213.アル=ジャアラーナからのウムラ:
アル=ジャアラーナでフナインの戦が終わって捕虜と戦利品の分配が済んだ時のことです。マッカとアッ=ターイフの民のミーカートから約40kmほど離れたところにあるこのアル=ジャアラーナでアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はウムラのためにイフラーム状態に入り、ウムラを済ませ、マディーナに戻って行きました。それはヒジュラ暦8年のズ=ル=カアダ月のことでした。
214.服従する者たちであり、強制される者たちではない:
信徒たちがアッ=ターイフから去ろうとする時、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)が彼らに言われました:われわれは帰る者、悔悟する者、崇める者、主を讃える者、と言いなさい、と。彼らが:アッラーの使徒さま!サキーフに呪いがあるよう、アッラーに祈ってください、と言うと、彼は:アッラーよ、サキーフを導き、彼らがこちらに来るようにしてください、と言われました。
するとサキーフの人間であるウルワ・イブン・マスウード・アッ=サカフィーが追いかけてきて、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)がマディーナに入る前に彼に追い付きました。ウルワはイスラームに帰依し、自分の民をイスラームに呼びかけるために帰って行きました。ウルワは地元では愛される存在で、地位もあったのですが、イスラームに帰依したことを公にして彼らを新しい教えに誘おうとすると、人々に弓を放たれてしまい、殉教者として亡くなることになりました。
サキーフの人たちはウルワを殺してから数カ月を過ごしました。そして周りのアラブには到底戦いでは勝てないであろうと話し合って結果を出しました。なぜなら回りのアラブはすでに忠誠を誓い、イスラームに帰依していたからです。そこでサキーフの人たちはアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)に使節団を派遣しました。
215.偶像崇拝に容赦なし:
マディーナにやって来たサキーフからの使節団のためにアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は彼のマスジドの傍にテントを建てました。彼らはイスラームに帰依しましたが、あるお願いをしてきました。それは、偶像神の一つである「アッ=ラート」を彼らのために置いておき、3年間は壊さないで欲しいというものでした。しかしアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はそれを拒みました。サキーフの人たちは、では1年で良いから、と懇願しましたがそれもアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は拒み、最後には彼らがやって来てから1カ月だけでも良いからと懇願しました。もちろんアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は拒んで、アブー・スフヤーンとサキーフ出身のアル=ムギーラ・イブン・シュウバを派遣してアッ=ラートを壊すことにしました。またサキーフの人たちは礼拝を免除してほしいとも言ってきました。それに答えてアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は言われました:礼拝のない宗教によいことなどない。
サキーフの使節団は用事を済ませると自分たちの土地に帰って行きました。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は彼らとともにアブー・スフヤーンとアル=ムギーラ・イブンシュウバを送りました。アル=ムギーラがアッ=ラートを壊してからはサキーフの間にイスラームが広まって行きました。そしてアッ=ターイフのすべての人間がイスラームに帰依することになりました。
216.カアブ・イブン・ズハイルの帰依:
アッ=ターイフからアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)が戻られると、カアブ・イブン・ズハイル(詩人であり、その父も詩人)が現われました。彼はかつてアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)を風刺したことがあるのですが、その後は立場が悪くなり、また自分自身も良く思わず苦しみました。そこで彼の兄弟のブジャイルがアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)のところへ悔悟、帰依した状態で行くことを強くすすめました。またそうしなければ悪い結末が待っているだろうとも警告しました。そのためカアブはアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)を褒め称える句を入れた後に有名となる詩を読んだのです。
マディーナに到着したカアブは、黎明の礼拝を済ませたアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)のところへ向かいました。そして彼の傍に座り、己の手を彼の手に置きました。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はカアブの外見を知りませんでした。カアブは彼(アッラーの祝福と平安あれ)に言いました:カアブは悔悟、帰依して現れ、あなたに安全を求めています。あなたは受け入れてくださりますか?するとアンサールの男が立ち止まって、言いました:アッラーの使徒さま、このアッラーの敵の首を落とさせてください。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は言われました:いや、彼を放っておきなさい。この男は悔悟し、悪事をなおざりにしてやって来たのだ。そこでカアブはかの詩を読み上げて、アッラーの使徒を褒め称える句を読みました。それを聞いたアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は上着(ブルダ)を脱いでカアブに着せました。
(参考文献:①「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P358~360)
アル=ジャアラーナでフナインの戦が終わって捕虜と戦利品の分配が済んだ時のことです。マッカとアッ=ターイフの民のミーカートから約40kmほど離れたところにあるこのアル=ジャアラーナでアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はウムラのためにイフラーム状態に入り、ウムラを済ませ、マディーナに戻って行きました。それはヒジュラ暦8年のズ=ル=カアダ月のことでした。
214.服従する者たちであり、強制される者たちではない:
信徒たちがアッ=ターイフから去ろうとする時、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)が彼らに言われました:われわれは帰る者、悔悟する者、崇める者、主を讃える者、と言いなさい、と。彼らが:アッラーの使徒さま!サキーフに呪いがあるよう、アッラーに祈ってください、と言うと、彼は:アッラーよ、サキーフを導き、彼らがこちらに来るようにしてください、と言われました。
するとサキーフの人間であるウルワ・イブン・マスウード・アッ=サカフィーが追いかけてきて、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)がマディーナに入る前に彼に追い付きました。ウルワはイスラームに帰依し、自分の民をイスラームに呼びかけるために帰って行きました。ウルワは地元では愛される存在で、地位もあったのですが、イスラームに帰依したことを公にして彼らを新しい教えに誘おうとすると、人々に弓を放たれてしまい、殉教者として亡くなることになりました。
サキーフの人たちはウルワを殺してから数カ月を過ごしました。そして周りのアラブには到底戦いでは勝てないであろうと話し合って結果を出しました。なぜなら回りのアラブはすでに忠誠を誓い、イスラームに帰依していたからです。そこでサキーフの人たちはアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)に使節団を派遣しました。
215.偶像崇拝に容赦なし:
マディーナにやって来たサキーフからの使節団のためにアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は彼のマスジドの傍にテントを建てました。彼らはイスラームに帰依しましたが、あるお願いをしてきました。それは、偶像神の一つである「アッ=ラート」を彼らのために置いておき、3年間は壊さないで欲しいというものでした。しかしアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はそれを拒みました。サキーフの人たちは、では1年で良いから、と懇願しましたがそれもアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は拒み、最後には彼らがやって来てから1カ月だけでも良いからと懇願しました。もちろんアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は拒んで、アブー・スフヤーンとサキーフ出身のアル=ムギーラ・イブン・シュウバを派遣してアッ=ラートを壊すことにしました。またサキーフの人たちは礼拝を免除してほしいとも言ってきました。それに答えてアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は言われました:礼拝のない宗教によいことなどない。
サキーフの使節団は用事を済ませると自分たちの土地に帰って行きました。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は彼らとともにアブー・スフヤーンとアル=ムギーラ・イブンシュウバを送りました。アル=ムギーラがアッ=ラートを壊してからはサキーフの間にイスラームが広まって行きました。そしてアッ=ターイフのすべての人間がイスラームに帰依することになりました。
216.カアブ・イブン・ズハイルの帰依:
アッ=ターイフからアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)が戻られると、カアブ・イブン・ズハイル(詩人であり、その父も詩人)が現われました。彼はかつてアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)を風刺したことがあるのですが、その後は立場が悪くなり、また自分自身も良く思わず苦しみました。そこで彼の兄弟のブジャイルがアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)のところへ悔悟、帰依した状態で行くことを強くすすめました。またそうしなければ悪い結末が待っているだろうとも警告しました。そのためカアブはアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)を褒め称える句を入れた後に有名となる詩を読んだのです。
マディーナに到着したカアブは、黎明の礼拝を済ませたアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)のところへ向かいました。そして彼の傍に座り、己の手を彼の手に置きました。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はカアブの外見を知りませんでした。カアブは彼(アッラーの祝福と平安あれ)に言いました:カアブは悔悟、帰依して現れ、あなたに安全を求めています。あなたは受け入れてくださりますか?するとアンサールの男が立ち止まって、言いました:アッラーの使徒さま、このアッラーの敵の首を落とさせてください。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は言われました:いや、彼を放っておきなさい。この男は悔悟し、悪事をなおざりにしてやって来たのだ。そこでカアブはかの詩を読み上げて、アッラーの使徒を褒め称える句を読みました。それを聞いたアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は上着(ブルダ)を脱いでカアブに着せました。
(参考文献:①「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P358~360)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます