「うわああああ」
と内心叫んでしまったんですが、そこに、いたんですよ。
画面左の制服の方が!
中の人には一体なんでそんな興奮するのか、と言われかねないはしゃぎようなのですが、防衛庁の資料室、御存じではないかもしれませんが、すごく狭いんですよね。
その狭い同じ空間に、幹部常装第三種夏服の自衛官が!
チラ見(ガン見?)させていただいたところによると、古い戦史資料を広げておられました。
論文を書くための資料調べをされていたのでしょうか。
第三種夏服は、旧海軍よりこちらの方がかっこいい気がするのですが、色が白だからでしょうか。
カーキの第三種夏服が嫌いで、
「陸軍みたいな恰好しよって」
って言ったのは、井上大将でしたかね。
白の二種軍装をいつも身に着けていたはずの山本司令は、戦死したとき、よりによっていつもは嫌っていたはずの第三種軍装だったそうです。
この一事を以てしても、御本人には不本意だったのではないかと思うのですが・・・。
画像右は、三種夏服画像を探していて拾いもの?で見つけた幹部の「雨用トレンチコート」!
いやあ、かっこよいですなあ。
赤い腕章は「なんたら係」の印ですが、何となくナチス風味ですね。
袖に階級章、肩章もついています。
先日、「軍服のときは傘禁止」という旧日本軍のみならずワールドワイドな軍人の掟の話をしましたが、現代でもそうなのですね。
このコートの素材はナイロンぽく、はっ水性があるように見えます。
そして、軍帽には透明のカバーを掛けているそうです。
という具合に、エリス中尉旧海軍のそれに勝るとも劣らず、自衛官の制服姿、大好きです。
みんな異常に男前が上がりますよねー。凛々しくて。
観艦式の答舷令や観閲式などで行進しているのを見ると、
「今の日本にこんな背筋の伸びた男たちがまだいるのか!」
とため息をついてしまいます。
先日「海上自衛隊 幹部候補生 江田島の青春」
というドキュメンタリーDVDを購入しました。
DVDパッケージにこの三種夏服で行進している幹部候補生の皆さん。
これはもしかしたら、
現代の「勝利の礎」ですか?
この映画についてはまた違う日に詳しく書きたいのですが、今日は「制服」について。
海上士官の制服は旧海軍の第一種にあたるのが黒ダブルのスーツ。
帽子は季節を問わず旧軍の夏用のような白です。
週末に「上陸」するとき、この服装で点検を受けるのですが、赤鬼青鬼と呼ばれる監事付きという指導係がほとんど荒さがしのように服装を点検します。
分隊(一四人程度)隊長が事前に点検しておくのですが、とんでもないところを見つけ出し(ほとんどイチャモン)たとえば
「ボタンが真サイドになっていない」
「ボタン不備!」
一人の(それも分隊長の)ボタンの歪みで、全員が点検のしなおしです。
「不備者14名、再点検者14名!」
14名全員がもう一度点検し直すことを宣言。
30分後
「ネクタイのプレス不備!」(それも分隊長の)・・・・・orz
可哀そうに、この分隊は2回の上陸止めその他で2時間も休憩が短くなってしまいました。
「連帯責任」で、分隊一四人全員が外出延期です。
江田島の幹部学校に入校したその日に生徒たちは言葉は丁寧にですが、散髪屋に行かされ、いやがおうにも「それらしい髪型」(クルーカット)にされてしまいます。
いまでも、海軍さんのモットーは「一にスマート二にスマート、三、四が無くて・・」
なのだそう。
しかし、そのスマートな制服を着たまま立てなくなるほど腕立て伏せをさせられるのもまた海軍。
土の上に黒い制服のままへたり込み、滴り落ちる汗をぬぐう元気も残っていない候補生たち。
この士官候補生全員、この後制服をクリーニングしたのだろうか?
と余計な心配をしてしまったエリス中尉です。
制服って「誇り」を形にしたものですからね。
埃だらけじゃまずかろう。
(それにしても、自衛官の制服の縫製をよりによって中国に発注すると言った馬鹿大臣のレン4、誰かなんとか言ってやってくれませんかね?
なんとかして自衛隊の士気を下げようと、官房長官以下必死の民主党ですが、これはそういう精神的な悪影響だけでなく、セキュリティ上にも大きな問題が生ずると思うんですが、こういうことの思いが至らないってのも、所詮中国人だからかしら?)
おまけに、「一にスマート」の海自では艦船に乗艦するとき、今日画像の半袖の制服で寒空でもデッキでは「平気な顔をして我慢していなくてはいけない」そうなのです。
まさに「伊達の薄着」です。
海軍伝統の「スマート」とは、「一に我慢、二に我慢」の賜物であるのかもしれません。
でも、このドキュメンタリー、途中で候補生の皆さんが上陸し下宿やお店でビールを一杯、ってやっている様子も映されるのですが、制服姿とジャージやださださのシャツ姿の落差に
がっくり・・・・・・ orz
とはいえこちらが「素の姿」。
あの凛々しい士官が実はこういう(ごにょごにょ)だったのね。
それにしても、制服の魔力ってすごいなあ・・・・。
という驚きもあって、このDVD、意外なところで楽しめました。
でもあれですね。
若い娘さんが制服姿に憧れて私服でデートしたら幻滅、ってことあるかも・・・。
いやいやいや、そのきりりとしたまなざしと身のこなし、はっきりとした歯切れのいい喋り方は隠しようもなく「海軍軍人」。
どんなイモジャーに身をやつしていても、見る人が見ればわかります!