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2013自衛隊観閲式~車両部隊行進(準備)

2013-11-01 | 自衛隊

首相の観閲官訓示が終わりました。

そのとたん、車両部隊の前に整列していた隊員たちが
総員、目にもとまらぬ早さで車両行進のための移動の準備にかかります。



こういう、普段は見られないシーンが自衛隊イベントの醍醐味。



もう車両内に収まってエンジン始動の順儀にかかっている隊員もあり。



一瞬たりとも立ち止まっている隊員はいません。



旗持ちさんは車両横で車上に上がるまで待機。



車両に向いて立つことも決められているようです。
各車上で始業点検?をしているヘルメットがそこここに見えています。



全員の俊敏な動きは見ているだけでほれぼれするほど。
こんなシーンばかり写真に撮っているのはわたしくらいかもしれませんが(笑)

何度も言っているように、青のマフラーは通信科、オレンジは機甲科です。
車止めにオレンジを使っているのはこだわりでしょうか。(唯の偶然?)



装甲車の銃チェックよし。



ハッチを開けて搭乗。
もうほとんど飛び込む感じ。

これは96式装輪装甲車といいますが、ここに見えているのは12.7mm重機関銃M2のようなので、
二種類あるうちのB型ではないかと思われます。




準備が整い、出発の合図は手を挙げて。
旗を持っていた隊員も定位置に乗り込みました。

乗員は10名。
少しウケてしまったのが、製作したのが小松製作所であるということ。
重機器機のジャンルなんですね。

陸自としては愛称を「クーガー」として広報しているようですが、
それが一般的かどうかは、わたくしこのジャンルに詳しくないので知りません。
隊員たちはほとんどが「キュウロク」と読んでいるようです。



タイヤが8つもあるので、一つ二つパンクしてもOKな感じ。
しかし、万が一全部パンクしても、ある程度の距離なら走ることができるとか。

公道を走ることのできるサイズなので、東日本大震災では大活躍しました。





行進のための移動なので旗はたたんだまま。



これを見ると、お椀の中から顔を出しているようで微笑ましいのですが、
軽装甲機動車。



横から見るとお椀ですが、弾よけです。
この部分はたたんで全く平らにしてしまう事が出来ます。
雨の降っているときには車内水浸しになってしまいますから・・・

・・・・・あ、先週の雨の日、この装甲車の内部はどうなったんだろう。

防衛省の決めた愛称は「ライトアーマー」。
しかし、Light Armoured VehicleつまりLAVなので、保有する部隊内では略称をもとに

ラヴ」とも呼ばれている。

ラヴとも呼ばれている。


ラヴとも呼ばれている。

 うーん。
自衛隊内でも武器兵器を「艦これ」仕様にして「ヒトマルちゃん」とか、「キュウマル姉御」
とかの萌化に勤しむ性癖の隊員がいたら、これなんかもうそのままですね。

 

先ほどの軽装甲車が通信科でバイクが機甲科であるというのはこれいかに。
これは陸自所有の偵察用バイク。
1月に行われる降下初めでの模擬戦闘でもバイク軍団は大活躍でした。
オフロードとはいえ、あの草地を走り抜けるのもなかなかのテクニックと見た。



バイク軍団、背中に銃を背負っています。


 

土ぼこりではなく、エンジンの立てる白煙だと思います。
87式偵察警戒車。
バイク軍団とセットで偵察隊なんでしょうか。





89式装甲戦闘車。

注意していただきたいのは搭乗している隊員のマフラーの色。
赤ですね。
これは、機甲科ではなく普通科の赤であること。
89式は歩兵を輸送し、かつ乗車歩兵の戦闘ができることから
歩兵戦闘車というカテゴリに入れられます。
陸自の保有する唯一の歩兵戦闘車です。

この89式には詰め込めば8人が乗ることが出来るようです。

防衛省の定めた愛称は(さっきから思うんですが、なぜ防衛省がいちいち愛称を?) 
ライトタイガー。
しかし、現場ではこのなんと言うか総じて中学生が考えたみたいな名前より、
「FV」(Fighting vehicle)と呼ばれる事の方が多いようです。



車上の隊員があまりにかっこよすなので、ついアップ。
目つきが徒者ではない。
戦車隊の隊員は、防音と通信のためのヘッドフォンをしているようですね。


余談ですが、このVehicleという単語ほど、日本では馴染みがなく、
学校で習った覚えもないわりにアメリカでしょっちゅう使われるものも知りません。

日本で「クルマ」という感覚で、アメリカ人はこの言葉を使います。
ちなみにネイティブの発音は「ヴィエコー」。
アメリカに行く予定の方は覚えておくといいかもしれません。



これも96ですが、今度は普通科の部隊ですね。
もともとこれは普通科に配備されているはずなので、先ほど
青いマフラーが乗っていたのがなぜか不思議なのですが・・・。



輸送される歩兵の皆さん。
これを見るとどうも「柔らか戦車」を思い出してしまうのはわたしだけ?

ある訓練の帰り、後ろの隊員たちが皆で運転席の曹長のうわさ話をヒソヒソと・・・。

隊員の一人はiPadで検索した曹長のブログ「青空空挺団」(第一空挺団のこと)を皆に見せるんですが、

・・・・ありえねー。





これも降下初めの模擬戦闘で見ました。
120ミリ迫撃砲をジョイントして牽引する重迫撃砲牽引車。
模擬戦闘ではこの車が枯れ草の飾り付けを施され偽装をします。





この日は陸自の主催ですから、やはり装甲車や戦車が注目を集めます。
旭日旗が美しい。




前にショベルのついているところを見ると施設科の車両?
と思ったのですが、92式地雷原処理車(MCV/マインスイーパー)

マインスイーパー。地雷掃除機。そのまんまです。

車体の上に乗っているのは、「92式地雷原処理用ロケット弾」。
空中でロケット弾内に納められた爆薬が飛び出し、パラシュートで地雷原上に落下。
爆薬はワイヤーによって一列につながっていて、地雷原に到達すると同時に
起爆して地雷を処理します。
この作業を繰り返し、安全地帯が縦に伸びて行き、道ができるというわけです。





通信科の車両。
アンテナがこれでもかとついています。



これはなにかわかりませんでした。
隊員のマフラーの色から、通信用の車両だと思われます。
野外無線機?



化学防護車(CRV)。

第一特殊武器防護隊が装備し、放射性物質などによる汚染地域を行動できる
装輪装甲車です。
車内に空気浄化装置、放射線測定器などを装備し、車両後方のマニュピュレーターを使用して、
車外に出ずに外の汚染状況を迅速に確認する事が出来ます。
マニュピュレーターでは汚染された土壌のサンプルを採取します。
平成七年の地下鉄サリン事件で出動、サリンを特定する働きをしました。 





NBC偵察車。

○○式、という名前を持っていないのは、制式ではなく部隊使用承認の形で使用されているためです。
NBCとは、

Nuclear(核)

Biogical(生物兵器)

Chemical (化学兵器)

のことで、これらの兵器に対処するための装輪装甲車です。
化学防護車と同じく、陸上自衛隊の化学科に配備されます。
この化学科の職種標識の色は金茶、と言われていますが、
もしかしたらこれは黄土色のことでしょうか。



上の写真大アップ。
普通科などのヘルメットと違い、耳をすっぽりと覆う形になっていますね。

左の隊員が女性のように見えるのだけど、自衛隊では女性を配置しない部署に
化学隊を指定していて、その理由は「母体保護」。
ちなみに、戦車や歩兵なども過酷すぎるからという理由、
潜水艦は「男女間のプライバシーが保たれない」という理由で女性配置を制限しています。



というわけで、車両と観閲部隊が全てどこへともなく出て行って、
今度は再び観閲官たる総理大臣の右手から、観閲を受けつつ歩く
「徒歩行進」が始まるわけです。


続く。