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バーキン片手に靖國神社

スタンフォードのITキャンプ

2012-08-26 | アメリカ

例年サンフランシスコに滞在して、一カ息子を現地サマーキャンプに参加させてきたのですが、
今年は、ここ何年か利用してきた「レゴ・マインドストーム・キャンプ」がなぜか縮小になり、
上手く一カ月が埋まりませんでした。

いつもは三週間レゴキャンプ、一週間だけ科学博物館「エクスプロラトリウム」のサイエンスキャンプ、
という感じで割り振ってきたのですが、今年は思い切って別のキャンプを探すことに。

そして見つけたのが、スタンフォード大学の構内で行われているITキャンプ。
何もかも初めてのところではありますが、内容も充実しています。
因みに息子の選択したコースは

一週目・・・・・Programming in Java
二週目・・・・・FPS Game Design-Unreal development Kit
三週目・・・・・Autodesk Maya 3D-Modeling & Animation
四週目・・・・・3D Game Moddeling -Portal 2 & Half-life


何のことやらわたしにはさっぱりわかりませんが、息子とTOが一緒に決めたもので、
ボストンにいるときから息子は「早く始まらないかなあ」と首を長くして待っていました。

スタンフォード構内は広大なので、どこでキャンプが行われるか、どこでドロップオフ(車で落とす)
かについては前の週にメールが来ていたのですが、前日に現地に行って確かめておきました。



車が停められるところがサイン・アップ会場です。
左のデスクで名前を確認し、右にいって自分の名前の書かれたIDカードを受け取ります。
到着したキャンパーが数人たまるたびにカウンセラー(指導係)が、教室に連れていきます。



ネームの他に付いている小さいタグは、スタンフォード大学の学食での食事用。
ランチ代金は申し込んであるので、カフェテリアでこれを「ぴっ」とすれば好きなだけ食べられます。
初日、帰ってきて「ランチ、すごくおいしかった!」と感激していました。
うーん、さすがはスタンフォード。
カルテックと並ぶ西海岸の雄。って、なにが?

 フーバータワー。

ハーバードとはまた違う色合いですが、キャンパスには名門校の風格があります。



この向こうはカフェテリアですが、パンダエクスプレス、スターバックス、サブウェイなど、
おなじみのチェーン店が入っています。
学生より、もしかしたら外部からの人間の方が多いのではないかという賑わいです。


キャンプは4時ごろ終了し、4時半から5時の間にピックアップが始まります。
車でパーキングの入り口に行くと、名簿を持ったカウンセラーが名前を確認。
このとき、迎えに行く者は、あらかじめ決めておいたパスワードを言わなくてはいけません。

お迎えを待つキャンパーたち。

ボストンのキャンプでは、前もって学校から配られた紙にキャンパーの名前を書き、
それを車のダッシュボードに置いたまま進むと、カウンセラーが外から名前を読んで、
インカムかあるいは大声で該当者を呼び出してくれると言うシステム。

いずれも「誘拐」ということが起こる可能性についての対策であるわけです。
迎えに来たものが車から降りることは厳に禁じられていますが、
時々車から降りて勝手に迎えに行く親がいるんですよねー。

さて、キャンプは月曜日に始まって金曜日に終わりますが、金曜日は
「Showcase」という発表会が行われます。
と言っても、いつも4時に終わるキャンプが1時に終わり、保護者が迎えに行くついでに、
その週彼らがどんなことをしたのか、本人の説明を聞いて、ディプロマを授与され、終了。

 

車を誘導されて停めたら、受付に行きます。



受付でこのようなタグと色のついた紙をもらいます。
タグは車のダッシュボードに置く駐車許可票。
オレンジの紙は、キャンパーがどこで発表会を行うかの道案内になります。

 

このように道端にいろんな色の旗が立っているので、自分の持っているカードの色の旗を
辿っていくと、息子の発表教室に行けるという仕組み。



キャンパスを歩いていくわけですから、そこには大学ならでの光景も。



担当教授につかまって熱弁を聞かされている学生A。
いかにも「早く終わらないかなあ」みたいな空気が見ているこちらにも伝わってくるのですが、



教授は身ぶり手ぶりも熱心に、学生に語り続けます。
「ああ、こんな先生、いたなあ・・・・」
ふと教授の一方的な独演に相槌を打つのが大変だった学生時代を思い出しました。



さて、そんなキャンパスを抜けていくと、キャンパーとカウンセラーが集合しています。



これは、セッション最後の日のセレモニー。
この人がこのキャンプのディレクターです。
話の間はみな適当な態度で聴いています。



寝ている人もあり。
日本と違ってここではお行儀の悪いのは普通です。
いろいろと無意味に健闘をたたえたあと、セレモニーの一環として、

 

恒例の「下剋上タイム」があります。
アメリカ人はこういうのが好きで、TOのいた東部の大学でも、ビンゴ大会の賞品の一つが
「教授の顔にパイを投げる権利」
というのがあり、人気だったという話を聞いて驚いたことがあります。



この日はキャンパーが、なんだかんだと理由をつけてカウンセラーに「仕返し」する日。
やはりこのキャンプもビンゴ大会の賞品としてこういうことができるそうです。
上のように「ムース塗りたくり」の刑もあれば



お約束、頭からバケツの水ぶっかけの刑も。

それから教室に入り、キャンパーの発表を聞きます。



うちのようにわたしだけが見学者というのもあれば、ここのように、
おばあちゃん、お父さん、お母さん、弟、妹総出で見学する家族もあり。
なんか全然分かっていなさそうなのにいちばん熱心そうなおばあちゃんがかわいい・・・。



息子のプログラミングしたものを見学。
あまりちゃんと説明してくれないので、何がどうなっているのかさっぱり分からず。
まあこういうゲームであることだけはわかりました。

 

それが終わると、ディプロマ授与式。
その週のカウンセラーの周りに皆で外に出て集まり、一人一人賞状授与。
賞状にはカウンセラーの一人一人に対する評価と激励が数行くらい書かれています。

「今週のクラスで君は素晴らしい成果を出したね!
君の作ったランドスケープをちょっと見ただけで、僕にはすぐさま君が植林や地形の製作に
大変な時間と労力をかけたことがわかったよ。
だって、その効果はすごかった。息をのむような世界を作り上げることができたんだからね!
これからもこの調子でやれば、君はUDKエディターとして素晴らしいレベルをキープできるよ!
じゃ、よい夏を! アレックス」

こんな感じです。

そして解散となるのですが、画像をご覧のように、夏の昼間、スタンフォードは暑い。

 何となくサービス画像。
暑いので噴水に入っちゃった人。

そこでみんな、構内のジュース専門店「ジャンバ・ジュース」につい立ち寄ります。



キャンプの黒いTシャツは、毎週金曜日にもらえます。
つまり同じシャツが4枚たまってしまう予定。
同じキャンプの人がなだれ込むようにジュース屋さんに並び、遂に外にまで列が。
中は勿論芋の子洗う状態で大混雑です。



スイカのジュースがとても美味しかった!



なんと、ジャズのキャンプもあります。
先週は一週間だけ、スズキ・メソッドのキャンプもあったようで、
そこここに小さなチェロやバイオリンを抱えた子供や、先生らしき人を見かけました。

アメリカのキャンプはそれ自体が「商売」なので、いろんな業者がいろんな専門を打ち立て、
いろんなところで開催しています。
だいたい単位は一週間(5日間)なので、旅行ついでに参加することも可能。

英語が少ししゃべれる子供なら、野球やバスケットボール、音楽のキャンプも。
お子さんの得意な分野で現地のキャンプに参加させるというのも、いいかもしれません。

因みに、息子によると週一回、必ずキャンプでは地震の避難訓練をするそうです。
カウンセラーがいきなりジャンプしたり暴れまわったりして
「じしんだー!」
と叫ぶと、地震が来た、ということなので、皆避難経路を退出するのですが、
息子によるとノリノリのカウンセラーとは対照的に、キャンパーたちは
「皆、あー、はいはい、めんどくせーなって感じ」なのだそうです。

ITキャンプに来るようなお子たちは皆こんななんでしょうか・・・・。