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2013観閲式~車両部隊行進と観閲官退場

2013-11-15 | 自衛隊

昨日、この車両行進のときに鳴っていた「祝典ギャロップ」を検索したときに、
陸自の式典曲を集めたページが見つかったのですが、そこに

鬼軍曹は今日も往く

という、思わず嬉しくなってしまうようなタイトルの曲を見つけました。
ハートマン軍曹のテーマソングか?と思ったら、日本人の作曲でした。
曲調も少しアメリカの軍歌っぽいんですけどね。

さて、情報科部隊に引き続き、戦闘部隊です。
冒頭写真は

西部方面普通科連隊。
ついでに西部方面隊歌をどうぞ。 

こういうのを聴くと、昔の軍歌そのままで、いわゆる「軍歌調」というのは、
まだまだ日本人のDNAに刻み込まれて健在であると思ってしまいますね。

我が国を北部(北海道)東北、東部(関東甲信越)、中部、西部の
5つの地域に分けたとき、西部は九州地方の防衛の要所となります。



この西部方面隊だけがゴムボートを積んだ装備を展示していました。



空自ペトリオット部隊

デジタル迷彩の色が少し陸自のよりブルーがかっています。
マフラーも空自らしい奇麗なスカイブルーです。

近くに座っていた人が、

「ペトリオット?パトリオットだよね」

と笑っていたのですが、これは英語読みに忠実なんですね。
ネイティブの発音をそのまま書くと

「ペイツリオッ」

になります。 
パトリオットミサイル、という言い方は日本のメディア等が慣例的に始めたもので、
元々米国製のpatoriotミサイルを運用する部隊なのですから、
原語とかけ離れないように空自がこう決めたのも当然のことなのです。 

「パトリオット」はいわばネイティブに通じない「日本語英語」なんですね。
theme「シーム」(シは舌を上前歯に当てる)が日本では「テーマ」になるようなものです。

もっとも、なんでも省略する日本人にかかっては「ペイトリオット」が「長いのでペトリオット」
さらに、内部では「ペトリ」になってしまっているようです。



弾道ミサイルを撃墜する能力を有する迎撃ミサイル、
PAC3を有するのもこのペトリオット部隊です。
それにしても、迎撃ミサイルを運用するのが、陸自ではなくなぜ空自なのか、
ふと気になったのですが、これ、なぜなんでしょうね。
やっぱりミサイルを識別するのが航空レーダーだから?
そもそもこの部隊、空自なのに陸自基地にあるんですよね。

PAC3のデータのソフトウェアは、あたかもアップル製品のように日々更新されており、
ミサイルの種類(”ミサイル”も英語では”ミッスル”よね)が巡航ミサイルか対レーダーか、
UAV(無人飛行機)かを識別することが出来ます。




これもペトリオット部隊の装備ですが何か分からず。



高射特科部隊。
対空戦闘部隊として侵攻する航空機を要撃し、対空情報活動を行う部隊。
職種標識色は「濃黄」。
指揮官飯田二等陸佐。
指揮官の階級は部隊によって一佐から三佐まで違いがあるみたいです。 

昔の陸軍砲科は、現在 野戦特科とこの高射特科に大別され、前者は
火力戦闘部隊として大量の火力を集中して地域制圧を行います。



93式近距離地対空誘導弾。近SAMといいます。
略称はSAM-3、愛称はクローズドアローという、やっぱりそこはかとなく
中二的なかっこいい系の名前がつけられているわけですが、
隊員にはきっと「きんさん」って呼ばれてるんだろうな。

ちなみにこの車体はトヨタで、システムの生産は東芝がやっております。

射撃姿勢は、目標物に対して車を横向きに停め、
発射装置をぐいっと90度動かして目標空域を向けます。
隊長はヘルメットについた目視照準具で目標を決め、
助手が助手席に在るジョイスティックで方向を定め、
テレビカメラや赤外線センサーで目標を確認したらレーザーで照準。
あとはジョイスティックの発射ボタンを押して「ファイアー!」



87式自走高射砲(の後ろ姿)。
接近する敵航空機を射撃します。

高射特科部隊は、その他中距離地対空有用弾中隊、150ミリ榴弾砲FH−70中隊、地対空ミサイル中隊などが行進。



野戦特科部隊。



155ミリ榴弾砲FH70(を引っ張るトラック)。
手前に例のイケメン自衛官がさり気なく入っているのだった。

というか、この隊員の立っている場所のせいで、どうしても入り込んでしまうんですよ。



地対空ミサイル中隊。
88式地対艦誘導弾が群れをなして・・・・!

地対空、ではありません。地対艦、です。
おそるべきことに「シーバスター」なんて愛称だそうです。

日本は周囲を海に囲まれているので、艦船に対する侵攻に備える必要があり、
1970年代から対艦ミサイルの開発が行われてきました。
航空自衛隊が先駆けて80式空対艦誘導弾を配備していましたが、
これを基にして陸自が運用する対艦ミサイルとして開発されたのがこれです。



中隊の指揮官の紹介はありませんでした。



155ミリ自走榴弾砲中隊。





戦車部隊。
さすがにトリを務めるだけあって、車両部隊の花形と言った感じです。
轟音を響かせながら隊列を組んで疾走してくる戦車を見て、
興奮を感じない人間が果たしているでしょうか。(アオリ風)

これは74式戦車。





90式戦車(の上部分)。

これを持ちまして、観閲行進は全部隊を終了いたしました。
続いて国旗降納です。



観閲台の上の安倍首相、小野寺防衛省、そして防大校長。



国旗に対し敬礼する各駐在武官。
ところで写真に撮れなかったのですが、海自の行進が前を通り過ぎたとき、
駐在武官の何人かが自衛艦旗に対して立ち上がって敬礼していました。

外交プロトコルから、世界の海軍儀礼はほとんど共通の形を取るからです。
船で外国を訪れるというその特性上、海軍というのは昔から外交において一端を担ってきました。
そして、定められた共通の礼式にしたがって、各国海軍軍人は忠実にそれを行使しますから、
軍旗である海上自衛隊旗は、世界の軍人に取って国旗と同じく敬礼の対象となるのです。

 

そして、閉式です。
特別儀仗隊が入場して栄誉礼が行われたのち、観閲官は退場。
この間、観客はそのまま席についているように求められます。

安倍首相は外国武官の前を通り過ぎたのですが、何人かは敬礼を送りました。
そのうち一人に首相は一瞬立ち止まって特別の挨拶を送ったように見えたのですが、
気のせいかな。



その外国武官が退場のためバスに乗り込みます。
なぜか客席の女性?をガン見している(らしい)インドネシアっぽい軍人さん。



海自の自衛官と名刺交換してます。



駐在武官の奥様のファッションも見所。
ゼブラ柄のコートにハットが気合い入ってます。
我が自衛隊の駐在武官夫人ならダークな色一色になってしまうかも・・。
少なくとも真っ赤なドレスはないだろうなあ。
髪が明るい色なので、奇麗な色でも派手にならないんですね。



一番後ろは、もしかしておフランス軍かしら。
奥様が超ファッショナブルなんですけど。
ここぞとお洒落して来た様子ですね。

というわけで、観閲式は無事終了。
一週間前の波乱を感じさせる雨が信じられないくらいの晴天でした。

ちなみにこの観閲式、観閲官は総理大臣、
主催者は防衛大臣なんですよ。


さて、観閲式、このあと観客に向けた音楽演奏などが行われました。

(続く)