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78章解説【2】

2012年04月05日 | ジュズ・アンマ解説

بسم الله الرحمن الرحيم
17.まことに決定(最後の審判)の日は定刻であった。
18.角笛が吹かれる日、おまえたちは群れを成してやって来る。
19.また、天は開かれ、数々の扉となった。
20.また、山々は動かされ、蜃気楼(のように)なった。
21.まことに、火獄は待ち伏せしていた。
22.無法者たちのために(待ち伏せる)、帰り処であった。
23.彼らはそこに長々と留まって。
24.そこでかれらは涼しさを味わうことはなく、また飲み物を(味わうこともない)、
25.ただ、煮え湯と膿汁ばかりを(味わう)。
26.相応の報いを(報われる)。
27.まことに彼らは清算を期待(想定)していなかった。
28.そして、われらの諸々の印・節を嘘として激しく否定した。
29.だが、ことごとくを、われらは書に数え留めた。
30.それゆえ、おまえたちは味わえ。われらはおまえたちには懲罰よりほかに増し加えはしない。

 クルアーンはいくつかのアッラーの御力の現象を数え上げた後、最後の審判に起きる現象の描写に移ります:「まことに決定(最後の審判)の日は定刻であった。」決定の日とは、審判の日を指します。その日は定められた期限に起こるものとされており、決定の日と名付けられたのは、アッラーがその日にある決定を下し給うためで、善行を行った従順であった者たちは報奨を得、悪行を行った罪人達はその行為のために罰を受けるということです。

 そして最後の審判の日は、次の出来事で始まります:「角笛が吹かれる日、おまえたちは群れを成してやって来る。」角笛はその名の通り、角の形をしています。そこに息が吹き込まれることは魂たちが体に戻る原因となります。以上が第二の吹き込みと言われるものです。その時、集団となって清算、報いを受けるために人々が現われます。この第二の吹き込みの前の第一の吹き込みの直後に天地にいるすべての生き物が死にます。これについてはアッラーが次の御言葉で説明し給うています:

 「そして、角笛が吹かれ、諸天にいる者も地にいる者も、アッラーが御望みの者を除いて気絶した。それからもう一吹き吹かれると、すると途端に、彼らは立って眺める。」(39章68節)

 続いてクルアーンは審判の様子の描写を続けます:「また、天は開かれ、数々の扉となった。」つまり、天はあちこちから裂けて、その裂け目はまるで壁にあるドアのようです。ドアが私たちの慣れ親しんだ形から来世では替ってしまうことがクルアーンの中で説明されています。「大地が大地でないものに替えられ、そして諸天も諸天でないものに替えられ、彼らが唯一なる支配者アッラーの許にまかり出る日。」(14章48節)

 続いてアッラーは仰せになります:「また、山々は動かされ、蜃気楼(のように)なった。」山々が引き抜かれ、バラバラにされ、風に振り散らばる姿は、見ている者にまるでそれが何もないように思わせます。そのため、遠くから見ると水ではないのに水に見える蜃気楼というのです。

 続いて、アッラーは罪人たちのかの日における帰り処を解明し給います:
 「まことに、火獄は待ち伏せしていた。」火獄とは、来世における罰の家であり、無法者たちが渡るべき道です。ここでのミルサードは見張りと準備という意味があります。火獄は彼らがそこに入るのを見張っている、またはそこは彼らのために準備された場所、ととれます。「無法者たちのために(待ち伏せる)、帰り処であった。」罪人たち、不信仰者たちのための家であり、帰り処であるという意味です。「彼らはそこに長々と留まって。」『アハカーブ』は、『ハクブ』という時の期間を意味する単語の複数形で、長い間、と理解できます。つまり彼らは火獄の罰の中に終わりなく留まり続けるということです。「そこでかれらは涼しさを味わうことはなく、また飲み物を(味わうこともない)、」つまり、その場所では彼らの身体の表面を冷やすものを味わうことがなく、喉の渇きを軽減する飲み物もないということです。「ただ、煮え湯と膿汁ばかりを(味わう)。」非常に温度の高い水と、地獄の民の身体から流れる膿だけ。「相応の報いを(報われる)。」つまり、この罰は彼らの悪行に相応している報いだということです。「まことに彼らは清算を期待(想定)していなかった。」本当に彼らは、自分たちがアッラーによって行為の清算を受けると思っていなかったという意味です。「そして、われらの諸々の印・節を嘘として激しく否定した。」またクルアーンの諸印は嘘であると度を超すほど否定した。「だが、ことごとくを、われらは書に数え留めた。」彼らに報いるために、彼らの全ての行いをアッラーは書き記すことで数え上げ給うた。続いて、屈辱と非難をもって悪行者たちが地獄で苦しめられることが彼らに伝えられます:「それゆえ、おまえたちは味わえ。われらはおまえたちには懲罰よりほかに増し加えはしない。」罪人達よ、主の罰を味わえ、彼からは罰の追加しかおまえたちにはない、という意味です。彼らの罰の追加とは、彼らの皮膚が焼かれる度にアッラーが違う皮膚に替え給うというものです。

(参考文献:ルーフ・アル=クルアーン タフスィール ジュズ アンマ/アフィーフ・アブドゥ=ル=ファッターフ・タッバーラ薯/ダール・アル=イルム リルマラーイーンP13~15)

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