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78章解説【1】

2012年03月20日 | ジュズ・アンマ解説

بسم الله الرحمن الرحيم
1. 何について彼ら(マッカの不信仰者たち)は尋ね合うのか。
2. 大いなる消息(復活)について。
3. それについて彼らは意見分裂する。
4. 断じて、彼らはやがて知るであろう。
5. それから、断じて、彼らはやがて知るであろう。
6. また、われらは大地を寝床に成さなかったか。
7. また、山々を杭と(成さなかったか)。
8. また、おまえたちをつがいに創り、
9. また、おまえたちの眠りを休息と成し、
10. また、夜を衣服(覆い)と成し、
11. また、昼間を生計と成した。
12. また、われらはおまえたちの上に堅固な7つ(の諸天)を打ち建て、
13. また、燃え立つ灯火(太陽)を置き、
14. また、われらは雨雲からほとばしる水を降らした。
15. それによってわれらが穀物や草を萌え出でさせるため、
16. また、生い茂る園をも(萌え出でさせるため)。

 預言者ムハンマド(平安と祝福あれ)がアッラーからのメッセージを受けて遣わされた際、『ムハンマドは何を持って来たのか?』と多神教徒たちはお互いに尋ね合い、預言者ムハンマド(平安と祝福あれ)が遣わされた目的について議論し合いました。そして人間が現世でしてきた行為が清算される審判の日の知らせを含んだ啓示についてもです。そのためアッラーはこの章を啓示し給い、「何について彼らは尋ね合うのか。」という御言葉で章を始め給いました。つまり、彼ら多神教徒たちは何について尋ね合っているのか?また彼らは復活の真実についてではなく、それが起こるかどうかについて尋ね合っていたのです。審判は起こるのか?それとも起こらないのか?と。

 アッラーから発せられたこの質問は、本当の意味での質問ではありません。なぜなら本物の質問とは、質問者が質問しているものに対して無知であることから発生するからで、それはアッラーには不可能なことです。ここの質問の目的は:事の重要性の強調です。「彼らが尋ね合っている事柄が如何に偉大であることか」といった意味になります。その根拠はクルアーンが続いて述べた次の聖句です:「大いなる消息について。」ナバウ(消息)は、有益な知らせを意味し、大いなる消息は、死後の復活を指します。「それについて彼らは意見分裂する。」つまり、復活を信じる者とそうでない者とで相違するという意味です。

 また、宗教の目的の全てが、人間が行為の清算を受けるかの日の真実に帰することに疑いの余地はありません。その日、善行は善で報われ、悪行は悪で報われます。

  続いてクルアーンは、多神教徒が復活の到来を認めないことを非難し、脅迫します:
 「断じて、彼らはやがて知るであろう。それから、断じて、彼らはやがて知るであろう。」

 カッラー:非難と叱責を意味します。つまり、彼らが主張しているように、死後に復活はない、ということではなく、やがて彼らは復活を実際に見る時に真実を知るだろう、という意味です。クルアーンは復活の到来が確実であることと、その恐ろしさの強調ために繰り返して述べています。

 続いて、聖句のそれぞれが私たちを、復活の日、人間を生きた状態に戻すことのできるアッラーの偉大な御力に向けさせてくれます:

 「また、われらは大地を寝床に成さなかったか。」アッラーは大地を人間と動物の住処と成し給いました。また大地はそこでの生活がされやすい形に創造されました。

 続いてアッラーは山々を杭と表現し給いました:「また、山々を杭と(成さなかったか)。」これは地質学が認めた重要な描写です。後ほど科学的解説で詳細を見ていきます。

 続いてアッラーは仰せになります:「また、おまえたちをつがいに創り、」つまり、雌雄に、という意味です。繁殖が行われ、人間が残り、地球が発展するためです。このことは英知溢れる、整える力に富んだアッラーの御力の存在の根拠の一つです。

 続いてアッラーは仰せになります:「また、おまえたちの眠りを休息と成し、」眠りは創造主の御力を示す諸印の一つです。これについても後ほど科学的解説で詳細を見ていきます。

 アッラーは夜を描写して仰せになります:「また、夜を衣服(覆い)と成し、」リバースはもともと人間が着たり覆われたりするものを指します。夜がその闇で人々を覆うことから衣服と呼ばれています。また衣服は暑さや寒さの害から着る人を守ってもくれるように、衣服に似せられた夜も体の疲れから眠りを介して守ってくれます。人間は眠ることで癒しを得、力を回復させます。

 またアッラーは昼間を描写して仰せになります:「また、昼間を生計と成した。」つまり、昼間を生活と糧の追求のために努力する時間とした、という意味です。人間が仕事や何らかの活動で忙しい昼間にかけて忙しくし、昼間は生活の糧をもたらすものの探求といった継続した変化は、少しの欠陥も持たない規則正しい動きを持つ地球を創造したアッラーの御力のしるしの一つです。

 続けてアッラーは仰せになります:「また、われらはおまえたちの上に堅固な7つ(の諸天)を打ち建て、」つまり、人々よ、われらはおまえたちの上に7つの天を打ち建てた、という意味です。堅固とは、時間の経過に影響されない、精密にまた強く創られていることを指します。その本当の姿について知るのはアッラーおひとりのみです。

 そしてアッラーは太陽を描写して仰せになります:「また、燃え立つ灯火(太陽)を置き、」アッラーはここで太陽を灯火に、つまり発光する灯りに喩え給いました。それは火で着火され、油やアルコールやガスで燃えることで光ります。スィラージュ(灯火)は自らが生む光を持っています。また太陽が燃焼するガスの塊であることと、内部で起こる核爆発や反応によってエネルギー得ていることを科学はすでに解明しています。つまり科学はクルアーンが述べた、太陽が燃える物体であり、エネルギーをその内部から得ているという事実を発見したということです。

 またアッラーは雲を描写し給います:「また、われらは雨雲からほとばしる水を降らした。」つまり、雲から豊かに雨を降らしたという意味です。雲がムウスィラート(しぼられるものという意味)と言われているところから、影響を与える存在よって雲が絞られて、そこから水が降ろさられていることが理解できます。風や電気の放散が雲からの降雨を手伝っている影響を与える存在です。

 続いてアッラーは少ない言葉で大地に生えるすべてのものを解明し給います:「それによってわれらが穀物や草を萌え出でさせるため、」つまり、この雨水によってアッラーが穀物や植物を生えさせるため、です。「また、生い茂る園をも(萌え出でさせるため)。」たくさんの木が植わっている園であり、その枝は豊かでその近さから絡み合っています。

(参考文献:ルーフ・アル=クルアーン タフスィール ジュズ アンマ/アフィーフ・アブドゥ=ル=ファッターフ・タッバーラ薯/ダール・アル=イルム リルマラーイーンP10~13)


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