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預言者伝77

2014年11月07日 | 預言者伝関連
235.のつづき:
  続いてアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は、「ラッバイカッラーフンマ ラッバイク、ラッバイカ ラー シャリーカ ラカ ラッバイク、インナルハムダ、ワンニイマタ ラカ ワルムルク、 ラー シャリーカ ラカ。(アッラーよ、御前に参りました。あなたに共同者はおりません。称賛と恩恵と王権はあなたに属します。あなたに共同者はおりません。)」と唱え始めました。彼と共に人々は増えたり減ったりしました。減っても彼はその人たちを責めることはなく、タルビヤ(上記の文句)を唱え続けました。なおアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)とアブーバクルのラクダに乗せた背荷物は同じものでした。

  ズー・トワーに着くと、土曜の夜はそこに宿泊しました。ちょうど、ズ・ル・ヒッジャ月4日のことでした。そこで黎明の礼拝を済ませ、沐浴も済ませてから、マッカに向かいました。そして同日中にマッカに到着し、そのまま聖マスジドに入りました。すでに太陽が昇っていた時間でした。館を目にした瞬間に、言いました:「アッラーよ、このあなたの館に更なる尊さと威厳を増やし給え」。そして両手を挙げてアッラーフアクバルと唱えて言いました:「アッラーよ、あなたは平安であり、平安はあなたから来ます。わたしたちを平安の中に生かし給え」。

  マスジドに到着すると、館に向かいました。黒石に近付くと、それに手を触れました。彼は決してそれを求め争うことはしませんでした。そして館を左手にして進み、初めの3周を急ぎ足で行いました。

  アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は足早に、歩幅を縮めて、片方の肩を露出しました。黒石に近付くたびにそれを指さして、杖でそれに触れました。タワーフが終わると、イブラーヒームのお立ちどころの背後に来て、「イブラーヒームの立ち処を礼拝の場とせよ」(雌牛章125節)と唱え、2ラクアの礼拝を捧げ、礼拝を終えると、黒石に向かい、それに触れました。次に向かいの門から出てサファーに移動しました。近付くと、「まことにサファーとマルワはアッラーの諸々の象徴(の一部)である。」(雌牛章158節)と唱え、アッラーが始め給うたことで私は始めます、と言いました。次にその上へ館が見えるところまで登りました。キブラの方へ向いて、ラーイラーハイッラッラー、アッラーフアクバルと唱え、ラーイラーハ イッラッラー ワハダフ、アンジャザ ワハダフ、ワナサラ アブダフ、ワハザマル アハザーバ ワハダフ(おひとりなるアッラーの他に神はなく、彼はその約束を果たし給い、しもべに勝利を与え給い、おひとりで部族連合軍を打ち負かした御方)と言いました。

  マッカには4日滞在しました:日曜、月曜、火曜、水曜。木曜の日の出後に、信徒たちとミナーに向けて出発しました。到着するとそこでズフルとアスルの礼拝を行い、泊りました。木曜の夜でした。太陽が昇ると、そこからアラファへ向けて出発しました。アラファのナミラに彼のためにテントが張られていたのでアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)はそこに滞在しました。正午を超えたところで乗っていたメスラクダのカスワーで移動しました。アラファの地の中心地にまで来ると、ラクダに乗ったままの状態で、人々に説教しました。それはイスラームの諸基幹が定められ、多神信仰と無明時代の悪習慣が壊され、各集団がその禁止を認めた禁止事項が決められた偉大な説教でした。それらは:血、財産、尊厳です。また無明時代の諸事項が彼の両足の下に埋められました。また無明時代の全ての利息が無効とされました。女性に良くするようにとの遺言もなされました。また彼女らの権利と彼女らが負う義務が明確にされました。つまり出来る範囲で、糧と衣料が彼女らに与えられるべきだ、ということです。

  また共同体のメンバーたちに、アッラーの書にしがみ付くよう遺言しました。そしてそれにしがみ付いている限り、決して迷うことはないと知らせました。次に、彼らはそれ(アッラーの書)の責任を問われるとも知らせました。おまえたちは何と答え、何と証言するのか?と言わせました。人々は言いました:私たちは、あなたが確かに述べ伝え、(任務を)完遂し、助言くださったことを証言します。そこでアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は両手を天にあげて、3度に渡って、アッラーに今の彼らの言葉の証人となってもらえるよう求めました。そしてこの場に居る者はいない者に伝えるよう命じました。説教を終えると、アザーンを命じられてビラールが呼びかけて、ゾホルの礼拝2ラクアが行われました。続いてアスルの礼拝も2ラクア行われました。金曜日のことでした。

(参考文献:①「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P386~388)

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