イスラーム勉強会ブログ

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続)ムスリムの子ども教育-35-思春期の女の子の教育について~預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)の娘への愛情

2021年08月01日 | 預言者の教育方法

慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において

 

続)ムスリムの子ども教育-35-

 

ハビーブ・アリー・ジェフリー師(アッラーのご加護あれ)TV番組「私たちの人生22-3」(最初~10:00)@エジプトhttp://ourlife-alhabib.blogspot.com/2010/12/22.html 

 

基本:子どもを持つことの「目的」を明確にすること、このことによって、今後お話する多くの子育てに関する事柄が変わって来ます。すでにお子さんが大きくなっている方も、今からでも、子育ての正しいニーヤ(意思)、「アッラーのご満足を求めて、子どもを育てます。」というニーヤ(意思)をしておきましょう。

 

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思春期の女の子の教育について~預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)の娘さん達への接し方

 

預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)の娘への愛情

 

預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)は、ファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)への愛情を公言されていました。ある時、アリー様とアッバース様(彼らにアッラーのご満悦あれ)が、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)に尋ねました。

「あなたの一族の中で誰が一番好きですか?」

彼(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)はこう言われました。

《ファーティマ・ビント・ムハンマドです。》ティルミズィー伝承

 

一族の男性の間で、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)が一番好きな方を聞かれて、一番に名前を挙げたのが、男性ではなく、ファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)だったということは、とても重要です。ファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)は、この預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)の大きな愛情で満たされてお育ちになられました。この愛情深さと責任の重さは表裏一体となっています。

 

ファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)は、父親の預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)が背負ったダアワに伴う困難を一緒に引き受けていました。父親への迫害や嫌がらせに涙し、父親の受けた精神的、肉体的な傷に対して対処するのもファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)の役割でした。ファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)が12歳のとき(啓示開始から7年目)ハーシム家に対するクライシュ族のボイコット(結婚させない、物を売らない、買わない)が始まり、山のふもとへ移り住みます。ムスリム達は食べるものがなく木の葉を食べるほどとなります。市場に物を買いに行くと、ハーシム家にだけは高い値段をつけて買わせない嫌がらせが続き、3年間のボイコットの後(啓示から10年目)、お母様のハディージャ様(アッラーのご満悦あれ)がお亡くなりになられます。当時15歳だったファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)は、母亡き後、母に代わり、重要な仕事をされる父親の手伝いをなさいました。

 

ファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)は、ハディージャ様(アッラーのご満悦あれ)亡き後は、それまでにも増して、ダアワに伴う困難を一手に受けました。彼女は父である預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)のそばに身を置いて絶えず気を配り、近くにいても遠くにいても父を想い案じ、父に従って遠征に出たときは彼女自身も戦場で働きました。ウフドの活躍で知られるように負傷者の手当をひき受け、瀕死の戦士たちに水を含ませて走り回りました。

 

引用「アブドル・アズィーズ・ビン・アブー・ハーズィムは父からの伝聞として次のように伝えている

彼(父)はサハル・ビン・サアドから次のことを聞いた。それはウフドの戦いの日に受けたアッラーの使徒の負傷のことだった。彼(サハル)は次のように述べた。

アッラーの使徒の顔は傷つけられ、前歯が折られた。そして彼の兜が潰された。それからアッラーの使徒の娘ファーティマが血を洗い流した。そのときアリー・ビン・アブー・ターリブが盾に水を汲み、上から水を流した。ファーティマは水のために逆って出血がひどくなることに気付き、敷物の切れ端を取りそれを灰になるまで燃し、その灰を傷口につけた。それで預言者の出血が止まった。」

引用元:サヒーフ・ムスリムhttp://www.muslim.or.jp/hadith/smuslim-top-s.html 

 

預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)の娘への躾(しつけ)

 

また、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)は、ファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)に大きな愛情を注ぐと同時に、厳しく躾(しつけ)られていました。

 

引用「アリー様(アッラーの御満悦あれ)は言いました:ファーティマ(彼女に平安あれ)は石臼の仕事の辛さを訴えていました。アッラーの使徒様(アッラーの祝福と平安あれ)が捕虜を連れてきたという知らせが彼女に入ると、彼に召使いをもらおうと会いに行ったのですが、彼はいらっしゃいませんでした。そこでアーイシャに伝え、預言者様(アッラーの祝福と平安あれ)がいらっしゃった時にアーイシャがその話をしたところ、彼ご自身が私たちのところにいらっしゃいました。私たちはちょうど寝床についたところでした。私たちが立ち上がろうとすると、そのままでいなさい、とおっしゃいました。私は彼の足の冷たさを私の胸が感じたのです。そして彼はおっしゃいました。」

引用元:https://blog.goo.ne.jp/qurtaf/e/10e9257c48677a567d2e8a248a97adefイスラーム勉強会ブログ

 

《あなたが私に求めたものよりもさらに良いものを示そうか。あなたが寝床につく時、アッラーに讃えあれ(スブハーナッラー)と33回、アッラーに称賛あれ(アルハムドゥリッラー)と33回、アッラーは偉大なり(アッラーフアクバル)と34回唱えなさい。》ブハーリー伝承

 

もちろんイスラームでは、お手伝いがいることは、ハラームではありません。しかし、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)は、もっと良いものをファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)にお望みになられました。その結果、ファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)がこのズィクルをすると、体に活気が甦り、元気になり、また仕事に向かえるのでした。現代でも、家事で疲れている女性たちは、このズィクルを実行することで、アッラーから活力をもらえることでしょう、インシャーアッラー。

 

ある時、アリー様(アッラーのご満悦あれ)が困窮状態に陥られた時、ファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)に、父親の預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)のところに食べ物を求めて行くよう頼み、ファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)が行かれると、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)はこう言われました。

《真実をもって私を預言者として遣わされた御方にかけて、ムハンマドの家では、今日まで30日間火が焚かれていないが、数頭のヤギがもたらされました。もしあなたが望むのならば、5頭のヤギを持ち帰るよう命じよう。もしくはあなたが望むならば、ジブリールが今私に教えてくれた5つの言葉を伝えよう。》

ファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)は、「ジブリールが教えた言葉を、私に教えてください。」と言うと、彼(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)はこう言われました。

《こう唱えなさい。「(アッラー、あなた以前にはいかなるものも存在しない)最初の御方よ、(あなたの後にはいかなるものも存在しない)最後の御方よ、強固なお力をお持ちの御方よ、困窮者たちに慈悲深い御方よ、慈悲あまねく慈愛深き御方よ。※」》

 يَا أَوَّلَ الْأَوَّلِينَ ، وَيَا آخِرَ الْآخِرِينَ ، وَيَا ذَا الْقُوَّةِ الْمَتِينَ ، وَيَا رَاحِمَ الْمَسَاكِينَ ، وَيَا أَرْحَمَ الرَّاحِمِينَ 

アリー様(アッラーのご満悦あれ)のところに戻ったファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)が、何をもらってきたか聞かれると、こう言われました。

「私は、あなたのところから現世へと赴き、あなたに来世を持って来ました。」

アリー様(アッラーのご満悦あれ)は、それを聞いてお喜びになられました。

http://library.islamweb.net/hadith/display_hbook.php?bk_no=747&pid=372961&hid=810

 

困窮して食べることさえ大変な時でも、ファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)は、何の躊躇もなく、現世の物よりも来世をお選びになられました。預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)がファーティマ様(アッラーのご満悦あれ)になさった教育がここにも現れています。

 

ムスリムの子ども達の教育にアッラーによるタウフィーク(成功)がありますように。


写真:Ebrahim AmiriによるPixabayからの画像