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69章解説【5】

2014年06月13日 | ジュズ・タバーラカ解説
44.そしてもし彼(預言者ムハンマド)がわれらに関しなんらかの戯言(たわごと)を捏造したなら、
45.必ずやわれらは彼を右手で捕らえ、
46.それから彼の大動脈を必ずや切ったであろう。
47.それでおまえたちの誰一人として彼を守る者はない。
48.そしてまことにそれ(クルアーン)は畏れ身を守る者への訓戒に他ならない。
49.そしてまことに、われらはおまえたちの中に(クルアーンを)嘘と否定する者がいることを確かに知っている。
50.そしてまことに、それ(クルアーン)は不信仰者たちにはまさに悲嘆(ひたん)である。
51.そしてまことに、それはまさに確信の(確実な)真実である。
52.それゆえ、大いなるおまえの主の御名を讃美せよ。

続いて、偽って預言を主張する者に対する警告がアッラーより発せられます:
「そしてもし彼(預言者ムハンマド)がわれらに関しなんらかの戯言(たわごと)を捏造したなら、必ずやわれらは彼を右手で捕らえ、それから彼の大動脈を必ずや切ったであろう。それでおまえたちの誰一人として彼を守る者はない。」

つまり、ムハンマドが戯言を言って、それらがアッラーからだとする場合、「必ずやわれらは彼を右手で捕らえ」つまり彼の右手を捕らえるということですが、彼を支配することを意味する婉曲表現です。つまり攻撃を仕掛ける右手を捕らえることが出来たらその者を押さえつけることに成功したことになるということです。またここでの「右」はアッラーの御力と能力を指しているとも言えます。また「大動脈」とは、心臓に栄養を送る血管で、心臓と頭を繋げていて、それが切れると人は死んでしまいます。「それでおまえたちの誰一人として彼を守る者はない」つまり彼が嘘を言うのを知ったわれらが、彼を滅ぼすのをおまえたちの誰一人として止めることは出来ない、ということです。これらのアーヤはもしムハンマドが預言者であるとの主張において嘘をついていたとしたら、必ずやアッラーが彼を殺していただろう、しかしムハンマドがおまえたちに彼自身が預言者であると言った際、アッラーが彼を殺さなかったところから、彼は真実を言っている、ということになります。アッラーの御力添えと御援助の存在がムハンマドが真実を言っていることのしるしです。

最後に、クルアーンの諸特徴について言及することで章は締めくくられます:
「そしてまことにそれ(クルアーン)は畏れ身を守る者への訓戒に他ならない。そしてまことに、われらはおまえたちの中に(クルアーンを)嘘と否定する者がいることを確かに知っている。そしてまことに、それ(クルアーン)は不信仰者たちにはまさに悲嘆(ひたん)である。そしてまことに、それはまさに確信の(確実な)真実である。それゆえ、大いなるおまえの主の御名を讃美せよ。」

クルアーンは「訓戒」である、つまり「畏れ身を守る者」にとっての。彼らは、主を畏れ、彼の罰を避けようとする人たちです。「そしてまことに、われらはおまえたちの中に(クルアーンを)嘘と否定する者がいることを確かに知っている」人々よ、われらはおまえたちの中にクルアーンを嘘だという者がいることを確かに知っている。「そしてまことに、それ(クルアーン)は不信仰者たちにはまさに悲嘆(ひたん)である」不信仰者は最後の審判の日に、畏れ身を守る者たちが報奨を得、自分たちは逆の悪き報いを得るのを見る。それを教えているクルアーンは彼らにとって悲嘆と後悔の原因です。これは来世においてですが、現世ではクルアーンの教えが世界中で実践され、その光があちこちに広がり、真実が不正を負かす時こそ、クルアーンが不信仰者にとって悲嘆となります。そして他にも、「それはまさに確信の(確実な)真実である」似たものはなく、疑いもない確定した真実である、という意味です。だからこそ、「それゆえ、大いなるおまえの主の御名を讃美せよ」おまえの主から、あらゆる欠陥的性質を排除して高めよ、そして彼の威厳と偉大な権力に相応しいように彼を讃えよ、という意味です。

参考文献:ルーフ・アル=クルアーン タフスィール ジュズ タバーラカ/アフィーフ・アブドゥ=アル=ファッターフ・タッバーラ薯/ダール・アル=イルム リルマラーイーンP58~59)
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