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花嫁の冠の著者について

2008年04月28日 | 花嫁の冠【自我浄化】

 花嫁の冠を訳してはじめておきながら、著者の紹介をするのを忘れていました。
 手元にある本書には詳細が載っていなかったのですが、彼のほかの著書を解説したもの(ブーティー博士によるアル・ヒカム アル・アターイーヤの解説)の前書きの中にあったので紹介します。

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 彼は、タージュッディーン(教え・宗教の冠)という尊称を持っていた。名前は、イブン・アターイッラー アッサカンダリー アル・マーリキー(イブン:息子、アターイッラー:アッラーの贈り物、アッサカンダリー:サカンダルの者、アル・マーリキー:マーリキー法学に倣う者)。ヒジュラ暦709年(西暦1309年)没。ヒジュラ暦7世紀の著名な師に数えられる存在だった。エジプトで学業を始め、タフスィール(クルアーン解説)、ハディース、語学、文学をさまざまな師たちから学んだ。そして彼は、模範的に学問を実践する人生を素晴らしく全うし、また、魂の浄化にも努めたが、ある二人の尊い学者の支えによりそれは叶った。この二人は、シャリーアと、アッラーが名付けられた〈内部にある罪〉を治療する魂浄化の基礎を融合した。(お二人の名前などは省略)

 イブン アターイッラーの名は、シャリーアの著名な学者として知れ渡った。彼は人間を魂や欲望から解放するシャリーアの真実と真髄に染まった。またシャリーアによってアッラーの御前で正直者であれるように人間は洗練され、アッラーに完全に満足し、また完全にかれを信頼し、すべてをお任せする(ようになる)。アル・アズハルで彼は教壇に立ち、シャリーアの各学問を教えた。彼に手によって多くの有名な学者が輩出された。たとえば、アル・イマーム タキーユッディーン アッサバキー、アル・イマーム アル・カラーフィーなど・・

 彼が進言や訓戒のために腰を下ろすと、彼の言葉は聞く者の心を奪った。そしてその者たちの魂は彼の言葉に激しく揺さぶられた。彼と同じ時代を生きた同位の人たち、また彼の後の世代の人たちがこのことを証言している。彼らの学派や学問を得た源が同じだったというわけではないにも関わらずだ。

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