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84. 割れる (アル・インシカーク) 【2】

2008年01月20日 | ジュズ・アンマ解説
 喜ばしい描写の後に、悪行を行ったことによりアッラーの罰が相応しくなった人たちの様子が出てきます:
 「だが背後に書冊を渡される者に就いては、直に死を求めて叫ぶのだが,燃える炎で焼かれよう。

 人々よ、あなた方のうちで行いの書簡を背後で左手に渡される(軽蔑・屈辱の念が入る)者は、「直に死を求めて叫ぶのだ」つまり、破滅を求めることで助けを求めるだろう、ということです。「燃える炎で焼かれよう」つまり、火の中に入れられ、そこでの熱さと罰は厳しいということです。

 続いてクルアーンは、この不幸者の現世の生活を最悪な結末につなげた本当の原因を解明しながら振り返ります:「本当に彼は,自分の人々の中で歓楽していた。彼は,本当に(主の許に)帰ることなどないであろうと思っていた。いや,主はいつも彼を見通しておられる。

 彼は現世を楽しんでいました。家族の間で幸せで、自分の犯す罪や忘恩に満足していました。「彼は,本当に(主の許に)帰ることなどないであろうと思っていた」つまり彼は主の許に戻ることはなく、死後に清算のために蘇らされることもないと確信していたということです。そのため自分が犯した罪に留意することはありませんでしたが、それは特に報酬を望むことも罰を畏れることも無かったからです。「いや」つまり、事態は彼が思い込んでいるようなものではない、という意味です。彼はいつか主の許に戻るのです。「主はいつもかれを見通しておられる」アッラーは彼が行うどんな罪もすべてご存知である、ということです。

 続いてクルアーンは、訓戒のために、アッラーの力の偉大さについての話題に移行します: 「わたしは,落日の夕映えによって誓う。夜と,それに帰り集うものにおいて,また満ちたる月にかけて(誓う)。あなたがたは,必ず一層から他層に登るであろう。」  

 これらの事柄で誓いを立てる目的は、地球における創造主とその力の偉大さの解明です。

 落日の夕映えとは、太陽が沈むときに地平線上に現れる赤いものです。一日の終わりを感じさせるこの赤色、そして夜の到来は、私たちを驚くべき自然のしるしについて考察することに誘います。そしてその裏に、これらを創造した神のお力があります。

 地球やさまざまな星が泳ぐ宇宙は、暗く創られています。「夜と,それに帰り集うものにおいて」アッラーは夜と夜の暗闇に集まった星や、休息をとるその他の創造物において誓います。そのためアッラーは凡ての創造物において誓っているようです。そしてアッラーは月において誓います:「また満ちたる月にかけて(誓う)」つまり月が満ちた状態にあることを意味します。この情景は心に安らぎを与え、至高なる創造主の偉大さを感じさせます。
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