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69章解説【4】

2014年06月05日 | ジュズ・タバーラカ解説
30.(火獄の番人たちに対し言われる)「おまえたち、彼を捕らえ、彼を縛れ」。
31.「それから、焦熱地獄に彼をくべよ」。
32.「それから、長さが70腕尺の鎖の中に、彼を差し込め(繋げ)」。
33.「まことに、彼は大いなるアッラーを信じていなかった」。
34.「また、貧困者の食事(の施し)を勧めなかった」。
35.「それゆえ、今日、彼はここでは近しい者はなく、
36.「また膿のほかに食事はない」。
37.「それを食べるのは過ちを犯した者たちだけである」。
38.それでわれはおまえたちが見るものにかけて誓おうではないか。
39.また、おまえたちが見ないものにかけて(誓おうではないか)。
40.まことにそれ(クルアーン)は高貴なる使徒の言葉である。
41.そして、それは詩人の言葉ではない。おまえたちはほとんど信じない。
42.また、(それは)巫蠱(ふこ)の言葉でもない。おまえたちはほとんど留意しない。
43.(それは)諸世界の主からの降示である。

「(火獄の番人たちに対し言われる)「おまえたち、彼を捕らえ、彼を縛れ」。「それから、焦熱地獄に彼をくべよ」。「それから、長さが70腕尺の鎖の中に、彼を差し込め(繋げ)」。」

この罪人を捕らえ、その両手と両足を鎖で縛って、火獄の中に入れて苦しめろ、そして鉄で出来た70腕尺の鎖で彼の身体を繋げ、との命令です。

続いてアッラーはこの罪人が罰を受けることになった原因を解明し給います:
「「まことに、彼は大いなるアッラーを信じていなかった」。「また、貧困者の食事(の施し)を勧めなかった」。「それゆえ、今日、彼はここでは近しい者はなく、「また膿のほかに食事はない」。「それを食べるのは過ちを犯した者たちだけである」。」

この不幸者が来世で罰を受けることになった原因:アッラーへの不信・忘恩、アッラーの唯一性を信じなかった、貧しい者への慈悲の気持ちの無さ、です。そのためこのような不信仰で不幸者に来世では「近しい者」つまり彼が陥ってしまった災難から救い出してくれるような親しい人はいない、ということです。また火獄では彼に食事は「膿のほかに」ありません。それは、食べ物の中でももっとも醜いものと言われます。また火獄の中にいる人たちの身体から流れ出る液体とも言われます。それを食べるのは、「過ちを犯した者たちだけ」です。

次にアッラーは世界の存在の秘密にかけて、クルアーンがその使徒ムハンマド(アッラーの祝福と平安あれ)に伝え給うた彼からの啓示であることを誓い給います:

「それでわれはおまえたちが見るものにかけて誓おうではないか。また、おまえたちが見ないものにかけて(誓おうではないか)。まことにそれ(クルアーン)は高貴なる使徒の言葉である。そして、それは詩人の言葉ではない。おまえたちはほとんど信じない。また、(それは)巫蠱(ふこ)の言葉でもない。おまえたちはほとんど留意しない。(それは)諸世界の主からの降示である。」

至高なるアッラーは存在するすべてのもの、物質世界においてであっても精神世界においてであっても見えるものと見えないものにかけて誓い給いました。物質世界に関して言えば、科学は今もまだ閉ざされている自然の秘密を発見し続けています。大きな望遠鏡が作られると人間は今まで目にされることのなかった数億もの星を発見しました。またものを数十万にも拡大する顕微鏡が作られると、人間は細胞の驚異と不思議を前にそれらを創造した神の御力を讃えては狼狽しました。また細胞は地球に存在する生き物全ての素でもあります。人間はほかに、今まで知らなかった地球の自然が持つ不思議を発見しました。だからこそこれらの存在の秘密に関連するこの誓いの言葉は素晴らしいと言えるのです。

アッラーは、クルアーンとは高貴な使徒であるムハンマド(アッラーの祝福と平安あれ)が読んでいるものであると先ほどの言葉で誓い給いました。かつて預言者(アッラーの祝福と平安あれ)の任務を拒否した人たちの中には、彼は詩人であると言いましたが、アッラーはそれを否定し給いました。なぜならクルアーンはその構造が詩のそれとは異なっており、またムハンマド(アッラーの祝福と平安あれ)が預言者となる前とその後共に、彼が詩を作ったことがないと知られていたからです。

また次の聖句:「おまえたちはほとんど信じない」はおまえたちは元来より信じない、または心の中で信じてはいるがすぐに信じなくなる、という意味です。またアッラーは預言者から占い師の性質を取り除き給いました。なおアラブにおける占い師とは、秘密を知っているとか不可視を見ることが出来ると主張する者をさします。「おまえたちはほとんど留意しない」つまりクルアーンがアッラーの御言葉であってそれは占い師の言葉に似るものではないことからおまえたちが訓戒を得ることは少ない、という意味です。またかつてのアラブの占い師たちは独特の言葉の使い方、つまり韻の踏み過ぎ、そして謎めいた言葉の使いすぎで知られていました。また彼らはアッラーへの崇拝や道徳、多神崇拝と腐敗との戦いに人々を誘うことはありませんでした。

先述の節:「まことにそれ(クルアーン)は高貴なる使徒の言葉である」に注意です。この節はつまりクルアーンはムハンマド(アッラーの祝福と平安あれ)の言葉である、とあります。節は、「まことにそれ(クルアーン)は高貴なる使徒の言葉である」つまり彼は個人的にそれを言っているのではなく、アッラーから送られた使徒してそれを言っている、という意味です。このことを次に続く聖句が明白にします:「(それは)諸世界の主からの降示である」つまりアッラーからの啓示であるということです。

参考文献:ルーフ・アル=クルアーン タフスィール ジュズ タバーラカ/アフィーフ・アブドゥ=アル=ファッターフ・タッバーラ薯/ダール・アル=イルム リルマラーイーンP55~57)
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