際に稼働し一般人が乗ることも想定されるチヌークですが、
その際には必ず隊員や誘導員の指示に従うことを求められます。

さて、この空自チヌークが出て来たのは、続いて救難救援の飛行展示のため。
入間ではお約束、物資の引き上げが展示されます。



がんばろう、そして日本の旗。
CH-47とさりげなく自己主張を欠かしません。

しかし、確か去年、この牽引展示にはチヌークが二機参加していたというのに、
・・・今年は一機だけ?



この異種混合編隊飛行もそうです。
去年は二機のC−1を従えたU−4の三機編隊で、

プロレスラー上がりの用心棒を引き連れたスマートな社長の図」

なんて比喩をしてみたものですが、今年は二機。

プロレスラー上がりの用心棒を付けたお嬢様の図」

になってしまっていました。
なんでここで一機節約するかな。

「機種は違えど心は一つ!」

というアナウンスは、決まってでもいるのか、全く去年と一緒でしたが。
今年は例年より観客が何万人も多いというのに、
肝心の飛行展示がなんだか「しょぼい」と思ってしまったのはこれだけにあらず。
全体的になにやら「薄い」感が否めなかったのですが、理由はなんでしょうか。

経費削減、とか民主時代の経費カットの影響が未だに?と思ったのですが、
飛行にかかる予算というのは年間いくらで決められるので、
こういうときだけ削減するというのはあまり考えられない、という話も聞きました。

でもねえ。その「年間費用」そのものがカットされていたとも考えられるし。

自民政権になってから組まれた予算が反映される来年は、
せめて去年のレベルの飛行展示が行われるのではと期待します。

ちなみにこの異種混合編隊は、速度調整が特に速い方のU-4が難しいそうです。




人ごみの中に横田基地からきたアメリカ空軍の偉い人発見。
アテンドしているのは空自の自衛官で、横の人の話によると
准将であることから基地司令クラスではないかとのこと。
日本で買った(に違いない)カメラで、救難活動を激写中。
ちなみに隣にいるのは奥方の模様。
パイロットや軍エリートがモテることは日本以上のアメリカ。
さすが将官だけあって、美人妻(顔は見なかったけどたぶん)をゲットしております。



「空自モテ傾向」をこの日も目の当たりにしました。
スマートな制服を着た防大卒士官を取り囲む女性たち。

単に士官の彼女とその友達集団かもしれませんが。

わたしはもうそういうフィールドにはもはや無関係の立場なので
むしろ国防に関心のある一国民の立場で言うのですが、
こういう「自衛官モテ現象」を、ぜひブームにまでしていただきたい。

そのためにはそれこそドラマでも映画でもいいからイメージを良くし、
そして何より制服をひたすら「かっこよく」演出していただきたい。

「女の子にモテるから自衛隊に入る」

これでいいんです。
男にとっても女にとっても国防が「憧れの職業」になることは、
決して日本に取って悪いことではないとわたしは思うのです。

これまで「軍人がもてはやされるのは平和でない証拠」みたいな論調で、
左翼が
必要以上に自衛隊や自衛官を貶めるような印象操作をして、あたかも
「落ちこぼれが自衛隊に入る」
みたいな風潮を作って来たわけですが、今はもう時代が違います。

自衛隊や国防をあえてないがしろにして来たからこその最近の国際情勢の緊張であり、
つまりはそういうことをひたすら敵視軽視してきたことの反動の結果、
自衛隊が否が応でも表に立たざるを得なくなった。

左巻きの方には腹立たしいでしょうが、この「自衛隊イメージアップ」
の原因主因は、つまり自分たちが長年かかって作ったようなもんなんですよ。



一昔前は考えられなかった「推しメン選挙」掲示板。
独身の自衛隊員のプロフィールを紹介し、投票するのですが、
彼らの目標は誰が一番アピールするかではなく、実は投票用紙に「連絡先」を記入する欄があり、
お目当ての隊員にひっそりとアプローチをしてくる「将来のお嫁さん候補」。
だとわたしは瞬時に看破しました。

つまりわたしのような夫も息子も健在である者には、全く参加する意味も理由もない選挙。

しかしわたしは「もらって下さい」と書かれた段ボール箱から顔を出している、
哀愁をそそらずにはいられない隊員さんに一票を投じ、
連絡先には「資格がないので書きませんが、がんばって下さい」
と激励の言葉を残しておきました。
激励されても、って思うんでしょうけど。


というわけで、自衛官をお婿さんにしたい独身女性、
こんなきっかけもありますよ、ということなので、来年の11月3日は女を磨いて入間に走れ!



そんな軟派な話が申し訳なくなるくらい硬派なC−1の飛翔。
パイロット、張り切っていますね~。
操縦している人はいいけど、他の搭乗員は大変だ。

去年も書きましたが、C−1はこう見えても駆動性に長けていて、
45度くらいのバンクは軽々取ってしまうそうです。
まあ、宙返りは無理でしょうが。
「大空のサムライ」で一式陸攻が宙返りした話があったけど、
あれも今考えればどうなんでしょうね。
そもそも物理的に可能なんでしょうか。





航空祭で空自主催ですが、毎年第一空挺隊の降下は行われます。



わたしの後ろに、今年初めて航空祭を見るらしい女の子が二人、
いちいち「きゃあああ」「わああああ」「すごーい」
といった感嘆詞を大声で叫んでいて、注目を集めていました。

テレビの影響で来てみたら、思ったより凄かったと。
よしよし。
それでいいから自衛隊への理解を深めて、少しでいいから、
国防について考えてね。
(と全く老婆心から心の中でつぶやくエリス中尉)




降下する隊員は10名。
一列に並んだ傘が奇麗に降下して行きます。

空挺の降下は降下時にフックによって自動的に傘が開く仕組みで、
勿論予備の傘も装備しています。

それにしてもこの日、確かに雨天の合間に奇跡のように晴れた一日でしたが、
非常に雲が多く、青空に舞うパラシュートが見られなかったのは残念でした。


そして、ブルーインパルスも、また・・・・・・。


(続く)