イスラーム勉強会ブログ

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ムアイクリー師のお話の意訳

2008年08月24日 | その他
アッサラームアライクム ワ ラフマトゥッラー

先月の岐阜マスジド訪問後、愛知県内のある礼拝堂を訪れたムアイクリー師がマグリブの礼拝の前と後にお話をされました。
録音されたお話をシスターから頂き、日本語に意訳しました。

日本ムスリムコミュニティー全体へのアドバイスとも取れる内容ですので、ぜひお読みください。

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(マグリブ前)
ビスミッラーヒッラフマーニッラヒーミ

 アッラーはご自身の使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)をお遣いになり、使徒はマッカに教えを広めるためマッカに滞在しました。しかし、マッカの民は彼を拒否したので、預言者(平安と祝福がありますように)は人々の前で宗教儀礼を堂々と行うことが出来ませんでした。そのためアッラーは彼にマディーナに遷都するよう命じました。

 預言者(平安と祝福がありますように)がマディーナに入って最初に行ったことは、マスジド建立です。それはマスジド・コバーです。彼(アッラーの祝福と平安がありますように)はサハーバたちと共にマスジドを建てました。石を彼ご自身の肩の上に載せて、運ばれました。こうして彼らは協力しあって石を運び、マスジド・コバーを建立しました。

 預言者(平安と祝福がありますように)は、サハーバたちの間を兄弟のようにしました。彼(アッラーの祝福と平安がありますように)は、ムハージリーンの男一人一人に、アンサールの男を配置し、その間柄を兄弟のようであるとしましたが、それは彼らの間に社会的相互関係を築くためでした。

 かつてアンサールの男は、ムハージリーンの男にこう言ったことがあります:「私は自分の財産を半分に分け、その半分はあなたのもの、残りの半分は私のものとしよう。これは私の二人の妻だが、あなたは二人のうち好む方を選びなさい。私は彼女を離縁し、あなたは彼女と結婚するがいい。」

 アッラーはアンサールを誉めて、このように言われました:「そして以前から(アル・マディーナに)家を持っていて、信仰を受け入れた者たちは、(移住して)かれらのもとに来た者を愛護し、またかれら(移住者〔ムハージル〕)に与えられた(戦利品)に対しても心の中で欲しがることもなく、自分(援助者〔アンサール〕)自身に先んじて(かれらに)与える。仮令自分は窮乏していても。また、自分の貪欲をよく押えた者たち。これらの者こそ至福を成就する者である。」(59-9)

 預言者(平安と祝福がありますように)はサハーバたちが協力しあうために、彼ら同士を仲良くさせようとしました。預言者(平安と祝福がありますように)はある日サハーバたちとマスジドに座っていました。そこに、教えてについて無知の田舎者が入ってきて、皆にサラームの挨拶をし、イスラームの基本を学ぶと、立ち上がって、マスジドの端の方に行って、用を足しました。この男が用を足すために腰を下ろすと、サハーバたちが立ち上がりました。ある者は罵声を浴びせ、ある者はケンカしようとしたり、ある者は石を投げつけました。しかし預言者(平安と祝福がありますように)は愛情と兄弟愛と慈悲を彼らの間に植えつけるため、言われました:「彼を放っておきなさい。」 男が用を足し終わると預言者(平安と祝福がありますように)は周りの者に「尿のある場所に水をかけなさい」と命じました。

 このお話は、預言者(平安と祝福がありますように)がサハーバたちに、お互いに慈悲、親愛、静けさを持って付き合い、そして問題を解決する方法を教えていたことを明解にしています。

 他の男の話:ある男(サハービー)が少し前に改宗しました。彼は預言者(平安と祝福がありますように)にサラームの挨拶をしました。合同礼拝場にいた一人の男がくしゃみをしたので、礼拝中にも関わらずこの男は「ヤルハムカッラー(あなたにアッラーのお慈悲あれ)」とくしゃみした人に言いました。礼拝中のサハーバたちは男を見つめ、「この男は礼拝中になぜ話をするのだろう」と思っていました。男は「なぜ皆私を見つめるのか?一体私が何かしたとでもいうのか?」と言いました。何人かのサハーバは手を叩いて、「話さないように」と合図して注意しました。男は、「皆が私を黙らせようとするので私は黙った。礼拝が終わると、預言者(平安と祝福がありますように)が私を呼びこう言われた。「実に礼拝中に話をしてはいけない。それは、タスビーフ(アッラーを讃える)であり、タクビール(アッラーフアクバルということ)であり、クルアーンを読むことだから。」」この男は続けて言いました。「アッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)よりも優れた教師を私は見たことがない。アッラーにかけて、彼は私は否定せず、罵声を浴びせることも、叩くこともなく、ただ私に↑の一言を言われた。」

 マスジド内で用を足した男も同じで、預言者(平安と祝福がありますように)は彼を呼びとめ言われました。「なぜここで、私たちのマスジドでこのようなことをするのか?」男は答えました。「用を足したかったからです。」預言者(平安と祝福がありますように)は言われました。「このマスジドはアッラーのものなので、けがれてはいけないのだよ。」そして男は両手を挙げて「アッラーよ、私とムハンマドだけに慈悲を垂れ、他の者(サハーバ)には慈悲を垂れないでください」と言いました。なぜでしょう。なぜならこの男は、預言者(平安と祝福がありますように)に慈悲、優しさ、崇高な行儀を見出したからです。預言者(平安と祝福がありますように)はこのようにして教友たちにどうやって人々に対して優しく、慈悲深く、静かに、そしてマナーよく付き合えばいいのかを教えていたのです。



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(マグリブ後)
ビスミッラーヒッラフマーニッラヒーミ

 マグリブのお祈り前にしたお話の続きをしましょう。預言者(平安と祝福がありますように)は尊いサハーバたちを教育し、彼らはクルアーンに述べられたように、”人々のために出現させられた最もよい共同体”となりました。彼らはアッラーが仰せられたように、”われはあなたがたを中庸の(道をゆく)共同体とした”でもありました。彼らは本当の意味での中庸を生活の中で実現させました。

 その一つに、預言者(平安と祝福がありますように)がある日、マスジドに座っていると、信仰告白を済ませた人たちが入ってきたお話があります。彼らはあまりの貧しさのために破れた服を身にまとい、靴をはかず裸足の状態でした。預言者(平安と祝福がありますように)が彼らを目にすると、彼らに降りかかったことに胸を痛められました。彼は家に入り、ウドゥーを済ませ、外に出て、ビラールに礼拝のための呼びかけをするよう依頼しました。そこでサハーバたちが集まってきました。預言者(平安と祝福がありますように)は言われました。「皆、持っているディルハム、ディーナール、麦、タムルから、サダカしてもらえないか。タムル半分でもいい。」サハーバたちは立ち上がり、自分の家からそれぞれ物を持って来ました。アブーバクルは全財産を持参しました。預言者(平安と祝福がありますように)が彼に、「アブーバクル、自分の家族に何を残してきたのか」と尋ねると、「アッラーとその使徒を残してきました」と答えるのでした。ウマルは全財産の半分を持参しました。預言者(平安と祝福がありますように)が彼に、「家族に何を残したか?」と尋ねると、「財産の半分を彼らに残してきました」とウマルは答えました。アブーバクルは家族に財産の何も残してこなかったということです。それを知ったウマルは言いました。「アッラーに誓って、今日以降、あなたと競わない」と。アブーバクルはウマルだけでなく、他のサハーバを差し置いて常に善行で先を行っていました。親愛なる皆さん、預言者(平安と祝福がありますように)がサハーバたちに施しを出すよう命じたとき、彼らは皆、家から何かを持参して、それらは預言者(平安と祝福がありますように)の前に集まりました。

 アンサールの男が、食べ物の重さのために両手で持てないくらいの袋を持って来ました。それ以外のものも持参してきて、彼はそれらを預言者(平安と祝福がありますように)の前に置きました。それを目にした預言者(平安と祝福がありますように)はとても喜びました。誰かが多く施すと、それを見たほかの者も多く施そうとしました。そこで預言者(平安と祝福がありますように)は言われました。「誰でもよいこと(フダー)に呼びかける人にはそれに呼応する人が得るのと同じ報酬を得るだろうし、その報酬は少しも減らされることはない」と。

 親愛なる皆さん、あなたがたは異郷の地にいます。皆さんはお互いに協力し合い、力になり、助け合い、出来るすべてのことを行ってください。それはあなた方の間に親愛、愛情、慈悲をつくるきっかけになるでしょうから。そしてアッラーはあなた方のおかれている状況にお力添えしてくれることでしょう。誰でも有益なことに人を呼びかけて、それにムスリム兄弟が従えば、アッラーは呼びかけた人に追従した人の数だけの報酬をあげるでしょう。”アッラーがあなたを介して男一人を導くことは、フムルンニアム(価値のある駱駝)よりもあなたのためになる”これは預言者(平安と祝福がありますように)の言葉です。アッラーへ人を導くために奮闘努力し、ムスリムではない人があなたの手で導かれることです。また、祈り、施し、斎戒、他人をアッラーに導き、イスラームに入ることでもあります。かれ以外の神はないアッラーにかけて、そうなればあなたに報酬が書きとめられ、導かれた人にも報酬が書きとめられるでしょう。アッラーが私たち全員にかれが好み、満足されることにおいて成功させてくださることを祈ります。

 私が言いたいのは、サハーバたちは預言者(平安と祝福がありますように)の命令に従っていたということです。彼がサハーバたちに命じると、彼らはその英知を知っていようとそうでなくても、従っていました。いくつかの男性の話と女性の話でこの場を締めくくろうと思います。

 預言者(平安と祝福がありますように)はある日ご自分のマスジドに座っておられました。彼はマスジドにいた人たちに「座りなさい」と言いました。それは丁度礼拝が終わった後のことでした。男性群の一人がそこに現れ、マスジドの入り口から中に入りたいと思いましたが、預言者(平安と祝福がありますように)が「座りなさい」と言うのが聞こえたので、すぐにマスジドの入り口に座りこみ、前進することも行進することもありませんでした。そのことについて尋ねられた彼は言いました。「預言者(平安と祝福がありますように)が座りなさいと言われるのを目にしたので、座ったまでです。」この行動は次のアッラーのお言葉を表現したものです:「信仰する者よ、あなたがたはアッラーとその使徒を差し置いて勝手な振舞いをしてはならない。アッラーを畏れなさい。本当にアッラーは全聴にして全知であられる。」(49-1)

 アブーバクルがイフク事件(アーイシャ中傷事件)が起きたときにとった行動について。当時偽信者たちはアーイシャについて語り合いましたが、サハーバたちも偽信者たちと彼女について話をしました。アブーバクルはマスバフ(Masbah)という名のアーイシャの母方のおばの息子(いとこ)を扶養していたのですが、彼がアーイシャについて話しているのを知ったアブーバクルは怒り、「アッラーに誓って、今日以降彼に何もあげない」と言いました。そこでアッラーは次のお言葉を下しました:「あなたがたの中、恩恵を与えられ富裕で能力ある者には、その近親や、貧者とアッラーの道のため移住した者たちのために喜捨しないと、誓わせてはならない。かれらを許し大目に見てやるがいい。アッラーがあなたがたを赦されることを望まないのか。本当にアッラーは寛容にして慈悲深くあられる。」(24-22)預言者(平安と祝福がありますように)は人々を呼び、言いました。「アブーバクル、あなたについてこのアーヤが下ったぞ。」アブーバクルは泣き始めて、「いいえ、アッラーに誓って、私は主が私たち全員をお赦しになることを望みます。」と言いました。そしてアッラーは彼らを赦されたのでした。

 アッラーとアッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)の命令に際してサハーバがどのように呼応したかをご覧ください。彼らは命令を聞くと、「私たちは聞き、従います。主よお赦しを。あなたに帰りどころはあります。」と言いました。

 このような話は男性陣に限ったことではなく、女性陣も同じです。預言者(平安と祝福がありますように)がある日、礼拝を済ませた後にマスジドの門から幾人のサハーバと出たときのこと。丁度そのとき、女性陣が女性用礼拝場から出てきて、男性陣と混同状態になってしまったのを預言者(平安と祝福がありますように)は目にしました。預言者(平安と祝福がありますように)は女性陣に、「道の真ん中(を通ること)はあなたたちの権利ではないから、下がりなさい。あなたたちは道の両脇を歩きなさい。」そのため、命令を聞いた女性は壁にはりつきながら歩いていたということです。

 イフク事件(アーイシャ中傷事件)の際、預言者(平安と祝福がありますように)は妻の一人であるザイナブにアーイシャについて尋ねました。「アーイシャについてどう思う?彼女に不審なところはあったか?」彼女の返答に注目してください。彼女がどれだけアッラーの目を気にしていたかが分かるでしょう。「私は自分の聴覚と視覚を守ります。アッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)よ、私はアーイシャについて、良いこと以外何も存じ上げません。」

 このようにして、彼らは預言者(平安と祝福がありますように)の命令に努力して追従していたのです。なぜならアッラーが次のように仰せられているからです:「使徒に従う者は、まさにアッラーに従う者である。」(4-80)

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友人の選び方

2008年08月02日 | 他の解説
(8/2 ハディースにシャクルを付加しました。)

ビスミッラーヒッラフマーニッラヒーミ

今回もハディースをご紹介します。私がターヒーリー3年のときに大好きなI先生がタズキヤの授業で紹介してくださった友人の選び方を的確に説明したハディースです。このハディースは私にとって、本当にアッラーは預言者(平安と祝福がありますように)を通じて私たちに生きていくための術を示してくれたのだなあと感じ入るハディースでもあります。

عن أبي موسى الأشعري رضي الله عنه قال : قال رسول الله صلى الله عليه وسلم : مَثَلُ الْجَلِيسِ الصَّالِحِ وَالْجَلِيسِ السُّوءِ : كَحَامِلِ الْمِسْكِ ، وَنَافِخِ الْكِيرِ . فَحَامِلُ الْمِسْكِ : إمَّا أنْ يُحْذِيَكَ ، وَإمَّا أنْ تُبْتَاعَ مِنْهُ ، وَإمَّا أنْ تَجِدَ مِنْهُ رِيحًا طَيِّبَةً . وَنَافِخُ الْكِيرِ : إمَّا أنْ يَحْرِقَ ثِيَابَكَ ، وَإمَّا أنْ تَجِدَ مِنْهُ رِيحًا خَبِيثَةً متفق عليه

アブー ムーサー アル・アシュアリー(アッラーのご満悦ふぁありますように)によると、彼は言った:アッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)は言われた:《敬虔な仲間と悪い仲間を例えてみると、ミスク(麝香)を携える者と(キール…鍛冶屋が火を大きくするために使う道具)を吹く者のようである。ミスクを携える者は、あなたに香りを嗅がせてくれるか、あなたはそれを買う。または、彼から芳しい香りを見出す。キールを吹く者は、あなたの服を焦がしてしまうか、あなたは彼から悪臭を見出すかである。》(アル・ブハーリーとムスリム)

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☆敬虔な友人・仲間
 預言者(平安と祝福がありますように)は、敬虔な友人や仲間を”ミスクを携える者”と例えている。ミスクの香りは非常に良いと言われていて、また非常に高価。これを使っている者は、ミスクの香りが常時漂っているもの。良い香り(良い性格、有益な知識など)を振りまく人から悪臭(害など)が出ることはなく、いつも周りの人をいい気持ちにさせてくれるもの。一緒にいて気持ちよく、自分にも善を分けてくれる敬虔な人こそを友として選ぶべき。

☆悪い友人・仲間
 預言者(平安と祝福がありますように)は、悪い友人や仲間を”キールを吹く者”と例えている。キールとは、鍛冶屋が火を吹くために使う道具の名前であり、鍛冶屋の働き場は悪臭に満ち、そこに従事する者も悪臭に覆われている。キールを吹く鍛冶屋に近づいて得られることといえば、燃え盛る炎が服に移って焦げてしまうか、その人から悪臭を嗅がされるのみ。悪い仲間もキール吹き同様に、近づいて益を得ることもないし、逆に悪を移されるのみなので、近づかないのが一番。
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