201.信仰の弱い者の動揺を見てほくそ笑む敵たち:
アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)と共にいた、マッカの民の中でも心が頑な者たちやその心にまだ信仰心が入らないでいる者たちがこの負けぶりを目の当たりにすると、彼らの一人の男が自分たちの内心で抱いている嫌悪感を露わにして、他の者も次のように言いました:あいつらは、海に辿り着くまで負け続けるだろう、ありゃ、今日で魔法は解けてしまったのか?と。
202.勝利と静けさ:
戦闘員の多さに自惚れてしまっていた信徒たちに対する、アッラーが御望み給うた調教が完了すると、彼らの信仰心が強くなるようにと、勝利の甘美さの後に惨敗の苦さを彼らに味わわせ給いました。そうすることで勝つことに騙されることも、負けることに失望することもなくなるでしょう。アッラーは敵に止めを刺し、その使徒(アッラーの祝福と平安あれ)と信徒たちに静けさをもたらし給いました。その時アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はご自分の位置に留まっておられ、恐れも憂いもなく彼の白色のラクダに乗っておられました。またムハージリーンとアンサールの数名、そして彼の親族が彼と共にいました。アル=アッバース・イブン・アブドゥ=ル=ムッタリブは自分のラクダの綱を引いていました。
多神教徒たちの軍勢がアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)に顔を合わせると、彼(アッラーの祝福と平安あれ)は土を一掴みして、敵たちの目に吹っかけました。
アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は敵たちが土であたふたしているのを確認して、言われました:アッバース!次のように叫べ!:アンサールの衆!と。アッバースがそのように叫ぶと、信徒たちは、参りましたと言いながら集まってきました。アッバースはとても大きな声の持ち主だったのです。その叫び声を聞いた男たちは逆方向を向いて進んでいたラクダから下りて、剣と楯を持ってアッラーの使徒の方へやってきました。ある程度の人数が集まると、多神教徒の敵たちに向かって行き、戦いました。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はご自分の集団の先頭に来て、人々が交戦しているのを見て、言われました:《本当の戦いは今始まったのだ》。そしてアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は石を拾ってそれを不信仰者たちの顔めがけて投げだしました。アッバースは次のように言っています:敵たちの力が弱く、彼らの負けが見えていた。
人々が激しく戦い合っていたとき、アッラーは勝利のために天使を送り給いました。戦場の谷は彼らで埋め尽くされ、ハワーズィンの負けで戦いは終わりました。これに関する聖句は以下のとおりです:「アッラーは多くの場において、おまえたちを確かに援け給うた。そして、フナインの日も、その時、おまえたちの数の多さがおまえたちを得意にさせたが、それはなにほどにもおまえたちの足しにはならず、大地は広かったにもかかわらずおまえたちに対して狭くなり、おまえたちは背を向けて退却した。(9:25)その後、アッラーは、彼の静謐(せいひつ)を彼の使徒と信仰者たちの上に下し、またおまえたちには見えない軍勢(天使)を下して信仰を拒んだ者たちを罰し給うた。そしてそれが不信仰者たちの報いである。(9:26)」(悔悟章25~26節)
203.イスラームと信徒たちに対する最後の戦:
フナインの戦によってアラブの中に点いていた火は消えました。力も武器も使い果たし、屈辱を受け、そして最終的にはイスラームに入るために心が開かれました。
204.アウタースにて:
ハワーズィンの負けが確定すると、リーダーであるマーリク・イブン・アウフを含んだある一団はターイフに逃げ隠れました。他にもアウタースに留まりました。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は教友から成るアブーアーミル・アル=アシュアリーをリーダーとした軍隊を彼らに送りました。交戦では信徒側が勝利しました。
アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)のもとに、フナインで発生した捕虜と戦利品が集められました。それらは一旦、ジャアラーナ(マッカからターイフ方面へ20km以上進んだところ)に保管されました。
捕虜の総数は6000人、ラクダは24000頭、羊は40000頭以上、4000オンスの銀。信徒たちが得てきたなかで最も多い戦利品でした。
またアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はフナインの戦の日には子ども、女性、雇われ人、雇われ奴隷を殺すことを禁じましたが、フナインである女性が殺されたことを残念がりました。
(参考文献:①「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P349~352)
アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)と共にいた、マッカの民の中でも心が頑な者たちやその心にまだ信仰心が入らないでいる者たちがこの負けぶりを目の当たりにすると、彼らの一人の男が自分たちの内心で抱いている嫌悪感を露わにして、他の者も次のように言いました:あいつらは、海に辿り着くまで負け続けるだろう、ありゃ、今日で魔法は解けてしまったのか?と。
202.勝利と静けさ:
戦闘員の多さに自惚れてしまっていた信徒たちに対する、アッラーが御望み給うた調教が完了すると、彼らの信仰心が強くなるようにと、勝利の甘美さの後に惨敗の苦さを彼らに味わわせ給いました。そうすることで勝つことに騙されることも、負けることに失望することもなくなるでしょう。アッラーは敵に止めを刺し、その使徒(アッラーの祝福と平安あれ)と信徒たちに静けさをもたらし給いました。その時アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はご自分の位置に留まっておられ、恐れも憂いもなく彼の白色のラクダに乗っておられました。またムハージリーンとアンサールの数名、そして彼の親族が彼と共にいました。アル=アッバース・イブン・アブドゥ=ル=ムッタリブは自分のラクダの綱を引いていました。
多神教徒たちの軍勢がアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)に顔を合わせると、彼(アッラーの祝福と平安あれ)は土を一掴みして、敵たちの目に吹っかけました。
アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は敵たちが土であたふたしているのを確認して、言われました:アッバース!次のように叫べ!:アンサールの衆!と。アッバースがそのように叫ぶと、信徒たちは、参りましたと言いながら集まってきました。アッバースはとても大きな声の持ち主だったのです。その叫び声を聞いた男たちは逆方向を向いて進んでいたラクダから下りて、剣と楯を持ってアッラーの使徒の方へやってきました。ある程度の人数が集まると、多神教徒の敵たちに向かって行き、戦いました。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はご自分の集団の先頭に来て、人々が交戦しているのを見て、言われました:《本当の戦いは今始まったのだ》。そしてアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は石を拾ってそれを不信仰者たちの顔めがけて投げだしました。アッバースは次のように言っています:敵たちの力が弱く、彼らの負けが見えていた。
人々が激しく戦い合っていたとき、アッラーは勝利のために天使を送り給いました。戦場の谷は彼らで埋め尽くされ、ハワーズィンの負けで戦いは終わりました。これに関する聖句は以下のとおりです:「アッラーは多くの場において、おまえたちを確かに援け給うた。そして、フナインの日も、その時、おまえたちの数の多さがおまえたちを得意にさせたが、それはなにほどにもおまえたちの足しにはならず、大地は広かったにもかかわらずおまえたちに対して狭くなり、おまえたちは背を向けて退却した。(9:25)その後、アッラーは、彼の静謐(せいひつ)を彼の使徒と信仰者たちの上に下し、またおまえたちには見えない軍勢(天使)を下して信仰を拒んだ者たちを罰し給うた。そしてそれが不信仰者たちの報いである。(9:26)」(悔悟章25~26節)
203.イスラームと信徒たちに対する最後の戦:
フナインの戦によってアラブの中に点いていた火は消えました。力も武器も使い果たし、屈辱を受け、そして最終的にはイスラームに入るために心が開かれました。
204.アウタースにて:
ハワーズィンの負けが確定すると、リーダーであるマーリク・イブン・アウフを含んだある一団はターイフに逃げ隠れました。他にもアウタースに留まりました。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は教友から成るアブーアーミル・アル=アシュアリーをリーダーとした軍隊を彼らに送りました。交戦では信徒側が勝利しました。
アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)のもとに、フナインで発生した捕虜と戦利品が集められました。それらは一旦、ジャアラーナ(マッカからターイフ方面へ20km以上進んだところ)に保管されました。
捕虜の総数は6000人、ラクダは24000頭、羊は40000頭以上、4000オンスの銀。信徒たちが得てきたなかで最も多い戦利品でした。
またアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はフナインの戦の日には子ども、女性、雇われ人、雇われ奴隷を殺すことを禁じましたが、フナインである女性が殺されたことを残念がりました。
(参考文献:①「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P349~352)