クルアーンの教えを振り返ってみると、このような状況では忍耐しなさいとアッラーは私たちに教えてくださっています。悪い人には悪い態度で接しなさいとは仰せではありません。【あなたがたはアッラーと使徒に従いなさい。そして論争して意気をくじかれ,力を失なってはならない。耐えなさい。アッラーは耐え忍ぶ者と共におられる。】(8/46)と仰せですが、聖句の最後部分の「耐えなさい」が私たちが求めている結果です。
聖月の最中にいる私たちは、アッラーに近づくための行為や罪の放棄、また崇拝行為によるメリットを得る努力といった自分たちの義務を知るべきです。私達自身と私たちの社会に対する態度を改善するためです。この実現には多大なる崇拝行為、ズィクル(アッラーの御名前を想起、唱える)を要します。私たちが社会において力を得、悪に悪で接する必要がないようにです。
夜中に行う礼拝は強大な精神力を培(つちか)います。私たちは自衛するための体力も必要ですし、社会に対応するための精神力も必要です。そこで、夜中に行う崇拝行為は、これらの力を付けるのに大いに役立ちます。また、ズィクル、クルアーン読誦も役立ちます。アラビア語がわからないためにクルアーンを読むのが難しいという人もいるでしょうが、その場合はクルアーンをたくさん聴いてください。たくさん読めないなら、たくさん聴きましょう。毎日30分のクルアーンを聴く時間を確保しましょう。現代はクルアーンをいろいろな方法で容易に聴くことが可能です。そしてサウムを加えておすすめします。サウムは強大な自我を磨く術であり、意志を強くするのに役立ちますので、週に1~2日のサウムを習慣にするのも良いでしょう。月木のサウムはスンナです。週2日が難しければ月木のいずれかを選択しても良いです。ラマダーン以外でもサウムする習慣を作りましょう。空腹と喉の乾きによって睡眠時間が短くなります。睡眠時間が減ると魂が強くなります。
預言者様ﷺのスンナから「魂の栄養はつまり身体の欲求を退けることではない」ことを知っておかなければなりません。自我を磨き、欲に逆らうことは確かに必須ですが、私たちが現世に対して持っている必要を満たすことも忘れてはいけないのです。飲食物、結婚、子供は必要です。しかし、その必要姓を正しく導くのです。退けたり放棄したり無視はしません。聖法に合わせて必要を満たすのです。つまり、この聖月の日々に精神生活で目指すのは、その訓練であり、退けることではありません。預言者様ﷺはこのことをご自身の言動で教友たちに教えてくださりました。詳細は別の機会にお話します。