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83. 量を減らす者 (アル・ムタッフィフィーン)【3】

2008年01月05日 | ジュズ・アンマ解説
 続けてアッラーは来世における罪人たちの行く末を説明します。
 「いや,本当にかれらは,その日,主(の御光)から締め出される。次にかれらは,地獄できっと焼かれよう。そこで,かれらに,「これが,あなたがたが嘘であると言ってきたことである。」と告げられるであろう。

 文頭に、カッラー(Kallaa)と読む強めの意味を持つ否定詞が来ます。彼らの行っている悪行に恐れを感じさせるためです。彼らは審判の日、アッラーの尊い御顔を見ることが出来ず、魂の純粋な者にしか許されないこの幸せが禁じられます。彼らとアッラーの間にある(視覚の)隔たりは取り除かれます。彼ら敬虔な人たちについてアッラーは「その日,或る者たちの顔は輝き,かれらの主を,仰ぎ見る。」(復活章22節)とおっしゃっています。

 主と彼らの間に隔たりがあること自体、彼らに対するこれ以上にない罰でしょう。そして彼らの終わりは、不幸で苦しいものです。「次にかれらは,地獄できっと焼かれよう。」彼らは火の中に入り、苦しむのだ、という意味です。そして彼らに罪を与えることを任されている天使たちに叱責を持って「これが,あなたがたが嘘であると言ってきたことである。」と言われるでしょう。つまり、この罰があなたたちが現世で嘘だとしてきたものである、という意味です。

 罪人たちの罰の次に、無罪人たちの来世の行く末をアッラーが解明します。
 「これに引き替え敬虔な者の記録は,イッリッイーンの中に(保管して)ある。イッリッイーンが何であるかを,あなたに理解させるものは何か。(そこには完全に)書かれた一つの記録(があり),(主の)側近者たちが,それを立証する。」  最後の日を嘘とする人たちが怖がらせるためと、敬虔な者とはアッラーの命令を守り全ての善い行いをする人であることを知らしめるため、強い意味をもつ否定詞カッラー(Kallaa)がここでも使われます。彼らの行いは書簡に記されています。この書簡はアッラーの許にある「イッリーイーン」の中にあります。「イッリーイーン」(高いという意味が語源)という言葉は、幸福と崇高さとレベルの高さを感じさせます。それと同時に、「スィッジーン」は狭さと暗さを感じさせます。

 「イッリッイーンが何であるかを,あなたに理解させるものは何か。」この事実は人間の感覚と知識を超越した事柄です。そしてそれは実に「書かれた一つの記録」です。つまり、審判の日における無罪者の火からの安全と天国という勝利が書かれているということです。「(主の)側近者たちが,それを立証する。」そこに書かれた行いなどをアッラーの側近である天使たちが立証し、その記録を守護します。

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